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下関あるかぽーと開発で市が地元説明会
           市民敵視に怒り噴出     2006年9月11日付

 下関市はみなとまち開発(藤井清崇社長)が再提案したあるかぽーと開発計画について9日、唐戸市場大会議室で中央地区自治連合会や一般市民を対象にした地元説明をおこない、約120人が集まった。同社が弁護士をつうじて南部町自治会の山崎会長に、脅迫じみた催告書を送りつけたことに、地元住民からは「町民や市民を敵視するものだ」と不信感が噴出。話し合いをせずに権力を振りかざしたり、市民世論に耳を貸そうとしない市当局と開発業者の姿勢に対して、「民主主義のかけらもない」と激しい怒りが噴き上がった。
 南部町自治会の山崎喜八郎会長は、みなとまち開発代理人の中谷正行弁護士から求められた催告書への回答について、町内回覧で誤記とされた日付と建物の高さについては訂正。しかし、あるかぽーと開発に「(自治会の)要望は反映されたとは思えない」との表現に訂正を求めていたことには、「3階を限度とすることを決めた南部町自治会および中央地区連合自治会の要望とは大きくかけ離れている」として、訂正する考えにはないことを改めて強調した。最後に山崎会長は、「本当の気持ちをのべると、下関市の顧問弁護士から配達証明書付で催告書が送られ驚いた。が、みなさんから大きな激励をいただき、今からもがんばっていきたいのでよろしくお願いします」とのべると、参加者からは熱烈な拍手と、「がんばろう」のかけごえがわき起こった。
 地元からの発言は脅迫じみた開発業者のやり方に、不信感が噴き上がった。南部町の住民男性は、「町民アンケートではほとんどが開発に反対した。住民の意見を聞きながらすすめているのに、弁護士を使って脅迫するようなやり方をした。そんなことで(開発業者は)市民の同意を得ることはできない」とのべた。べつの男性は「南部町民だけでなく下関市民を冒とくするものだ。ここには民主主義のかけらもない。どれだけ市民の声を聞いたのか」など、糾弾する発言があいついだ。高齢の男性は「人がにぎわうようにすることは、よいことだと思ってきたが、(同社が)山崎会長にやったことは、出刃包丁を突きつけたようなものだ」と声を震わせて抗議した。しかし藤井社長からは最後まで、催告書を出した動機について、なんら説明はなされなかった。
 あるかぽーと開発計画が市民から意見を聞かないことにも、批判があいついだ。名池町の住民は「市民1万人アンケートでは、63%が公園や緑地がほしいとし、50%近くが白紙撤回を求めた。市民の声を聞いていないという意見だった。なぜ市民アンケートをとらないのか」と質問。「江島市長にアンケートをとってほしいと求めたが、“一部市民のためにアンケートはとれない。議会制民主主義だから”ということだ」とのいきさつも、自治会関係者から紹介された。市港湾局は「議会で審議されている状態で、議会がみなさんの代表だ」として、議会判断に委ねることをあらためて示し、市民アンケートや世論は突っぱねる意向。

 疑問はますます深まる・まともな回答がなく
 あるかぽーとの埋め立て地を、1民間業者に安値で売却・賃貸することにも、大きな疑問が出された。女性は、「たった数億円で、あのように大切な土地を手放していいのか。博多ではベイサイドがダメになり、商業施設が破たんしていっている。だが大きな建物をつくったら、撤去するわけにはいかない。目先の金もうけだけで、市がどんどん汚れていくではないか」、と追及すると、共感の拍手が起こった。唐戸の商店主は「藤井社長は、枯れ木に花を咲かす花咲じいさんのような計画をいうが、永久にあの景観がなくなるんですよ」と迫った。
 しかし藤井社長や市当局からは、「集客は年間326万人を見込んでおり、商圏は車で2時間程度(博多から広島ぐらい)」「2000人の雇用が生まれる。九州経済調査会や統計数字の出した資料から、そうなっている」とする従来の説明が繰り返されただけ。このうち住民の疑問が解けたものは、2710人の雇用については、建設工事にかかる直接の雇用ということで、商業施設そのものではないことが新たに分かったくらい。答えきれない藤井社長に成りかわって、合意書をかわした唐戸商店会幹部が「建ってみればわかる」と声を荒らげる場面もあったが、ますます疑問を深めただけだった。
 南部町の住民からは「住民の疑問に何も答えておらず、説明会が成立したとはいえない」と、議会には説明会の不成立を報告するべきとの意見が出されると、賛同の拍手がわき起こった。会合のあと藤井社長は、「私は説明会だったと思う。(成立していないと)一方的にいわれただけだ」「あれ以上、建物の高さを下げるのは無理」と、批判を聞いただけで受け入れるつもりはないとの対応。中央地区自治連合会の林眞一郎会長は、「説明は新しく理解を深めるものではなかった。14日ごろにも、連合会としての結論を出したい」と話した。参加した市民のあいだでは、「市長や市議会が強行するというのなら、市民が力を合わせて阻止しよう」と意気ごみが高まっている。

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