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安倍実兄企業の落札取り消しへ
下関市文化会館建て替え
               市民の世論が暴走止める    2006年11月13日付

 下関市が発注した総額155億円の文化会館建て替え問題は、官製談合疑惑のなかで落札した三菱商事グループが、別の事業で逮捕者が出たとして、江島市政が失格の検討を始めたと発表した。これまで疑惑があろうと、逮捕者が出ようと強行するものは強行してきた江島市長であり、三菱商事を引っ込めさせた力は、市民の猛烈な反発の世論であり、安倍総理側が飛び上がったからだと市民の力への大きな喜びとなっている。不透明で恣意的な入札のやり方について真相を究明することを求めて訴訟を起こした原弘産グループは、契約交渉がきても辞退して、公正な入札を実現するために筋を通すとしており、建設業者をはじめ多くの人人の期待を受けている。三菱商事が引っ込んだら解決したというものではなく、どうしてこんなことになったのか真相の解明と、このような事態をひき起こした根を解明し、2度と続けられないようにさせることをすべての市民は求めている。

 真相解明求める世論は沸騰
 この問題をめぐって、民主主義と生活を守る下関市民の会(兵頭典将理事長)は、この2週間あまりのあいだ、「江島市政とたたかって市民生活を守ろう」と訴えて、市内各地で約40回の街頭演説と本紙号外「安倍総理誕生で江島市政暴走」を配布し、市民世論を激励した。なお本紙号外は6万枚が配布されており、街頭、居住区などのほか、さまざまな事業所、個人が数10枚単位で預かって周辺に配るなど、多くの市民の行動となっている。
 文化会館建て替え事業は、入札の審査自体が不透明で江島市長側の恣意的な判断が優先されたもので、三菱商事グループは排除された原弘産グループより約10億円も高く、しかも安倍総理の実兄が中国支社長をするという関係であった。この10年で自殺者が590人にものぼり、倒産は相次ぎ、市内に職がなく、あっても生活できない植民地賃金の状態、老人は年金は削られた上に税金も上げられ、介護からも医療にもかかれず生きているだけで国賊のような扱い。このような生活の困難を背景にして、市民を絞るだけ絞って、大型の利権事業で下関を食いものにすると、全市内で激しい怒りの声がまき起こっている。
 文教市民委員会における市当局の報告によると、三菱商事グループ内の日本管財(兵庫県)の社員が1日、東大医学部付属病院の空調設備メンテナンス業務の入札をめぐり、競売入札妨害の疑いで警視庁に逮捕されたことが分かったから、失格の検討を始めたとしている。「逮捕者が出た」との三菱商事グループからの連絡は2日にあったとして7日の基本契約を延期した。すでに江島市政は、10月末といっていた審査内容の発表をやっておらず、三菱商事グループを引き下げる動きと見られていた。
 入札書によれば構成員のなかに指名停止が出れば、失格になると定めている。しかし江島市政はこれまでそんなことはお構いなしでやってきた。汚泥し尿処理施設で公正取引委員会がクボタやパシフィックコンサルタンツに強制捜査をおこなっても、江島市長は何のためらいもなしに議案として出したし、市議会も不干渉の態度を装い指名停止が出る前に急いで可決してきた。文化会館建て替えのアドバイザリーであるパシフィック社も、1昨年にODA事業(政府開発援助)で中米コスタリカ政府機関に支払うべき金を流用し、国際協力機構から計1年5カ月の指名停止を受けた。さらに今年9月にも約1億円の使途不明金が見つけられたが、江島市長は依然として文化会館建て替えのコンサルタントをさせてきた。
 江島市長が公正とか正義とかはくそ食らえで、もっぱら力ずくで事を進めてきたことは市民のすべてが知っていることである。今度の三菱商事の取り下げは、力関係で江島市長が弱ったからでしかない。
 その要因のひとつは、原弘産グループが、建設業者のこれまでのように泣き寝入りをするのではなく、断固とした姿勢で、「はじめに結論ありきの官製談合だ」として裁判に訴えたことである。さらに、市民の会による本紙号外配布と街頭演説活動と結びついた市民世論の高まりである。またブッシュ人脈として総理になった安倍晋三氏が、共和党の大敗退でブッシュと運命をともにして、総理になったとたんに政権末期的な漂流状態になってきたこと、そんななかで地元の下関で不祥事への非難が強まったのではたまったものではないという事情などがからんで、江島市長がトカゲのしっぽ切りの憂き目になったのだろうというのが、市民の観測である。

 市側に誘導の疑惑 議事録でも・業者は訴訟継続
 原弘産グループの訴状では審査委員会のなかで、8人の委員のなかには江島市長の子飼いである山村重彰副市長と松田雅昭教育長がはいっていて、まとまらないものを三菱グループが落札されるよう、強引に誘導したと疑惑を「見聞」としてあげていた。
 文教市民委で市当局が示した審査会の秘密会議事録は、削り込まれた要旨だったが、総合評点の集計後に修正された一端が記されていた。審査委員会は5月25日、10月5日、同11日の計3日間にわたり開かれ、入札価格をはじめ設計・建設、維持管理、運営の4項目の合計得点が、多い方を落札者とするものだったが、同点になった。市当局が同点になれば、クジで決める規定であると告げると、ある委員が「できれば三菱商事グループになればという意向が強いのではないか。これで抽選になり原弘産グループになると、せっかく審議をしたのに残念」と、誘導発言がおこなわれた。
 これに続いて2人の委員が、原弘産グループの景観の項目などについて、評価を下げたいと申し出、最終的に三菱商事グループが66・2点で、原弘産グループより2・4点上回り、落札者が決定されていた。評価表の内訳では、価格は約10億円差をつけた原弘産グループに、50点、三菱商事グループは27・2点だったが、主観点とされる「設計・建設」は原弘産グループは最低点の5点、三菱商事グループは最高点に近い22・5点とされた。
 議事録は名前が黒塗りされているが、市側の誘導は覆い隠せないものである。文教市民委で、審査委員の1人であった松田教育長は、「内容は(三菱商事グループが)ダントツだった」といい放ってみたものの、誘導疑惑について突っ込まれると、「そういう事実はない」と否定に一生懸命だった。
 三菱商事グループが失格となると、原弘産グループと契約交渉がされることになるが、同社は「契約は辞退する」とハッキリのべて、疑惑の評価でらく印を押されたことについて、真実を明らかにするために訴訟を継続させるといっている。
 安倍代理の江島市政の元で、建設業者はさんざんな目にあってきた。選挙協力をしないからと業者排除リストがつくられて、A級、B級戦犯などと50数回あった入札が、ゼロ回にされるなど、対抗馬への陰湿な絞め殺しがやられてきた。地元発注の公共事業は、金額と件数ともに極端に減らされたうえに、電子入札導入でダンピング競争政策にたたきこまれてきた。
 2000年から見ても、奥山工場ごみ焼却炉は105億円で、リサイクルプラザは60億円。それぞれ土木建築とは無縁な神戸製鋼所が落札して、西松建設が下請で九州からの業者ばかりをいれ、地元が入ってもだましたりで、企業生命を奪われるものも続出した。
 三菱商事グループ引き下ろしの事態は、市民世論の力を確信させるものとなった。安倍代理の江島市長による暗黒政治が実行され、下関は食いつぶされ、市民の生活はひじょうに困難になった。しかし、いかなる独裁者よりも働く市民の方が、その力をひとつに結びつけるならはるかに力を持っていることを示している。来年2月の市議選に向けて、江島市長を打倒して市民の生活を守るという、市民の力をどこまで結集できるか市民のなかで俄然関心と論議が大きくなっている。

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