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下関の都市計画抜本転換せよ
江島施策継承する中尾市政
             安倍代理の利権市政は破産   2009年9月25日付

 下関市の街作りが破産状況に直面している。近年は垢田の沖合人工島を中心とした都市改造のほか、新下関駅から続く川中・伊倉区画整理事業など巨額の資金を投じて、開発に次ぐ開発を手がけてきた。ところが需要と供給のバランスや社会情勢におかまいなく突っ走ったため、今になって「人工島は使い道がありません」「(住宅が山ほどできた区画整理地には)住む人がいません」という、笑えない事態になっている。開発地には大型店や複合商業施設が野放しに出てきて、市民の購買力は増えないのにつぶし合いを繰り広げる。その結果、地域に根ざした商店街が真っ先にやられ、市全体の分散化とも連鎖して既存地域の衰退に拍車がかかる。都市計画と街作りの抜本的な見直しが待ったなしになっている。
 近年、故郷の下関に帰省した人人のなかでは、「あまりに寂れ方がひどい」とショックを受ける人人が多い。脳裏に焼き付いている以前のイメージで下関にやって来ると、ビックリするほど元気のない姿を目の当たりにするのだ。
 駅前や竹崎界隈、グリーンモール商店街、唐戸地域など、とりわけ中心市街地が活況を失っていること、通りを行き交う人や車の数、商店街の空き店舗やシャッター街、ビル街の空洞化、住宅地の廃屋や更地などが目を引いている。普段から日常生活で見慣れている人人と比べてはるかにショックが大きいようだ。
 数字だけ見るなら、人口20万〜50万人の全国84都市のなかで、02〜07年の5カ年の統計で人口減少率が多い方から6番目、65歳以上の高齢者割合が多い方から2番目、9歳以下の子どもの割合が少ない方から4番目であることが、衰退の実情を端的にあらわしている。
 観光事業にうつつを抜かしていたら、シルバーウィークのような連休には県外ナンバーが押し寄せるが、足下では産業そのものが寂れてしまった。中核市(人口30万人)を自慢し、観光都市で賑わっているように見えて、実は「2050年までに20万人に減る」と調査機関が予測するほどの状況が進行している。
 街作りの基本問題として、ハコモノによる突っ走りが目に余るというのが圧倒的市民の実感になっている。野放図な市場開発と不動産バブル、大型公共事業とそれにともなう税金の散財。いつも決まってコソ泥のように政治関係者や銀行が暗躍する。その結果どうなったか? である。
 安倍代理市政のもとで中央政府とつながって進めてきた人工島にせよ、市街地開発バブルをひねり出した川中地区の区画整理にせよ、江島前市長が打ち出した新庁舎移転計画にせよ、駅前再開発や海峡沿いのあるかぽーと開発にせよ、都市計画が実際の需要を無視した利権を中心に動いていること、“百年の計”どころか目先の利害関係者だけのバブルを追い回した結果、破綻を繰り返している。

 約700億円もかけ使い道なし 沖合人工島
 最大の事業である沖合人工島は、95年から14年間かけて事業費に700億円近く費やしてきたものの「使い道がない」というから市民は唖然としている。当初から「冬場の風が強烈で、商港にはならない」と船舶関係者たちが指摘してきたものだった。今春に一部供用開始になったものの、1隻も利用していない事実が、島の「価値」をあらわしている。
 旗を振ってきたのは国土交通省で、下関版“八ツ場ダム”とでもいうべき姿となった。移転することになっている岬之町ターミナルの業者たちは「移転はイヤだ」と繰り返しており、倉庫もない、使い勝手の悪い人工島に追いやられるのは、商売の邪魔をされるに等しい。「利用価値がないのになぜ進めたのか?」となると「だって、国土交通省が旗を振ったから」という状態。下関市の負担も少少ではない。

 無謀な市街地の開発が進行 世界的な大不況でも
 都市計画がデタラメというなかに、大型店の出店とも関わった市街地開発がある。世界的に大不況の嵐が吹き荒れているなかで、逆行するように無謀な市街地開発と商業施設誘致が動いており、これにも市民は驚いている。マンションや宅地にせよ、大型商業施設の物販にせよ、だれがそれほど買うのだろうか? と行方が注目されている。
 市街地開発は市の許可があって進められる事業だ。この間だけ見ても、川中・伊倉地区には区画整理で約30・6fの広大な土地が生まれた。総事業費は66億7700万円。1fにつき約2億円の費用が費やされた計算になる。「1fにつき1億円の事業費が相場」といわれるのからすると2倍近い割高で、美味しい思いをした人がいる。ここに、あるかぽーと市有地への出店計画をつぶされたイズミが、敷地面積約5万7279平方bものモールを開店させることになった。
 イズミの目の前には、いずれ900人規模になると予想されている川中中学校の移転校舎が建設中。校門を出て信号を渡るとそこはショッピングモールで、「文科省天下りの教育行政は、万引き奨励指定校にするつもりか」「まるでイズミ付属中学」などと話されている。周囲には、住人がいないアパート群が300戸、マンションもJリート崩壊でピンチの局面に陥りつつ、後戻りできない雰囲気で建設が進められる。
 新椋野の区画整理地は約24・4fで総事業費は56億円。2万坪の大型商業用地が整備され、すでに買収済みとなっている。こちらも川中・伊倉地区の区画整理と同じ企業が開発を請け負った。下関市もトントン拍子で商業地として用途変更を認めた。住宅地にはポツポツとアパートが数軒建っている程度で、需要がない。「無難に事業が着地できないと、地主がひどい目にあう」「たいへんなことになる」といわれている。開発すればするほど、行政が負担するライフライン整備などに資金が費やされる。

 全域に大型商業施設を誘致 郊外だけでなく
 そして郊外だけでなく、あるかぽーと市有地には超高級ホテルにプラスして、ドラッグストアやレンタルショップ、シネコンなどを備えた商業施設が出てくる計画。「芝生公園にする」といっていた中尾市長は早早に公約を撤回して、江島市長が進めてきた案、つまり大和リースが提案したものを土台にして調整しながら交渉を進めてきた。不況の煽りで、むしろ大和リースの側が及び腰になっている始末。
 下関駅前にも駐車場プラス集客施設を拡幅する計画で、行政が主導する形で民間開発としての動きがはじまった。「にぎわいプロジェクト」といっている。ここにも730席7スクリーンを備えたシネコンを誘致するとされている。ビルを建てる以外に具体的な内容は明らかになっていないが、とにかく駅ビルをつくって200億円近い事業になること、融資する山口銀行や、1銭も負担しないJR西日本が潤うことだけは明らかになっている。
 大型店政策で見ると、開発利権が先走りして市全体の商業地のバランスが崩れる関係で、このままいけば、市全体に占める大型店の売場占有面積は8割突破も目に見えている。放っておいたら店だらけで、しかもどこにでもありそうな全国チェーン店がバラバラと各地にできて「市街戦」を繰り広げることになる。買い物をする市民は減るのだから、大型店同士のつぶし合いがもっと熾烈なものになることが予想されている。
 近年はJリートなど不動産バブルが花開いて、“東京方式”を実践した企業ほど急成長した。その下関版が大型店進出とセットの市街地開発であり、ガラガラのマンションが多い理由になっている。ところが商業不動産バブルも、住宅バブルもはじけ、アクロバット経営が行き詰まりを見せている。銀行に手玉にとられた挙げ句、倒産が噂される企業も出てきた。安倍派企業が多いのも重要な特徴になっている。
 郷土下関にとって必要なことと、不必要なことの判別などお構いなしに、上に立つものの金儲けがこらえきれない。この食いつぶしによって、市街地が分散すること、ますます地域が衰退していくことが問題視されている。合併した旧豊浦郡は切り捨て、街中も利権中心でさんざんな事になろうとしている。全国先端の市場原理市政を抜本転換させること、市民の生活を基本にして街作りの計画を練り直すことが求められている。
 安倍代理の江島市政が引きずり降ろされたら、「市民派」を装って登場した中尾市政が何の迷いもなく公約破りを連発し江島施策継承の安倍・林代理で走りはじめる。
 下関は、小泉政府時の幹事長、そして首相となった安倍代議士のもとで、全国先端の市場原理政策のモデル都市となった。その結果が全国的に突出した衰退である。そして今や、大暴走した自民党政府がたたきつぶされ、自民は野党となった。利権を民主党に奪われてしまった。今や下関市政の抜本的な転換をせざるをえない時である。
 江島市政がつづけてきた事業の抜本的見直しを要求する市民の声をあげる必要がある。下関の都市機能を分解させる市役所の勝山移転、駅前開発やあるかぽーと開発など即刻やめさせなければならない。

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