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〈狙撃兵〉 なにを食わされているか?
                      鳥インフルエンザ問題       2004年1月24日付

 牛肉は狂牛病、ニワトリは鳥インフルエンザ、鯉も病気で大量に死んだ。日本人はいまやなにを食わされているのかわからない。鳥インフルエンザは、年末に韓国で大流行し、昨年からベトナムやタイ、アメリカでも起きていた。マスコミも、そういうときは知らぬ振りをして、行政も予防の対策はとらず、あとから騒いでいる。世の中は、なにを信じてよいのかまさに無政府状態である。
 鳥インフルエンザは「渡り鳥のせい」という論があるが、東南アジアやアメリカともいったりきたりする渡り鳥となると説明も怪しい。これらの地域をいったりきたりしているのは人間の方であり、アメリカから輸入されているエサが怪しいと語られている。
 養鶏は薄利多売でもうけがない。下関あたりでは養鶏農家は一軒もなくなり、この競争で生き残るには、3万羽から10万羽の大規模でなければできないといわれる。消毒をすればウイルスは簡単に予防できるといっても、コストがかかってたまらない。鶏肉や卵はアメリカをはじめ、東南アジア、中国などから大規模に輸入され、大手チェーンなどに流れており、激しい国際競争のなかにある。しかも丸紅などの商社のヒモがつき、アメリカの農業多国籍企業の傘下にある輸入飼料を食わせるシカケになっている。早く太るエサというので肉骨粉も食わせなければ競争に負けるのである。
 いずれにしても「グローバル化、自由化」のかけ声で、コスト競争、金もうけ競争一本槍が度をこして、食い物としての信用すら疑わなければならないところへきている。資本主義社会の商品は金もうけの道具とはいえ、人人にとって役に立つ使用価値がなければ買い手はいない。食料品は安全で健康なことが根本の条件であって、毒を食わされたのではたまったものではない。そしてさまざまな商品の具体的な有用性をつくるのは人間のさまざまな種類の具体的な有用労働である。それをいい加減にして人をだまし金もうけだけで突っ走るというのでは、この社会は相当にイカレてしまったといわなければならない。
  限度のない規制緩和・コスト競争・リストラで、あっちこっちの工場が大爆発し、事故がひん発する。行政は教育も医療も公共的なものは切り捨て、大学の先生も100年の大計どころか目先の金もうけへの貢献で成績をつけられる。商売上の道義や仁義というものが乏しくなり、金もうけの自由のためならなにをやってもよいというアメリカ崇拝の風潮がまんえんする。その延長線上で、アメリカが石油略奪のために軍事力を使ってイラクを占領し、小泉はシドロモドロの詭弁をいいながら泥棒の手伝いに自衛隊を派遣する。「世のため人のため、社会のため」というのは古くさいのでなく、いまこそ新鮮である。
                                              那須三八郎

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