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「心の病気」8年前の9倍
下関市職員
               05年度健康相談はのべ502人    2006年12月8日付

 下関市の江島市政のもとで市職員の休職者が増えている。とりわけ心の病気の疾患が、近年激増している。05年度は4カ月以上休んでいる33人のうち、心の病気は18人だった。8年前の9倍となっており、1市4町の豊関合併をはさんで職員数は増えているものの、短期休職や予備軍はさらに多いといわれている。とくにこの4〜5年が深刻化したと語られている。市場原理を自慢にした江島市政は、県下一高いゴミ袋や介護保険料を押しつけ、汚泥し尿処理施設や文化会館建て替えなど、官製談合疑惑で市民への背任を暴走させてきた。合併や権限委譲による多忙化に加えて、「市民のために」というのがなくなって、ソロバン勘定ばかりで、市民に対立した市政運営が、職員のまともな思考も破壊させ混迷させている。

 4,5年で休職者は急増
 心の病気による休職者は、97年には2人だったが、02年に11人と2ケタ台となり、昨年には18人と大幅な伸びとなった【グラフ参照】。市役所8階に設けられた産業医によるカウンセリング中心の健康相談室には、03年度が83人、04年度306人、05年度502人と急増した。統計はとられていないが、職員の間では働きざかりの中年男性の早期退職が多いと危惧(ぐ)されており、実際は自殺と見られる在職中の死亡も何件か出ているといわれる。
 ある40代のうつ病と診断された職員Aさんは、早期発見により数週間で復帰したが、「心の病気になり冷静になって、市役所内にあまりの病を持つ人の多さに驚いた。競争のなかにいたのでは分からない」と振り返った。それまでは朝4時ごろに起きて市役所に向かい、昼休みもろくにとらず、夜11時まで働きづめの生活を送っていた。大きな仕事を終えかけて、久しぶりに夜8時ごろ帰宅し、タバコと酒を飲んでいて、「もういい。辞めよう」と突然、心に張りつめていた糸がプツンと切れたようになった。翌日、職場の机上の荷物をすべて片付け、家に引きこもった。それまでバクバクしていた心臓が、2週間ほど市役所に行かないと、うそのように正常になった。初めて自分が心の病気にかかっていることを知り、精神科の医院にかけこんだ。うつ病と診断された。
 「市民のためにと志を持って市役所に入ったが、今は何を信じていいかわからない状態だ。とくにこの4〜5年は江島市長が1言いうと、上ばかり向く管理職が、何倍にも増幅して命令を下に出すから、ビクビクして亡霊にとりつかれたような職員があふれている」とのべる。
 ある中年の職員B氏は、「職員が心の病気になっているとは知らず、休職せざるをえなくなった。もっと声をかけるなどサポートができなかった」と悔やむ。「みんなが働きやすい環境をつくるのが管理職だが、上のほうばかり見ているヒラメが増えては、下の職員がつぶれる。議会や市民から自分がつつかれたくないからと、30分ほどの答弁のために、何日もかけて想定資料をつくらせたり、しりぬぐいばかりでは、下の職員は何をやっているのかわからなくなる」「夜遅くまで残って仕事をしているような、まじめな職員ほどつぶれやすい。思いつめてしまう」、とのべる。                            夜でも電気がついている市役所
 昨年8月には、官製談合騒ぎが取りざたされた汚泥し尿処理施設をめぐり、環境部に異動して1カ月足らずの現役部長が、「かかわりたくない」と3年近くを残して早期退職した。あるベテラン職員は、文化会館建て替えやあるかぽーと開発と、江島市長に反省の色はなく、職員にツケを回そうとしていると憤りを語る。「辞められる人はまだいい。自分の意に反して、うしろに手が回るようなことをさせられても、妻子を抱えて働くところが少ないご時世に、なかなか思い切れるものではない」と、江島市政を変えるしかないと話す。

 露骨な考えぬ職員作り 混迷する原因
 ある職員は「目が市民に向かなくなったことが、混迷する1番の原因だ。官製談合疑惑でも、だまって手伝うような、イエスマン職員ばかりがとりたてられ、考えない職員づくりがやられている。不祥事があっても、トップは責任をとらない。内部告発を促すような制度をつくったり、飲酒運転はしないと誓約書を書かせたりと、上のいうことだけ聞いておればいいというものだ。北朝鮮を独裁国家と非難できない下関市役所だ」とのべる。
 合併により中核市に移行し、県から身体障害者手帳交付など約600件の権限が下りてきたことも、多忙化に拍車をかけた。国や県はいじわるく、仕事は下ろすが予算は出さない。出しても江島市長が箱物にピンハネする。市民生活との接点の多い福祉関係の部署でも、つぶれる人が多いといわれる。
 さらに09年までに、職員数を176人減らして、11年末までに合計250人削減する、大「合理化」の計画をたてている。また国は制度をコロコロ変えるから、そのたびに勉強し直さなければいけない。とりわけ医療や介護、障害者福祉などの制度はよく変わり、末端行政の職員は人数は減らされたうえに、振り回されることになる。小・中学校のトイレは100カ所以上も使用禁止だし、校舎の外壁ははく離しても、なかなか予算化させない。旧郡部の農林水産関係は削られる一方で、現場では職員が突き上げられる。
 市場原理を自慢する江島市政のもとでは、職員が団結してたたかっていくことが切実となっており、食いつぶされる地元経済や切りつめられる市民生活に心を寄せる側から、市民と結びついてたたかうことが唯一の展望を開くものである。市職員労働組合の道森幸雄副委員長は「この状態はおかしい。アメリカ型の市場原理主義でなく、もう1度立ち止まってみるべきではないか。組合としては、今の状態を変える必要があり、当局に対しても強く要求していく」と語っている。

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