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市会議員の行動点検を
半年後に下関市議選
               市政の飼犬か市民の側か    2006年7月26日付

 下関市議会(小浜俊昭議長、104人)が来年2月12日で任期満了となり、市議選を半年後にひかえて、現職議員たちの動きもあわただしくなっている。議員定数は38人になるが、新人も含めて60〜70人の出馬がとりざたされている。安倍、林代議士をバックにした江島市政の暴走をチェックしたためしがない市議会を、市民の声を代弁するようにやり変えようという機運は渦巻いている。市議選は市民が主権を行使できる場であり、市民の世論と運動がどう発展するかが最大の原動力である。このなかで現職議員の行動を点検し、市民を代表する議員を送り込むことが期待されている。

 議員の体質を暴露・あるかぽーとの大型商業施設誘致
 江島市長が5年にわたってすすめてきた「あるかぽーと」の大型商業施設誘致は、議会の最終判断をむかえて議員の体質をあぶり出すこととなった。市民1万人アンケートでは、「白紙撤回」「公園や緑地」の回答が圧倒し、地元の中央連合自治会(13自治会)が反対の意見書を提出したことで、建設委員会(門出眞治委員長・17人)に衝撃が走った。25日の建設委では、「議員として(賛否の)判断がつかない」(長秀龍議員)、「最終的なところで委員会に持ってきて欲しい」(門出委員長)など、賛否をめぐり議員1人1人の態度表明を避ける形となった。
 審議では議員から、「(同計画は)長い時間が経過している。市民アンケートで民意を反映するべきではないか」(山下隆夫議員)と、最終判断を市民世論にゆだねるべきとの主張や、市長に近い部分からも動揺が出始めた。門出委員長は「委員会を否定する発言だ」と食ってかかったが、逆に自分が発言の撤回を求められる始末で、江島市長のブレーンとしての面目丸つぶれ。審議を終えて議員のあいだからは、「年内に決めるのは難しい」「選挙があるのにとてもついていけない」など声が上がり、あるかぽーと開発についてはれ物にさわるような扱い。市民世論の高まりが議員を縛りつけた。
 「世界に誇る海峡を守る会」(7団体の共同代表)があるかぽーとへの大型商業施設誘致の是非を問い、5月に実施した下関市議会(小浜俊昭議長、104人)に対する公開質問状では、期日までに全議員数の半分に近い49人が回答をしないひどいものだった。「議員に市民が質問するなど横着」などといって、小浜議長の会派を中心に主要会派で「回答するな」の拘束がとられた。ところが市民のなかで、どっちが横着なのかと怒りの火に油を注ぐこととなった。同会の賛同人が、7月末までに1000人近く集まり、地元自治会や商店街、市民のなかに運動が広がり始めた。
 市議会のしめつけが効かなくなり、期日を遅らせて「日共」の江原満寿男議員、ほうほくクラブの大田義友議員、古野学議員が慌てて回答した。佐伯伸之・元副議長の菊政会は、会派拘束でしめつけるなどのボス支配をおこなったが、3人がたもとを分かつ新会派を立ち上げた。小浜俊昭議長がいる政友クと市民クは、最後まで全員が無回答だったが、後援会や支持者から突き上げられて、「心のなかではあるかぽーと開発は、慎重にすべきと思っている」(政友クの某議員)など、釈明して歩く情けない姿をさらした。

 オール与党の議会・市民に腹立てる議員
 これに対してボス支配の代表格、小浜議長の政友ク(旧下関・8人)定宗正人会長は、「(公開質問状は)議会がそんなに信用できないのか。委員会軽視、議会軽視にもなりかねないご無礼な話」と開き直った。最大会派だった菊政会(菊川・13人)の松尾勝会長は、「各自がどうこういっても意味をなさないから、会派としても個人としても出さないことを決めた」と協調。市民ク(旧下関・4人)の兼田一郎会長は、「これまで一切出したことはない。個人的に出すかどうかは知らない」など一致した対応であった。
 また公明党(8人)は、友松弘幸会長が「会派としての見解は、あまり商業施設はこのましくない」「公開質問により議員が制約されるようではよくない」とマッチポンプ想定のコメント。自民ク(旧下関・11人)は会派回答で、中田博昭会長は「会派による回答を総意でやるようにした。今まで全部そうしてきた」と説明し、江島市長に気に入られていたいが、市民の票を失うのも怖いという対応。豊な会(豊田・10人)の木本暢一会長は、「委員会で審議中であり、コメントは避けるように会派に徹底しているところ」とし、新政ク(豊浦・10人、岩ア義男会長)、ほうほくク(豊北・8人、穐枝弘巳会長)、豊北平成ク(豊北・5人、藤尾憲美会長)、響会(豊浦・7人、片山隆昭会長)では、会派内で対応が割れた。
 この10会派には84人いるが一事が万事、ボスの1声で多くが江島市長の飼い犬のようにおとなしくさせられてきた。小会派や無所属の議員が、議場でやり合うことはあっても、大会派のヤジと小浜議長の制止で、結局は止められてきた。「日共」修正主義集団は賛成はしないが、議員生活者として与党気分で、江島市長と最後まで対峙したことを市民は見たことがない。

 市長の暴走は放置・し尿施設やJR駅舎問題も 官制談合の連続
 下関市と旧豊浦郡四町の合併により、昨年2月に全国有数の104人のマンモス市議会が誕生した。これまで1年半で569議案のうち、新博物館計画の1議案をのぞきすべてが、そのまま可決されてきた。江島市長と小浜議長ボス支配の密室政治と議員の生態が市民のまえに明らかにされなければならない。
 昨年8月の汚泥し尿処理施設の工事契約議案をめぐる議会可決は、市民に犠牲を押しつける典型的なものであった。60数億円かかるといわれたものが、半年後に40数億円になり、結局28億円で落札された。つくるものは同じなのに金額は不透明きわまりない計画だ。鹿児島市では同規模の施設を、3分の2の予算で建設しており、大手メーカーと発注した江島市長の悪質きわまりないピンハネの官製談合疑惑が持ち上がっていた。落札したクボタ(大阪市)をふくむ大手メーカーや、大手コンサルタントなど30数社に、公正取引委員会が立ち入り調査をおこない、就任後1カ月の市環境部長(当時・57歳)が、辞表を江島市長に提出するなど緊迫した状況のなかで、チェック機能を喪失した市議会は強行採決まで突きすすんだ。
 環境消防委では3時間以上にわたり審議され、市役所1階ロビーのモニターまえには、なりゆきを見守る市民が数多く見られた。ところが江島市長の答弁は、「2007年2月の海洋投棄禁止まで、ギリギリになっている」、と採決をせかすだけで、疑惑をはらそうという姿勢は見られない。採決になると「委員会は苦渋の決断をすることになった」(林真一郎・同委員長)などと、疑惑は晴らされないまま自民ク、公明党、政友ク、旧郡部の各会派12人がのきなみ賛成に回った。本会議でも1部反対や退席者が出たものの賛成多数で強行可決されて、着工されることとなった。1年もしないうちに、公正取引委員会は不当な取引制限をしたとして、メーカー担当者が刑事告発されることとなった。
 官製談合疑惑の渦中にいる江島市長は、大手メーカーのクボタ(大阪市)と共同企業体の地元建築3社を、18カ月〜4・5カ月の指名停止と2億数1000万円の損害賠償を求めた。市議会はチェック機能がなぜ喪失したのかは棚に上げて、厳しい対応を求めて決議を上げるなど、恥の上塗りがくり広げられた。損害を受けたのは市民であり、10年で大半が使われなくなる施設に水増しで支払いつづけることとなった。

 社会教育複合施設計画でも
 また総額155億円の社会教育複合施設計画も、解体工事から設計、管理、運営まで一括発注する約91億円の債務負担行為について、市議会は賛成圧倒的多数で可決した。地元業界でも十分可能な建物であるにもかかわらず、一括発注でハードルを高くして、ごく1部の大手企業しか入札参加できなくした。市当局は同施設のアドバイザリーとして、汚泥し尿処理施設の基本計画策定でも、水増し設計にかかわったパシフィックコンサルタンツ(東京都)に委託しているが、ノーチェックであった。子どもたちはオンボロ校舎で、トイレさえがまんさせられているのに、市内すべての小・中学校に支出する5年分に匹敵する予算規模のデタラメな計画である。
 前年度にひきつづきJR西日本の駅舎改築には、6200万円の予算がつけられた。基礎調査として下関駅、梶栗駅、長府駅をやりかえるとして、基礎設計は2カ年1億2000万円でジェイアール西日本コンサルタンツに委託している。昨年3月の市長選で、JR出身の定宗正人議員などが、利益誘導お構いなしで江島市長の旗振り役をしてきた。先べんをつけた梶栗駅計画では地元負担分の3000万円に住民は怒り、いつできるか見当もつかない。それでも下関駅計画は山口銀行やJR西日本と3者共同で、プラン策定の合意をして、駅舎焼失で一気に実現化させたいかまえで、市財政の大投入が企まれている。

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