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   <狙撃兵> 中電経営者、28年の空騒ぎ         2010年3月26日付

 中国電力が再三祝島への初上陸に挑戦している。これは中電の原発計画浮上28年以来の方針転換である。中電はこの原発騒ぎの28年間、一度も祝島に渡ったことがない。つまり祝島にお願いしなくても、祝島の同意がなくても原発はできるといってきた。中国地方の大企業というものが、強盗も驚くような非常識をやってきたのだ。二八年の方針を転換して祝島上陸をはかるのは、相当の事情の変化をあらわしている。
 この変化は、原発計画がすっかり行き詰まっているからである。一昨年末に、最高裁判決で祝島の漁業権がなくなったかのように騒ぎ、二井知事が埋め立て許可を出し、中電は補償金を支払い、外部業者がまぶりついて集まった。そして「原発はすぐにできるのだ」とふれまわった。それで祝島のあきらめを誘おうとしたが、祝島はそんなウソにはだまされなかった。最近では原子炉設置許可申請を出して「原発はできる」のだめ押しを試みたが、祝島は補償金(供託金)受けとりを拒否し、県漁協が勝手に受けとった残り半金の、中電への返還を大多数で意思表示した。中電の方針転換は、祝島が漁業権放棄をしなければ原発はできないし、断念に追い込まれることを自己暴露するものである。
 上関原発計画で中電の最大課題は祝島の反対をいかに崩すかであった。28年にわたって、「祝島にお願いしなくても原発はできる」との態度で、崩す必要のない推進の組合に補償金やタダ酒振る舞いなどを繰り返して、ぼう大な電気料金を使ったあげくに、何事もすすまなかったことを示している。これは歴代の中電経営者、とりわけ現在の経営者の、人が聞いたらあきれかえるほどの大失態である。
 民主党政府は原発を国策として推進するといっているが、これまでも国、県が乗り出してあらゆる権謀術策、金力、権力を使った国策でダメだったのが上関原発である。二八年間、無駄骨を折ってきた中電経営者は責任をとらなければならない。また「漁業権問題なら県の役目」と祝島籠絡を買って出て、あわてて埋め立て許可を出した二井知事の大失態も噴飯ものとなっている。かれらは責任をしっかりとるとともに、上関原発計画は白紙撤回しなければならない。
                                          那須三八郎

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