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<狙撃兵>  政府の統治能力はあるのか  2011年3月14日付

  巨大地震とそれにともなう大津波が日本列島を襲った。東北地方の沿岸域は、突然の災害に見舞われ、おびただしい人人が死亡した。生き延びた人人もなお救助を求めていたり、避難生活で苦しんでいる。家族や家屋、田畑、漁船などを失い途方に暮れている。地域によっては役場も消防も警察も壊滅し頼るべき行政機関は機能しない。しかも災害は終わったわけではなく拡大中である。コンビナートが爆発炎上し、とりわけ十数基が林立する原発があいついで炉心溶融の大事故を引き起こし、大地震災害どころではない破局的な放射能災害の危機まで深まっている。疑いもなく日本社会は未曾有の危機にさらされている。
 このようななかで、政府やメディアの対応が、人人をイライラさせている。何日たっても被害の状況を傍観者的に描くだけ。この緊急事態をどうしようというのか、国民にどうせよというのか聞こえてこない。明らかに政府の統治能力があるのかないのか問われている。とりわけ複数の原発破壊という国土を壊滅させかねない深刻な事態で、「心配するな」ばかりをいって真相を隠し、国民を危機にさらしている。
 被害の全貌把握ができなくとも、多くのところで人人が救出を求めており、避難した人たちが水や食糧、衣類を求め、医療などを求めていることははっきりしている。道路や空港がだめなら内航船を雇ってそれらを届けるなり、仕事を求めている全国の土建業者や失業者を政府が雇い、日本中の重機を集中して道路開通や残骸の撤去など一斉にやればよい。そのような、事態を解決する行動を先行することによって、災害の全貌も明らかになり、対応の不備も解決するのは明らかである。政府が国民の苦難を「自己責任」などと見なして眺めているだけなら政府ではない。
 これらの地域の被災者が立ち上がるには、経済復興が問題となる。今度の災害でコンビナートのほか自動車や家電など輸出企業の工場が打撃を受けている。これらの内部留保をため込んでいる大企業はともかく、東北地方の農業、漁業を立て直すことが、これらの地域が立ち直る上でも、日本の食糧生産を守る上でも不可欠の課題となる。
 国家財政は世界一の借金であるが、何百兆円にも上るアメリカの国債とか証券類を売り払えばいくらでも金はできる。恩着せがましい米軍の「支援」など喜ばなくても、アメリカに貸している金を返してもらえばよい。万事アメリカ言いなりの統治能力を喪失した売国腐敗政治か、真の国益に立った独立国の政治か、この大災害をめぐって問われている。
                                           那須三八郎

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