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生きていくだけで国賊か
下関の高齢者の現状
              医療費も介護料も税金も増    2006年11月22日付

 「高齢者は生きてゆけなくなっている」(下関・元電信電話公社労働者N氏)との声は巷にあふれている。月6万円台しかない国民年金、小泉改革による所得税の老年者控除、定率減税の廃止、公的年金控除の縮小、高齢者医療費負担増大、療養型病院での食費・居住費負担、リハビリテーションの制限、介護保険改悪でのヘルパー派遣の制限、特別養護老人ホームなど介護施設での食費・居住費負担、高い国民健康保険料、介護保険料の負担など、高齢者からしぼり取るだけで、戦中戦後と懸命に働いてきた人人の老後を切り捨てている。江島市長が小泉改革を率先して実行してきた下関市で話を聞いた。

 病気でも病院にも行けぬ ギリギリの生活費
 下関市貴船町・N氏(77歳)は、下関工業高校在学中に勤労動員で逓信省下関通信局で働き、昭和20年7月の下関空襲で鉄筋コンクリートの下関通信局が病院の患者、負傷者の避難所となり、夜を徹した看護で米軍の残虐な無差別爆撃を体験したことを語った。
 N氏は、「電電公社で一定の年金があったが、老年者控除・定率減税廃止で大幅に減った。私は、心臓のバイパ       介護施設でリハビリをする高齢者
ス手術をし、糖尿病、高血圧症で毎月の医療費も重く、老後の余裕はなくなった。それに江島市長は高い地方税、国保料、介護保険料を押しつけている」と話した。
  N氏は続けて「市内で関工時代の友だちに会うが、“年寄りは生活できなくなっている”と話になる。自営業や下請の友人は月6万円台しかない国民年金しかない。どうして生活できるのか。江島市長は“子どもから金をもらえ”と保護を出さないと怒っていた」と話す。
 N氏はさらに、友だちの1人が若いころにかかった結核が再発したのではないかとの自覚症状があるが、入院医療費が重く医者にかかっていない例を出した。N氏は「もしも菌が発散するような症状ならどうするのか」と怒る。N氏は「下関は改悪をストレートに強行するだけで、市民のために独自の助成はなにもやらない。戦後、一生懸命働いて国をつくってきたものが、使い捨てされている」と強調した。
 下関市上条に住むFさん(78歳)は、死亡した夫の年金8万円と自分の老齢福祉年金3万円で月11万円の年金しかない。Fさんは、高血圧症で医者にかかっていたが、医療費1割負担となったため、毎日歩いて体重を落とし医者にかからないことにした。Fさんは「お寺さんに払うおふせを入れると生活費はぎりぎり。病気になったら破たんする」と語る。
 Fさんは月4200円もの介護保険料を天引きされている。Fさんは、仲間の人でひざを手術してしゃがめないため、週に2、3回の家事援助ヘルパーに来てもらっていたが、週1回1時間に制限され、まともな生活ができなくなった話をした。
 また、仲間の1人が脳血栓で倒れ、回復したが介護が必要となった。要介護3の認定を受け、特別養護老人ホームか老人保健施設への入所を希望したが、入所できる施設はない。
 Fさんは「市は高い介護保険をとって詐欺ではないですか」と憤る。続けて、「江島さんは隣の北九州に比べても、ヘルパー派遣の条件も機械的に厳しくしている。施設に入れないため、家族はくたくたになり、働いていた奥さんが仕事をやめた。家計は火の車になって、孫の教育をどうするかが問題となった。倒れたおばあさんの心痛ははかり知れない」と語る。
 Fさんは、戦後がんばって多くの子どもを育てて日本をつくってきた世代が、生きているのがつらい思いをする無念の思いをにじませた。そして「年寄りをないがしろにし、不幸を広げる市長はやめてもらいたい」と締めくくった。

 深刻な国保加入者 人ごとでない孤独死
 下関市の総人口に占める65歳以上の比率は、25・9%で、全国的に見ても高い。旧下関市が24・8%、菊川が25・1%、豊浦が29・0%、豊田が33・8%、豊北が37・7%。旧下関市では、内日の35・8%、吉見の32・3%、吉田の30・8%についで本庁地区の29・1%が突出している。市中心部の高齢化率がきわめて高い。
 高齢者の所得階層別データが市いきいき支援課(旧高齢福祉課)にないので、国民健康保険のデータを参考にした。国民健康保険加入世帯(2004年度)は、6万4345世帯、全市世帯数の50・8%で、市民の半分強が国保世帯である。旧下関市だけでも、保世帯の比率は48・9%とほぼ半数。
 類似都市に比べ、国保世帯比率は高く、「仕事がない」「食える職がない」といわれているように、大企業、中小企業を問わず正社員が加入する社会保険世帯の比較がきわめて低いことを示している。
 旧下関市では、国保加入世帯5万3234世帯のうち「所得なし」(障害年金、遺族年金受給者を含む)は1万6226世帯で30%を占めている。高齢者のほとんどが加入する国保世帯の実情は、「高齢者は生きてゆけなくなっている」という下関の実情を反映している。
 関係者のなかでは「親族が入院をすすめたりしているので、“孤独死”とはいえないが、古い市営住宅で1人暮らしの高齢者が死亡するケースが増え始めている。先日も上田中の市営住宅で80代の1人暮らしの婦人が亡くなった。江島市長の10年、下関はどう見ても住みよい市ではなくなった」と指摘する。
 下関市内の在宅介護サービス事業所のヘルパーTさんは、「下関市は、つぎからつぎに在宅サービスの制限を具体化してくる。ヘルパーが行く回数が少なくなり、カップラーメンですませたという話も少なくない。冷蔵庫に買って入れた食材も、炊事することが少ないため、よく点検して、本人と相談して捨てなければ食中毒を起こす事態となっている。一人暮らしの高齢者で要支援にされ、ヘルパー派遣回数を制限された人は多い。まともな生活はなくなっている」と語る。
 そして、「在宅介護で行っている安岡で、5億円も市費を使ってJR梶栗駅をつくることに反対の声は強い。800人も利用者はいないというのに、利権のための横領ではないかといわれている。5億円あれば、下関の在宅高齢者の支援はいくらでもできる。隣の北九州市に比べて市民福祉が悪いことは歴然としており、小泉―安倍ラインでやっている高齢者福祉改悪を江島市長は率先して実行している。安倍事務所がらみの箱物利権に反対して運動し、来春の市会議員選挙で動きをつくらなければとの思いは強い」と強調した。

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