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     <狙撃兵>  おんぶにだっこの暴走総理       2006年8月25日付

 安倍晋三代議士がつぎの総理大臣になることが決まったといっている。国民の人気が1番いいので、自民党内もしたがったのだそうだ。だが安倍氏の選挙地である山口県では、人気がいいどころか何かやるたびに恨みを買う状態である。代理市長をおくお膝元の下関市長選や、米軍再編を争点にした岩国の市長選、合併を争点にした防府の市長選でも、安倍氏が乗り込んだ結果、票が激減したり落選したりの連続である。実際は「選挙の顔」にもなっていないし、すでにたそがれ状態なのだ。
 安倍氏の場合、その実績にふれて「立派な政治家」と人人が思って総理候補になったと見なす山口県民はいない。雲の上で「エライ政治家」と決まったので下下はそう思えというだけである。山口県でそうである以上よその県民はなおさらである。メディアのいう「世論の力」というのは、よく見ると大衆そのものの世論ではなく、メディアの言い分である。安倍氏がドジをやって傾きはじめたと思うと、うさんくさい「世論調査の支持率トップ」とやって支えてきた。
 一連の顛末は自民党の総裁は自民党内の力関係で決まるのではないことを教えている。「世論の支持率」と称してメディアが決めている。政治家は進歩派であれ反動派であれ、大衆世論をとらえるのにたけて大衆を動員することが職業である。しかし今時の「政治家」はメディアがやる怪しげな世論調査に主導権を握られて恥とも思わない。自民党もいまや政治家集団の体をなしていないのだ。そして、メディアが顔色を見ているのはアメリカである。安倍氏が「総裁有力」と騒がれる契機は、訪米をしてブッシュ政府の高官連中が歓待したことであった。北朝鮮のミサイル問題で指揮をふったが、安倍氏に指揮をふったのはアメリカ大使であり、ブッシュ政府の高官であった。日本の総理はアメリカが決めているのだ。
 こういうことは、ちょうど戦前の関東軍が祭り上げた満州国皇帝と違いがない。そして安倍氏は北朝鮮の先制攻撃をやるといったり、憲法改定や教育基本法改定という戦後史を画する大問題をやるといっている。アメリカは、多少でも見識のある政治家は望ましくなく、いいなりで訳もわからず暴走する「皇帝」を望んでいるのである。日本の国民はアメリカやメディアにおんぶにだっこされた状態の暴走総理を、頭にかつぐ羽目になろうとしている。「三代目は身代をつぶす」ということわざがある。安倍家がつぶれるのは勝手だが、国をつぶされたのではたまったものではない。これは「ラストエンペラー(最後の皇帝)」にしてもらわなければ困る。
那須三八郎

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