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下関破壊に走る安倍代理市政
               市民切り捨て箱物三昧    2008年3月26日付

 江島市政の4期目の任期もいよいよ最終年度となった。3月議会には相変わらず盛りだくさんの箱物事業が提案され、安倍代理の好き放題に拍車がかかっている。満珠荘や旧郡部の保育園など、市民が存続を願っている教育・福祉施設や、地元が潤うようなインフラ整備は「効率化」と称して切り捨てたり、過酷なダンピング。一方で、くだらない箱物事業には山ほど市財政をぶちこんで、市長周辺やゼネコン、安倍縁故企業ばかりが人の税金を食いつぶしている。度外れた市政の私物化と突っ走りを、議会やオール与党の安倍体制がバックアップするシカケになっている。個別利益代表――市民切り捨て政治は、全国と比較しても最先端をいっており、安倍・林支配の構造そのものを突き崩さなければならないとの思いが、市民のなかで強まっている。
 ふざけた箱物事業だけは満載で、市財政が毎年30億円不足するほど、投資的経費が異常な伸びを見せている。「合併特例債はお得なのだ!」「使わないともったいない」といって、バンバン箱物事業をやっているのである。平成17年度〜20年度の4年間で、この特例債は182億1300万円を使い果たす算段になっている。今後は200億円規模の新市庁舎、駅ビル、新博物館なども計画している。使い道としては、いまのところ社会教育複合施設がもっとも比重が大きく、犬猫安楽死施設(動物愛護施設)、ペンギンハウス、駅設置など、もろもろに注ぎ込まれている。
 “特例債”といっても善し悪しで、これは「鼻先にんじん方式」で国が原発立地自治体などを溺れさせるパターンと酷似している。使途が箱物限定というのも、電源立地特別交付金とそっくりで、箱物ばかりつくって財政はパンク。しまいには国や大企業に文句がいえなくなるまで、隷属的な関係を迫られるケースにもなりかねない。
 国は90年代、「交付金措置でカネはおろすから、債権を発行して公共事業で内需を起こせ」と箱物を煽ったことがある。その顛末は、全国の自治体が大借金を抱え、そのうえ本来入る予定だった交付金を切られて、合併することにもなった。国と地方の借金が近い将来800兆円から1000兆円にまで膨れあがってたいへんなのだと大騒ぎし、「行財政改革」「構造改革」を叫ぶ一方で、さらに借金させてゼネコンや銀行が潤う箱物は大判振る舞いと、裏腹な事態が進行している。いったい何に使っているのか。

 意味不明の無人駅完成 梶栗地区
 梶栗地区には3月中旬、意味不明の無人駅が完成した。隣接の安岡駅、綾羅木駅までの距離はそれぞれ1`少少で、だれもが必要性を疑問視している。JR西日本は一銭も負担せず、下関市が税金をぶちこみ、地元では寄付金まで巻き上げて設置した。施設は、5億6000万円もかけたのに、片側プラットホームに陸橋がついて、雨よけがついているだけ。「だれがいくら抜いたのか?」とみんなが話しはじめた。鉄道利権を独り占めしている広成建設(JR西日本の関連企業)が無競争で、しかも法外な価格で受注した。
 江島市長の選挙を全力支援したJR西日本・広成建設は、目下、下関の箱物事業を総なめにしている状況がある。60億円の建設費を見込んでいる社会教育複合施設の建設も、主力メンバーとして加わっているほか総事業費10億円を見込んでいる豊浦町湯町の観光交流センターの施設建設も、一括発注を随意契約で請け負う予定。現在ストップしているものの、29億円かける長府駅周辺整備事業も、鉄道絡みの特権で同社が請け負うことは間違いないと見られている。100億円規模とされる下関駅ビル構想にも当然首を突っ込むことになる。
 梶栗駅だけでは足りず、江島市長はさらに7つの新駅設置構想を温めており、JR利権、広成建設利権は花盛りとなっている。市内は駅だらけとなる。国民財産であった鉄道を食い物にするだけでなく、民営化された私企業が子会社ともども行政とつながって、“たかり商売”のようなことをやっている。

 ペンギン御殿に22億円 犬猫施設に約11億円
 22億円投入したペンギン御殿は、専用水槽としては世界最大なのが売り。1億円で100羽ほど購入し、高級御殿をあてがう。最近、若い女の子たちを雇って、“ペンギンシスターズ”を結成した。
 井田地区には総事業費は10億9000万円の犬猫安楽死施設(動物愛護施設)建設をすすめている。平成15年度の当初計画では約6億5000万円としていた総事業費は、突如、「炭酸ガス」による処分方法から「揮発性麻酔薬吸入による安楽死」へと変更になり、火葬炉も1基だったのが2基へと倍加され、総事業費は膨れあがった。
 市長の初物趣味で、全国初導入が売り。1匹ずつ部屋に入れ、人間の手術に使っている麻酔薬を吸引させて安楽死させ、獣医が1頭ずつ死を確認するという。現在、県に持ち込んでいる処分費用が年間1700万円だが、新たな施設の維持管理費は年間3200万円を見込んでいる。

 新市庁舎の移転建設も 市民は慎重意見
 そして行方が注目されているのが新市庁舎の移転建設問題だ。総額にして約200億円を使いたい本心が丸出しとなっている。移転云云の騒ぎをやっていたら、いつの間にか建設は認められているかのような調子で話は進行。27日の議会全員協議会の場で、江島市長は「一定の方向性」を示すと見られている。
 これも合併特例債を使う意向で、7割が交付金措置で返ってくるとの説明。それでも事業費のうち約60億円ほどは市財政からの持ち出しになり、市民が肩代わりすることになる。通常、自治体などが新庁舎を建設する場合は、基金を毎年積み上げる形で計画的に進めていく。下関の場合は庁舎基金はゼロで、当初から計画していたわけではない。合併後に唐突に動き始めた。
 新下関地区に土地を購入し、新たに庁舎建設しても、現在地で11階建ての施設をこしらえても170億〜200億円かかると予想している。市民のなかでは、「補強したらまだまだ使える」「築50年で古いというけれど、宮崎県庁は築75年だ」など、慎重意見が圧倒している。

 教科教室型導入を強行 地元父母の反対無視
 川中中学校の移転とかかわった教科教室型導入については、地元父母らが「やめてくれ」といっているものを強行している。各教科ごとに毎時間、700人もの生徒が大移動を繰り返す学校にするもので、“全国でも最大規模”というのが江島市長の売り込み内容。全国で失敗事例が相次ぎ、川中中学校の状況を知っている教師らのなかでも危惧(ぐ)する声が圧倒しているなか、市長の意向で松田教育長らが突っ走ってきたものだ。
 教育委員会が暴走する過程で学校は落ち着きを失い、とりかえしのつかない悲しい事件まで起きた。3月議会では、「開校に間に合わない」として予算議案が文教厚生委員会を通過。白紙撤回を求める請願も実質放置して無視を決め込んだ。土地代・建設費をひっくるめて50億円を超えることにも驚きの声が上がっている。
 教育委員会をめぐっては、松田教育長が任期を1年残して3月末で辞任する。そこに、濱本収入役をスライド就任させる人事が動いている。市内の公立学校の統廃合をめぐる答申が27日に市長に提出される予定で、4月以降、本格的に動き出すのにあわせた布陣とみられている。教員上がりだが市長のいいなりだった松田教育長がパンクしたので、教育についてわからない役人を付け、市長主導型の教育行政をさらにやっていこうというものだ。
 廃校になった学校は用地が売り飛ばされて、市の特別収入になったのち箱物に消えていくと見られている。あるかぽーと開発で、江島後援会の会計担当だった人物に二束三文で払い下げしようとしたのと同じように、市有財産の切り売りが十分に予想される。「地域の中心拠点なので、中心部ではマンション利権とか、スーパーなどの出店競争にも拍車がかかるのではないか」と指摘されている。
 学校予算を削り倒して、子どもたちのトイレットペーパー代やプリント代まで父母負担させている教育委員会であるが、ここ数年は箱物事業を扱うことが増えている。約50億円規模の川中中学校建設にはじまって、細江町の社会教育複合施設は五年間の維持管理と建設を一括発注にして約80億円。新年度予算には、撤回に追い込まれていた長府の新博物館構想も復活させ、基本設計にかかる5300万円の予算をつけた。これらすべてを教育委員会が取り扱って、職員配置としては教育長まで“チーム江島”で固める意向となった。議会が教育長人事を可決するのか、全教育界が注目している。

 奥田映画館には補助金 満珠荘とは大違い
 安倍グループへのお手盛り予算も目を引く。シーモール下関のなかにある“奥田映画館”こと下関スカラ座シアター・ゼロを運営している「ゼロ・ピクチュアズ」(東京・奥田瑛二社長)に、館の賃借料の3分の1の補助金(290万円)を支出すると発表して、怒りを買っている。同社は、下関市内で唯一残っていた映画館・東宝スカラ座が閉館に追い込まれたのち、「下関の映画文化の灯を消してはならない」と登場。はじめての映画館経営が、同社の売り込みや今後の事業展開にもつながる関係と見られている。
 当初は2カ月間だけとしていたのが、いつの間にか延長となって半年が経過。来館者が少なく閑散としていることから、なにがしかの団体が、賃借料を肩代わりしていなければ大赤字と周囲は語っていた。そこに江島市長の公的資金注入による補填案が飛び出した。
 「補助金を出すほどの映画を上映しているのか?」と、みんなが感じている。関連して下関では、奥田氏の夫人でエッセイストをやっている安藤和津氏が2003年に下関市文化振興財団(下関市の外郭団体)の理事長に就任。代議士夫人である安倍昭恵氏の“友達”という関係から引っ張ってきた。年間数回ほど下関に遊びに来るだけなのに、市財政から200万円ちかい報酬に加え、交通費、食費、宿泊費、お付きのスタイリストなどの費用までが出ているという。映画館にせよ、文化振興財団にせよ、安倍グループの遊び場というわけだ。
 市民が存続を願っている満珠荘は適当にたぶらかして無視。地域ともども父母らが切実に存続を求めている角島保育園は廃園を前提にしたまま、幼保一元化施設という豊北町内すべての保育園を廃園にし、1カ所統合する新施設の建設をすすめている。中小零細商店のなぎ倒しを招く大型店誘致も、あえて促進。川中中学校の目の前にスーパーイズミが出店するような、デタラメな事態にもなっている。
 市長選を1年後に控え、「江島市長を引きずり降ろさなければならない」という思いは市民のなかでうっ積している。下関では、市長をかえただけでは事はすまず、暴走政治を支え、独特の政治構造を形作っている安倍オール与党体制、自民党と同じく安倍派である公明、連合など既存の政治勢力ともども爆砕しなければ、全国先端の食いつぶしと、市民生活なぎ倒し市政を抜本変革することはできない関係にもなっている。
 江島市政が好き放題をやればやるほど、市民のたたかう機運もボルテージが上がってきている。

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