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   <狙撃兵> いいとこの子の凶悪犯罪          2009年11月13日付

 イギリス人の若い女性を殺害して逃亡していた市橋容疑者が逮捕された。両親は医師と歯科医師で裕福な家庭の育ち。しかし医学部進学に失敗して挫折し、国立大の園芸学部を卒業したあと定職にはつかず、親の仕送りで3DKのマンションに住んでいた。外国人女性を部屋に連れ込んで殺害したあと、警察に事情を聞かれるのを振り切って走って逃げ、整形手術までして2年半も逃亡生活をつづけるという異常きわまりないものである。
 学校で勉強に取り残されて暴れる貧乏人の子どもが警察に引っ張られる。一方で裕福な家庭で「良くできる良い子」として育った者の凶悪な犯罪が多い。JR下関駅に車で突っ込んで何人も殺した九大卒業の青年は父親が校長で母親が教師だった。長崎の「駿ちゃん」事件をひき起こした中学生も成績はトップクラス、佐世保の小六の事件もコンピューター通の良くできる子だった。オウム真理教のサリンをつくってばらまいた連中もすごく「成績のいい子」たちだった。
 学校では暴れる子は警察に渡せというのが文科省の指導である。暴れる子は九九や分数ができない、漢字の読み書きができないで、小学校以来取り残され、わからぬ授業をジッと聞いてきた子が多い。多くは家庭が困難な子が多い。暴れたり不登校というあらわれは、学校の教育の力が落ちてきたことに原因がある。それを警察に渡すのは、荒れる原因を温存して事態をさらに深刻にさせることにしかならない。
 警察が学校を巡回する。暴れる子は逮捕する。これは少年法が改定されたからだと説明される。以前は少年法適用年齢は16歳だったのが神戸の酒鬼薔薇事件をきっかけに14歳としたが、安倍政府時期に先の長崎、佐世保事件をきっかけにして厳罰主義を強め、「おおむね12歳」と変えたことを指している。「金持ちのできる子」がひき起こした異常な事件によって改定された少年法で、勉強から排除されて暴れる貧乏人の子が逮捕される。何をしでかすかわからないような「いいところの成績のいい子」が野放しにされる。金持ちはいい子で貧乏人は悪者というのは偏見である。
                                           那須三八郎

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