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下関の植民地支配者意識
嶋倉教育長発言問題
              国を超えた超法規人物     2008年7月2日付

 下関市の嶋倉剛教育長(44歳)が、補助金増額の要望に訪れていた山口朝鮮学園の関係者たちに、「植民地支配という部分については歴史的事実に反する」などとムキになって繰り返した発言は、下関の教育問題にとどまらず、社会的、国際的な問題として、全国的に関心が広がっている。この問題をめぐって、抗議が相次いでいるが、江島市長は発言を容認、右翼街宣車も走り回っている。この問題をめぐってどういう動きになっているか、どういう問題であるか、市民としてはどうするかなど、記者座談会をもって論議してみた。
  いきさつから見てみたい。
  発言があったのは、26日に山口朝鮮学園の金理事長や保護者らが補助金の要望に出向いた席だった。教育長は「補助金は公教育のルールにのっとって決められている。加えて、市には財源がない」と下関市の“公式見解”を回答して速攻で拒否。それに対して保護者らが「植民地支配によって日本に来た朝鮮人の子弟が通っている。他の外国人学校とは歴史的経緯が異なることを踏まえてほしい」と述べた。これに対していきりたって「植民地支配という部分は歴史的事実に反する       発言の撤回と謝罪を求めて申し入れする在日朝鮮人(3日)
ので受け入れられない」「日朝併合をいかにいうかは自由だが、それを植民地支配だったと事実関係を変えて語ったのでは、事実関係は進まない」と激しく教育長が食いついて反論した。
 問題発言があった翌日の午前中には、緊急記者会見が持たれて、周囲が弁明でもするのかと思っていたら、再度「併合は植民地だという意識はない。対等だ」「向こうが歴史認識の話を持ち出したところで席をけらなければいけなかった」と興奮気味に主張した。同日に、文部科学          市長室にも出向いたが不在だった(3日)
大臣が「我が国の植民地支配によって多くの国国、とりわけアジア諸国の人人に対して多大な損害と苦痛を与えたという認識を政府は表明しており、私の認識も同じ。それに反する発言ということであれば、大変遺憾だ」とコメントを発表。関係機関がざわつき始めた午後になって、「下関の教育行政をおこなうにあたり、政府見解を尊重するものです」とのコメントを発表する事態となった。
  その後、ブラジルの遊び旅行から帰国した江島市長は「補助金の要望に対して過去の歴史を持ち込んでくると、これは筋違いだということをいおうとした。私もその通りであろうと思う」と擁護し、「一部のマスコミが取り上げて火に油を注いでいるとしか思えない」「政府見解を尊重するといっているので、それでいいんじゃないか」と擁護した。過去には江島市長自身も排外的な発言をネット上でおこなって問題になっており、心情として共有する関係であることをうかがわせた。
  市役所には諸団体が出向いて、抗議行動をおこなっている。今後は朝鮮総連など在日朝鮮人の団体も謝罪を求めて本格的に動き始めるようだ。一方で     下関市教育委員会に抗議する退教協と山口教祖(1日)
は30日から市役所の周囲を右翼団体・大日本興友会が街宣車一台でパレードしている。嶋倉発言断固支持で、「ゆすり・たかりを許してはいけない」とか、「朝鮮に帰れ!」という内容だ。嶋倉教育長本人は不在で、だれかに呼び出されたのか、逃げたのか、東京出張ということになっている。

 市民は呆れ顔国が出した公式見解も覆す
  市民のなかでは「とんでもない教育長を連れてきたものだ」とか「だれが引っ張ってきたのか」とか反応はさまざまだが、怒りを通り越してあきれ果てているといった感じだ。「下関がまったくわからずによくいう」「エライ人とはバカということか」などと話されている。
  北九州でもあきれかえっている反応。市教委とか大学関係も唖然としている。
  下関の大学の教授たちも「バカじゃないのか?」と口をあんぐりさせている人がたくさんいた。しかし「文科省のキャリアならあり得る」と妙に納得する感じの人もいた。嶋倉氏自身も下関を知らないが、それ以上に下関市民は嶋倉氏のことをほとんど知らない。いきなり輸入物の教育長が登場したと思ったら、さっそくこんなことをやらかした。「早く新潟に帰ってもらえ」という声も多い。
  文科省というと、おかしな奴が集まったところという認識がある。教育をするところではない。今回は天下りというけど、正体がわからない。市議会も市教委も経歴について把握していない。素性としては、新潟県出身で京都大学を卒業した文科省課長のキャリアというぐらい。どんな人物なのかさっぱりわからない。所信表明もないし、顔も見たことのない人間を議会も承認して、教育長ポストに就けた。江島市長が引っ張ってきたし、市長は安倍代議士に頼んで引っ張ってきた関係というのは、だれの目にも明らかだ。
  江島市長は議会答弁のなかで、市長自身が文科省の事務次官に直接要請して、その肝いりで着任することになったといっていた。あんな人物を送りこんだ事務次官にも責任はある。
  学校の先生たちのなかでも仰天している人が多い。ある職員室で先生たちが集まってたいへんな話題になったのだけど、「KY(空気が読めない)にも限度というものがある」「下関のことをほんとうに知らない男だ。言葉は悪いがバカではないのか」と話されていた。教科書に書いてあることも、国の公式見解もそうだが、歴史そのものを覆すわけだから。統廃合に直面しているPTAたちも頭にきている。
  話のなかで、こんな発言をして喜ぶものは下関市民のなかにはほとんどおらず、安倍代議士ぐらいだろうということだ。興友会が動いたとなると、「そりゃ安倍絡みだ」とみんなが思っている。興友会といっても在日社会との関係が深いことなどみんな知っているし、単独判断でやるわけがないとだれしも思う。どっちにしても“右翼に愛される教育長”だ。こんなものが下関の教育行政の長をされたのでは、たまったものではない。
  江島市長がたいした問題ではないとかばった。市民が受ける印象としても、「江島市長よりエライ人」のようだ。朝鮮学校の交渉というのも、教育長は市長と同席してやっていた。それを別別にさせて、今回の事件をしでかしたわけだ。市役所の市教委、秘書課とか、広報広聴課とか「チーム江島」の諸君は大騒ぎする羽目となった。
  在日朝鮮人がたくさんいる町で、つまり国を取り上げられ、名前まで変えられ、日本語教育まで強要され、おまけに拉致されてきた人たちがたくさんいる前で、「植民地支配の事実はない」といってのけるのだから、キャリア官僚といっても少少ではない。成り行き上、熱くなって発言したのではなく、翌日に記者会見まで開いてもう一回繰り返して断固主張するのだから、よほど凝り固まったものだ。
  新型人間のような格好だが、ものすごい時代遅れ人間だ。27日に退職教職員協議会と山口教組が抗議に行って、「こんな歴史認識のまま教育されたら、諸外国との友好・連帯・平和を築こうとする下関の子どもたちの教育にとって大きな障害になる。これは偏向教育ですよ!」といっていた。
  「植民地支配の事実はない」というのは、国の評価とも違う。国と国が日朝共同宣言を結んで公式の見解があるし、小泉、村山と歴代首相が何回も謝罪し、公式表明をしている。嶋倉氏はそれをひっくり返すのだから国より大臣よりエライ人なわけだ。超法規的な存在のようだ。戦前の超法規的な存在は天皇だが天皇クラスということになる。地方公務員はもちろんだが、それより威張っている国家公務員でも、公務員は個人的な見解はあったにせよ、国の評価、大臣の評価を超えることを自己主張する人間はまずいない。それを超えるのだから、すごい人なのだろう。
  文部科学省科学技術・学術政策局調査調整課課長ということで、宇宙関連とか企業のさまざまな研究開発、各省庁、内閣官房などから上がる予算のとりまとめ、あるいは安倍代議士ご推奨のITイノベーション改革にともなう科学技術振興のような仕事もしていたのだろう。宇宙関連とかの部署となると、ペンタゴンや自衛隊、軍需産業との関係も当然考えられる。国よりエライ超法規的態度ができるというのは、そういう人脈がバックというのなら理解できる。盲判を押して連れてきた議会も、遅ればせながら経歴ぐらいは聞かなければならない。

 対朝鮮巡る国際問題 安倍路線破算の心情を反映
  嶋倉氏というのは、教育の常識は乏しく、特定の政治的な意欲が強い人物のようだ。今度の問題は、下関の教育問題でもあるが、下関の政治問題であり対朝鮮関係をめぐる国際問題だ。
  朝鮮問題でムキになる心情は、米朝関係が変化し、拉致問題で取り残された自民党であり、そのチャンピオンで破たん感を味わっている安倍氏の心情と共有しているという関係ではないか。ブッシュ政府は「悪の枢軸」といって騒いできた北朝鮮との関係で、「テロ支援国家指定」を解除した。安倍氏は拉致問題を騒いで、世界先端の経済制裁をやり先制攻撃などと騒いで、戦時国家体制づくりに突っ走ってきた。日本政府をさんざん煽っていたアメリカであるが、具合が悪くなると、日本の自民党政府の都合など関係なしに、ライスが北朝鮮とニッコリ握手する。アジアでは孤立し、日本は国際政治の土俵の上ではキレイに宙に浮いてしまった。ブッシュは「拉致問題は忘れない」といっているが、そんなことをわざわざいうのは、まさに忘れられ、捨てられているからだ。
  高村外相などは引きつった顔をしていたが、それならアメリカに文句をいえばいいのに、北朝鮮に八つ当たりする。それがかれらの売国性だ。拉致問題を使って今にも北朝鮮が攻めてくるといい、アメリカのいいなりに戦時国家体制づくりに奔走した。その騒ぎのエース級が安倍代議士だ。いまや「オマエが騒いだおかげで、ニッチもサッチもいかなくなった」という関係になった。
  拉致問題というのは、平壌宣言の通りに国交を回復し往来を自由にするなどするのが解決の道なのに、逆に戦争を仕かけるような騒ぎに利用した。小泉が共同宣言をやって戻ってくると、マスコミがやんやの拉致騒動を煽って、ぶちこわした。これはアメリカの指図に間違いない。そして安倍氏を取り立てたのはブッシュ政府の高官連中だった。当時は鼻息の荒かったブッシュもテロ撲滅を騒いで、イラク攻撃などをやった。日本国内では、タカ派とかいう政治家どもが安倍代議士を筆頭に先制攻撃をほのめかしたりしていた。しかし騒いだ挙げ句にハシゴを外された。ブッシュも退場だ。自民党としてはメチャクチャになった外交の建て直しが大変なことになった。だれかに責任をとらせないと始末がつかないが、安倍氏など詰め腹を切らされる第1
  在日の人人も肩身の狭い思いをしてきたわけだが、「植民地支配の事実はなかった」などといわれたら黙っておれないのは当然だ。
  対朝鮮人攻撃というのは戦争絡みの問題として第1に重要だ。日頃は公務の半分を出張で過ごしている江島市長が、ことのほか力を入れているのがテロ対策だ。「不審な潜水艦がきて六連島に上陸した」などというバカ騒ぎもやった。ミサイル騒動のときには、内閣府は下関と佐世保を臨検港に指定しようと名指ししたぐらいだ。江島市長は市役所に緊急対策本部までつくって、“戦争ごっこ”のような張り切りぶりだった。利用価値の乏しい人工島にあれほど巨大な道路をつなぐ。安倍氏の戦争政治の先端を走ってきたが、嶋倉氏もそのたぐいの戦争屋のにおいが強い。
  有事3法をつくったり米軍再編や有事7法など、安倍首相時代に相当な事をやってきた。日本にMD(迎撃ミサイル)を配備するというアメリカの要求も朝鮮脅威論のもとで進められた。
  嶋倉発言は、追いつめられた安倍代議士の心情とピッタリの内容であるし、安倍路線破産の反映だ。だからすごく意味あいとしては大きい。そこで日朝友好、下関において在日との友好関係を強く打ち出していくことは平和の問題としてすごく大事だ。

 異常な偏向教育 子供に教育されたら大ごと
  「植民地支配の事実はない」という偏向教育を下関の子どもにされたら大変だ。下関の子どもたちに教えこんで、朝鮮人と喧嘩するのか。とても教育長という代物ではないし、すぐに帰ってもらわないといけない。かつて朝鮮で母国語をやめさせて日本語を教えたように、国語をやめさせてアメリカ語に切り替えるのも、「アメリカの日本への植民地支配ではない」ということになる。学校統廃合も強行する構えだが、こんな人物を教育長につけているのは下関の恥だ。
  直接には朝鮮学校への対応の問題だ。年間にして約25万円に満たない補助金。在日市民からは税金をしっかりとっているわけだが、恥ずかしい限りだ。まるで貧乏人が物ごいに来たみたいな対応をしている。右翼までが「ゆすりやタカリをやめろ!」と叫んで回っているが、「ゆすりやタカリをしているのはだれか」と話題になっている。
  こんな人物をだれが呼んできたのかと話になっているが、下関の市民がまったく呼んでない人物が教育長のようなポストにつく。文化振興財団の理事長は、安倍夫人のひっぱりとかで奥田瑛二の夫人がつく。江島市長自身が選挙では得票率19%しかないのに市長が出来る。下関の政治は、市民が動かすのではなくて、昔の朝鮮のように総督府のようなものがあって好き勝手に動かしているわけだ。下関市役所は植民地総督府というわけだ。安倍、林のアメリカ派代議士と江島市長、今度の嶋倉教育長などの様子は、まさに下関を植民地支配している実態ではないか。アメリカをふるさとと見るような植民地主義政治家が下関を植民地的に略奪しているというのは全市民の実感だ。
  宇宙産業に関わってきたようだが、江島市長以上に宇宙人が飛来してきたような要素をもっている。
  嶋倉氏の方は、文科大臣のおしかりを受けたこともあって、「政府見解に従います」といって幕を引きたいようだ。それなら、間違ったことをいったことを謝罪しなければならない。「ごめんなさいがいえない子」では下関の教育は困る。
  議会も、顔も見たことも所信表明も聞かず、経歴も知らずに教育長にしたわけで、いくら飼い猫議会でもけじめをつけなければならない。議員たちも韓国に遊びに行くばっかりじゃなく、少しは日韓友好もやったらいい。
  朝鮮総連も連続的な抗議行動をするというし、全国に56ある朝鮮学校にも北海道から九州にいたるまで下関の様子は伝わって激怒しているようだ。しかし問題は下関市民の問題だ。下関の植民地略奪・戦争動員の政治のあらわれとして、嶋倉教育長には謝罪をしてお引き取りを願う、そういう世論と運動を起こすことが重要だ。それは、日本中が大喜びすることになる。

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