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まともな働く場つくれの要求
 下関食いつぶし市政に憤激    
                  市民アンケートでの特徴         2006年4月21日付
 
 下関市内で「ゴミ袋の値下げを要求する会」がおこなっていた市民アンケートが2カ月間で約3000人分集約され、中間結果が報告された。アンケート結果は、地元経済は疲弊し、商店街もつぶされ、若者をはじめ市民には仕事がなく、あっても派遣やパート、アルバイトのような不安定な雇用ばかり、医療、介護、保育、教育などは負担ばかりが大きくなっていることへの激しい怒りがあらわされた。そして、市民生活を食いものにして数百億円の箱物利権行政ばかりをとりつかれたように推進する江島市政への激しい怒りが表明されている。アンケートの特徴をもとに、市民の基本的な市政要求はどのようなものか、江島市政の基本政策はどのように対立したものであるか、見てみたい。
 市民アンケートは商店街やスーパー前で連日続けられ、また回収箱が市内各地の店内に常設されている。各地の自治会や小・中学校の保護者たちがとりくんだり、職場ごとに集められている。なかには3割〜4割以上の高い回収率となった地域もある。また戸別訪問により1枚1枚配られ、1万枚以上が市内に手から手へと回っている。
 5月末の締切まえに2324人分の中間集計が行われた。市政への関心事として(複数回答)、「環境・ゴミ袋」としたのは1452人・62%、「福祉」は1273人・55%、教育が913人・39%となった。
 環境については、「ゴミ袋製造元は市内にすべき」が1294人・56%。「ゴミ袋価格の見直しは不十分」が1218人・52%となった。
 小・中学校の教育予算については、「学校設備の改修」1201人・52%。福祉政策については「国保料、介護保険料を下げてほしい」1553人・67%、「老人福祉を充実してほしい」1125人・48%となった。いずれも県下でも高額な負担となっていることに圧倒的な市民が疑問を持っていることが示された。

  地場産業の振興を 生活関連で怒り強烈
 「経済活性化」については、「地元商店街の活性化策」「公共事業や物品は地元発注」「地場産業の振興策」がそれぞれ五割をこえた。「書きこみ」の項目には、とくに若者の働き口や失業についてなど、市民生活にかかわった強烈な怒りが集約されている。
 20代の大学生は「就職先がない。もっと企業が下関にあれば、ほかで就職しない」とつづり、50代男性・会社員は「小泉改革で地方はどうなっていますか? 若者の就職先がなかなか無い。パートや派遣はあるが、正社員がない。市長は箱物ばかりでなく活性化のために働くべき」と書いた。40代のパート労働者は、「パート人口が多くなり、仕事内容も重要な仕事になり責任も重くなっているのに、パート給が上がらず変化しないのは不満」と書きこんだ。
 商工業界からも共通して「若者が地元に定住するには働く場を確保してほしい。若者を増やす政策がほしい」(50代の自営業男性)、「公共事業は地元企業優先で。大型店は他県仕入れで売上は本店に行き、下関の消費者の金は下関に戻ってこない」(70代の自営業男性)と出された。
 90代の男性は「日本銀行は景気が良くなったといっているが、下関市の商業はどんどん衰退し、商店も民家も空き家が多すぎる。公務員も教員も医師も看護師も、みんな勤務時間が長すぎて酷使されている。仕事のない人がたくさんいる。江島市長は貧乏の生活を知らない」と書きこんだ。
 すさまじい勢いで働き口が失われていることが、各界各層で世代を問わず広範な怒りとなっている。ちなみに旧下関市の就業者数(15歳以上)は、2000年の国勢調査では11万8806人で、95年調査と比べてマイナス7000人で、下げ幅としては戦後で最大規模であった。2005年ではさらにすさまじい結果であることは明らか。
 それは水産業の低迷に加えて長年、地元経済を牽引してきた卸・仲卸が、流通再編により5年間で約1600の事業所がつぶされ、3228人も離職したことが目立っている。製造業も水産加工など低迷がつづいており、マイナス2546人となっている。

  市民所得大幅に減 増えるパートやアルバイト
 賃金、俸給として市内の労働者や従業員に払われた市民所得は、2002年には3946億円で、97年の4333億円から5年間でマイナス9%と減少している。年間で400億円というと、防府市の一般会計予算に匹敵するもので、市民1人当りにすると16万円が収入減となったことになる。
 人口1人当りの家計所得で見ると、2001年は下関市が310万円で、県内14市の平均321万円より11万円低くなり、町村水準の311万円すら下回るという哀れなものだった。2002年からは統計すらとっていないが、現在の値はそれ以下なのは明らか。市民生活の貧困化がとことんまですすんでいることは、共通認識の怒りとしてしみこんでいる。
 市民アンケートでパート・アルバイトと答えた人は301人で、就業者全体のほぼ2割を占めていた。パート・アルバイトの回答者だけで分けると、「ゴミ袋の価格見直し不十分」は59%で全体より7%高く、「学校教材は備えつけにすべき」は36%で6%高い。
 また10代〜30代の回答者539人のうち、「児童福祉を充実してほしい」と答えた人が279人と51%にのぼり、「学校設備を改善してほしい」は300人で88%におよんだ。「働いてもほとんどが保育料です。働きながら子どもを育てるには、不便なことも多く、子どもが育つにはあまりよい環境ではない」(20代・パート女性)、「学校で子どもがトイレに行けるようにしてほしい」(40代女性・3人家族)など、若い世代の切実な意見がつづられている。
 旧市内で1年間に生まれた赤ちゃんの数は、人口25万人(2003年調べ)でわずか1912人であった。出生率7・7人は全国平均8・8人を大きく割っており、県下の市町村平均にも満たない。
 下関市の就学援助の受給率は33・2%(2004年度)で、3人に1人の子どもが援助を受けており、全国平均の2・5倍となっている。高卒者の内定率(1月末現在)は、県内平均が86・6%であったが下関市は県内でもっとも低い77・3%だった。下関市の生活保護が人口1000人当りの保護人員が19・4人(2004年度)で、全国平均10人の2倍だった。この10年間でふえつづけており、世帯数でも過去3年間は3000世帯をこえている。まともに生活できる市政では、なくなっているのである。

  大型店誘致に批判 困っている高齢者
 アンケートでは、あるかぽーと開発については、「スーパーが来てほしい」は6%のみ、「白紙撤回して市民から意見を求める」が1072人・46%、「公園や緑地にすべき」1462人・63%であった。
 50代主婦は「人口が増えないのに大型商業施設が多い。足の引っ張り合いで弱肉強食状態だ」とのべ、60代の無職男性は、「人口の割に店やスーパーを増やしてどうするのか」とつづった。30代のパート女性は「道路が少少悪くても、スーパーがそばになくても、すぐには困りません。もっと生きていくために必要なことをお願いします」と書きこんだ。
 あるかぽーと開発でみずほ銀行が融資表明をしたといって、江島市長をはじめ日ごろは寝ているような議員まで、お祭がきたように騒いでいるが、江島市政は大手流通業の誘致やゼネコン向けの巨大プロジェクトばかりに、11年間にわたり税金を注ぎこんだため、技術革新や生産力を上げる経済政策をやらず、荒れ果てた街になってしまった。
 すでに、下関市の大型店売場面積における占有率は70%前後で、県内14市でも3位となった。小売業の全売場面積・約30万平方bのうち、売場面積2000平方bの大型店35店だけで合計20万平方b。わずか1%の大型店が売場面積の七割近くを占有してしまった。
 一方で地域の商店街のなかには、シャッターを下ろす店があいついでいる。小売業の商店数はピーク時の1979年には4667店あったが、2002年には2949店と、この間に1718店も減少した。茶山商店街のように消滅した地域では、高齢者が日用品を買えずに困っている。大型店の利益は本店に吸いとられるため、税金は落ちず地産地消もほとんどしないため、ゴミとシャッター通りだけ残していくと語られている。
 日本銀行下関支店がまとめた2002年度の銀行券受払高によると、県内民間金融機関からもちこまれた受入は4010億円、これに対して支払いが5627億円。1年間で1617億円が県外に流出しており、大型店の乱立により本店のある大都市へと資金が流れていることと、公共事業はゼネコンや大企業がとっていき、地元中小業者が排除されていることをあらわしている。金融機関によって地元商工業者の資金が貸しはがしされ、個人資産まで国債購入や米国の株投資などに流出していることも大きい。

  箱物利権にも激怒 ゼネコンへ税金流す
 さらにアンケートでは、江島市政の箱物利権事業にたいする激しい怒りが反映した。80代の女性は「試験的に箱物を3年ほどストップしてみて下さい。ほんとうに市民が生活に困るかどうか?」と書きこみ、40代女性の会社員は「不要な大型施設ばかりつくっても魅力は感じられません。若者の定着がはかれるようなことを考えてください。アイデアを市民から募集し、徹底的に討議してほしい」とした。
 江島市政は今年度からさらに、取りつかれたかのように巨大プロジェクトに輪をかけている。文化会館を壊して社会教育複合施設をつくろうと、5月中にも設計と建設と管理運営あわせて155億円で、一括発注する入札公告を出そうとしている。昨年九月の新博物館計画で疑惑が広がったPFI方式と、資金調達以外はかわらぬ仕組み。下関市のし尿処理施設談合で、公取委が調査中の大手コンサルタントにアドバイスを受けながら、リベートを抜ける大手ゼネコンを発注しようとしている。
 このほか三菱重工業の利権づくりで急きょ巨額の計画を組んだペンギン槽の改装は、総額20億円前後と見られ、小・中学校の校舎なら数棟分建てかえられる金額である。子どもにはトイレも不便にさせて豪華なペンギン小屋というわけである。JR西日本の駅舎改築には、調査だけで2カ年で1億2000万円の予算がつけられた。
 山口銀行やJR西日本と3者共同で、プラン策定の合意をしており、駅舎焼失で実現化させようと安倍官房長官が駆けつけて決起大会が開かれた。そのほか彦島公民館実施設計に5000万円をつけ、新市庁舎の候補地選定に300万円かけるとしている。合併特例債を当てこんだもので、450億円まで借金ができるとしているが、現在市民から搾り取るだけではなく、将来にわたって市民の子や孫に付けを残すのである。
 水産業および関連業などの下関の産業は「時代遅れ」とばかりにさんざんにつぶし、市民の職を保障するなどという気はまったくなく、高負担のみを要求、市の事業はゼネコンなどで地元業者を採算割れで使ったり排除し、大型店ばかりを引っ張ってきて、もうけはそれらの本社のある東京などへ行って、市内には回さないようにする。
 以上のようなことから、市民は江島市政というものが、下関を食いつぶすために市長の椅子を占拠していると怒っている。市役所は江島市長からM&Aされて乗っ取られた株式会社のようにされている。

  翼賛議会にも憤り 民主主義要求うっ積
 さらに「江島市長は市民から聞く耳がない」という民主主義否定への怒りの意見が圧倒している。40代男性・会社員は「江島氏は安倍氏をバックにやりたい放題で、善人面した悪党」と怒りをかきなぐっている。30代パートの女性は、「下関をよくするため、諸諸の活動においてもっと市民の声を聞いて、勝手な行動をしないでほしい」とし、60代男性は「この県及び地域は強固な保守王国であり、ポスト小泉のナンバーワンといわれている人物なので、許されるのでしょうか。とくに党支持者ではありませんが、素朴な疑問を抱くものです」と批判。そしてこの江島市政は安倍幹事長の代理人だとみんなが見なしている。
 そしてオール与党態勢の市議会への怒りが強烈である。「市議は市民から選ばれたはずなのに、市民の声を聞こうとはしていない。だれのための市議でしょうか」(50代女性・自営業)、「市会議員のオール与党化を懸念」(40代会社員、五人家族)、「アンケート結果をもとにして、議員アンケートを実施すべき。答えられないような議員こそ、市民代表という意識がない議員と思う」(60代男性)といっている。
 江島市長が熱心なのは、行政、経済、市民生活などでは、アメリカ側からいわれた市場原理改革で政府が走っているとなるとそれを真っ先に飛びついて、市民のことなどくそ食らえで上の方に自分の売り込みをはかる。市民が見過ごせない重大問題でことのほか熱心なのは戦争ごっこである。
 関釜フェリーでテロリストに乗っ取られた訓練をやったり、消防には水族館がテロ攻撃を受けたという訓練をさせる。アメリカの掃海艦の入港は誘致してでもやろうとしたり、商港には米艦のためのフェンスを張る。用途不明の沖合人工島には2006年度は26億円注ぎこまれるが、米海軍の基地に名乗りを上げることすらやりかねないと見なされている。
 安倍代理の江島市政の以上のような基本方向にたいして、市民の側は大衆自身が運動する以外に生活を守ることはできない。江島市政の下関食いつぶし政治と対決して、産業を振興して市民の職をつくらせること、生活できる条件をつくらせることは、全市民の基本的な要求である。

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