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下関の食い潰しを問う市長選
5選を目指す江島市長
            選挙操作を突き破る斗い   2008年3月5日付

 安倍代理の江島市政が14年つづいてきた下関市では、来春の市長選をどうするかをめぐって大きな関心になっている。この江島市政は、あからさまな市政の私物化と下関の徹底した食いつぶしだった、というのが市民の一致した評価となっている。「市民に聞く耳のない市長」、いくら市民に嫌われることをしても選挙では当選するという仕かけという点で、全国先端といってよい。選挙では安倍事務所が丸抱え体制をとり、よそでは民主党を支持する連合とか、創価学会というものが安倍与党となる。対立候補が出ないようにすれば勝つわけで、出たときは誹謗中傷と圧力でつぶしたり、票割り候補を立てて、前回では得票率19%で市長をつづけた。小泉チルドレン選挙とか、大阪橋下知事選のような今流行の選挙は下関では早くからやってきた。したがって、このような市場原理型政治の江島市政を市民がとり除くかどうかは、下関市民の死活問題であるだけではなく、全国的にも大きな意味を持つものとなっている。

 安倍代議士もふくめた審判
 下関市内ではどこへ行っても「なにがなんでも江島(市長)を引きずり降ろせ」「安倍代議士もふくめた審判だ」の世論が沸騰している。江島市長の4期にわたるごう慢きわまりない反市民市政にたいする怒りであり、3年前と比較してもその度合いは強烈さを増している。
 市長選をめぐっては今のところ、自民党の似たような顔ぶれが「出馬します!」といっている。立候補に向けて意欲的な振る舞いをしているのは3人で、その他にも2人ほどの名前が取り沙汰されている。江島潔市長は、以前から参議院転出願望があるといわれてきたが、2区衆院補選でも岸信夫、林芳正の参議院ポストは空席にならず、行くあてがないというので5選に向けて動き出したのだと語られている。「“多選ではない。合併したのだから2選目なのだ”といっている」など、いろんな話が飛びかっている。
 市議会議員の林真一郎氏(自民党林派)が、昨年末あたりから近い人人に出馬願望を告白しはじめて驚かれた。会費4000円の市政報告会を開いたとかの話が飛んでいる。元菊川町長の林哲也県議も自薦候補の1人。前回の県議選で初当選したばかりだが、その当時から「(県議選は)市長選に向けての予備選挙で、数字がどれだけ出るか見たのだ」と関係する人人の間ではいわれていた。林芳正参議院議員が「中央から官僚を引っ張ってこようか」といっているのも話題になっている。
 安倍・江島市政はアメリカ型政治を特徴としているが、市長選は早くから自民党予備選方式をとってきた。安倍事務所丸抱えの江島氏、江島市政のベストパートナーである林真一郎氏、自民党ファミリーの林哲也氏という顔ぶれで、だれが安倍・林代議士に認められるかという、現在は自民党内予備選レース中といった状態。選挙が近づいたら1本化で、まともな対立候補がいなければ江島氏は得票率10%でも当選ということにもなりかねない。
 下関の市長選は、江島市長が市民からいくら嫌われても当選するという経過をたどってきた。安倍事務所が独裁的な地位を持ち、そのそばで林事務所が付属商売をやっている。そして三菱、神鋼、サンデンなど大企業の労働組合・連合が昔から安倍派、林派の与党で、さらに創価学会も昔から安倍派与党。そして、あの手この手で対立候補をつぶして市長を決めてきた。
 江島市政は安倍事務所、林事務所を中心とした大企業、宗教団体などがバックにいて、市民に少少嫌われても市長をつづけられるという状態となってきた。

 必ず当選する仕掛 裏で糸引く安倍事務所・市民に打開の力
 下関の江島市政が登場したのは、安倍晋三、林芳正氏が晋太郎、義郎の親父につづいて代議士になった時期と重なる。アメリカ帰りの30代、40代トリオが下関の支配者になって、下関は格段にメチャクチャになった。安倍事務所主導の江島市長選挙は、小泉チルドレン選挙や大阪橋下知事選などのモデルというべきものである。
 江島市長が登場したのは1995年。選挙戦術は、反自民の旗を振って、「沖合人工島の見直し」「国保料の値下げ」などをかかげ、新進党や連合、創価学会の支援もとりつけ、「市民連合」なる市民勢力の結集をはかった。自民党は現職・亀田氏を推薦していたが、実際は安倍事務所が仕組んで、江島氏は自民党の票に自民党批判の票を加算して当選した。政治信条とか、正義とか、信念とかはどうでもよく、数値こそ評価基準であり、「票を集めるのはテクニック、だまされたのは自己責任」というものだった。「選挙は有権者をだます詐欺になった」といわれるゆえんである。
 4年後の99年市長選では、復帰をはかる亀田氏と、新進党から出た古賀氏との3つどもえの様相になった。市長選の自民党推薦をめぐる党員投票なるアメリカ型「予備選」方式がこのときから採用され、亀田氏を退けて江島氏が推薦を受けて1本化。この選挙の特徴は古賀氏への誹謗中傷で、「古賀氏は北朝鮮人!」などと書いた誹謗中傷ビラがまかれた。安倍事務所の依頼でビラをまいたという人物が、現在市議会議員をやっている佐伯伸之氏(安倍事務所秘書)からカネをもらったが、報酬額が少ないというので安倍氏の事務所や自宅に火焔瓶を投げ込むという事件になって暴露された。ヒラリーばりの誹謗中傷作戦など、下関では早くからやっている。
 安倍事務所・江島市長の反抗者つぶしは徹底していて、1期目に江島氏を支持したが裏切られ、古賀氏を応援した業者には無慈悲きわまる入札排除を敢行した。古賀氏の日東建設も入札排除の経済制裁をくらい倒産するなど、陰湿な仕打ちがつづいた。
 3選目は、猟奇的な対抗馬つぶしで、磯部のぶ子氏が出馬したが実質の信任投票でフリーパス状態。合併後の4選目は、市民の江島を降ろせの声が中尾友昭氏をかつぐと、安倍派与党で名をはせていた連合・三菱出身の松原守県議が飛び出して江島批判票が割れることによって、得票率19九%で市長ポストを得ることとなった。
 さんざんに市を私物化して下関を食いつぶし、市民の大多数からはダカツのごとく嫌われている江島市長であるが、選挙になったら通る。それを仕組んでいるのが安倍事務所であることは市民はみな知っている。下関市政を変えるにはこの支配構図とたたかわなければどうにもならない関係である。
 この現状を打ち破るのは市民の力である。第1に安倍事務所丸抱えの江島市政と市民の対立点を鮮明にすること。第2に、市民の大衆的な論議と運動を強めること。第3に、市民の運動の力で候補者を押し立てることである。市長選を1年前にして、その運動を強めることが求められている。

 箱物利権で食潰し 江島市政・下関の発展を阻害
 安倍代理の江島市政の特徴は、市政の徹頭徹尾の私物化であり、下関を食いつぶすというものだ。市民のためにとか地域社会の発展のためにというものはない。まことに市場原理型、アメリカ型の残虐政治である。
 江島市政の第1の特徴は、箱物利権三昧である。安倍代議士の出身企業である神戸製鋼所が、奥山工場ごみ焼却炉(110億円)やリサイクルプラザ(60億円)など、大型箱物事業を受注したり、「20億円でつくれる」と業者が指摘した彦島のし尿処理施設は60億円かけてつくろうとしたり、巨額見積もりの癖も露呈してきた。政治ブローカーの、疋田善丸氏のあこぎな介在や「マージンよこせ!」の要求は有名な話となっている。「市財政から何者かが抜き取っている」と手癖の悪さをみんなが疑いの目で見るようになった。
 80億円をぶちこむ社会教育複合施設(文化会館建て替え事業)は、安倍氏の実兄が中国支社長を務める三菱商事が不可解な落札(再入札で広成建設などのグループが落札)をしたり、イズミ誘致で問題になったあるかぽーと開発は、実は安倍縁故企業であるみずほ銀行の土地利権であったりと、デタラメなのだ。
 大手がつかみどりする巨額事業は、総合評価というインチキじみた入札方式を採用。行政トップの恣意性が反映される手法で、ほぼ無競争となっている。落札率も95%前後で、市外大手が東京や広島などに受注した利益を吸い上げていく仕組み。
 その一方で、市長選で江島市長を支援しなかった企業への冷酷無比な入札排除をやったのち、小泉元首相のお膝元である横須賀に習って、全国でも2番目に電子入札を導入。ダンピング競争による熾烈な値下げ合戦を強いた。落札率は70〜80%台どころか50%台も連発。ただ働きどころか、足りない工事費を零細経営からの持ち出しでまかなうようなバカげた事態にもなった。身を投げる業者も増え、建設労働者の賃金低下にもつながった。労働者はかけもち労働しなければ家族を養えない状態だ。
 そして大型店誘致に熱心で、地元の商店はつぶれるのが当然という姿勢。昨年は、関門海峡に面したあるかぽーと市有地にスーパーイズミを誘致する計画にたいし、市内全域から猛烈な怒りが噴き上がり、議会で廃案に追い込むという、前代未聞の出来事もあった。あるかぽーと地区への進出が頓挫したスーパーイズミは、その後、伊倉地区の区画整理地に巨大商業施設を出店させる計画を動かしはじめた。都市計画審議会では、国や県などの役人も加わって用途変更をさっさと決めてしまい、出店を可能な状態にした。椋野の区画整理地にはイオンが出店するという噂もあり、市や県が税金でつくったデラックスな道路沿いを大型量販店がつぎつぎと占領していく。地元の暮らしを支えてきた零細商店をなぎ倒すだけでなく、儲かった利潤は市外の本社所在地に吸い上げ、地元の現金流通は、ますます貧しくなる。雇われるのも、格安のパートで、しまいには市民を追い出して外人労働者を雇いはじめる始末。さらに唐戸、豊前田、グリーンモールなどの地元商業地域には、駐車禁止取り締まり重点地域の指定をやったうえに市営の駐車場を民営化して駐車料金を上げたりで、わざわざ客を追い散らして商店をつぶす。
 「財政が厳しい」「行財政の効率化」といって、生活保護や医療福祉が毎年のように予算から削られていく。教育分野からの削りとりもすさまじい。小・中学校に配分される教育予算は、毎年10%カットが厳命されている。学校運営は貧しいので、トイレットペーパー代や必要なプリント代まで父母負担させる始末となっている。校舎が崩れた田舎の小学校などは、外壁に波トタンを打ち付けている。その一方で55億円もかけて予算3割増しの教科教室型川中中学校をつくったり、2000万円もかけて長府小学校にIT監視システムを導入する。下関の子どもたちを市長の「初物道楽」で愚弄しているのである。教育委員会は、新博物館、社会教育複合施設建設などの担当課でもあり、まるで江島市長の箱物司令部になっている。

 露骨な旧郡部の切捨て
 合併した旧豊浦郡の切り捨てが露骨である。豊北町では、広い町内の保育園をすべて廃園にして、1カ所に統合する計画も動きはじめ父母らが必死に存続を求める動きとなった。「年間2億円の維持費が無駄」(江島市長)という。子どもを産み育てる環境を破壊したら、地域をつぶすのは目に見えている。働く者を困らせることへのためらいがなく、へっちゃらなのである。農漁業という食料生産を担う人間をいなくするというのである。こうした保育施設や満珠荘のような老人休養ホームを閉鎖するという動きにもなっている。
 市民の窮乏化とは対照的に、野良犬・野良猫を安楽死させる施設に13億円(1匹当りの処分コストは20年間運用したとして4万〜5万円)、水族館にペンギン御殿をつくるといって23億円放り込み、高級車並の代金で1匹ずつペンギンを買ってくる。JR西日本のためには5億6000万円の税金をかけた梶栗駅舎(両隣の駅まで1`余り)。軍事利用が疑われる人工島には、これまでに約700億円ちかくをつぎこみ、関連道路を含めると1000億円を超える。今後は新庁舎を約200億円かけてつくるといい、さらに駅ビル構想、約100億円は超すと見られる新博物館構想も、最終年度の予算に費用をつけた。あるかぽーと開発の再チャレンジもあり、「ボクの箱物バブル」だけはきちがいみたいに謳歌している。
 この方向は、政府が進める「初物」を全国率先して実行するというものだ。下関が悪しき前例となって全国を悪くする、というものになっている。
 市長選をどうするか、最大の力を持っているのは代議士ではなく市民である。

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