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      狙撃兵  安倍晋三が脅かす存立事態       2015年6月19日付

  戦争において「兵站」=武器・食料の供給役が恨みを買うことは、喧嘩しか解決手段を持たないような子どもでもわかる。取っ組み合いになった相手の後ろからあらわれた安倍晋三が、「石があるよ」「バットもあるよ」といって熱心に後方支援を始めたとしたら、やられる側はフルスイングで鉄拳制裁するに違いない。しかし現実社会において、確か同じようなことが数カ月前にもあった。「お金はあるよ」といってイスラエルに加担したおかげで、ISISに人質二人が殺害された事件だ。中東の矛盾に関係ない者が首を突っ込んだ挙げ句に起きた悲劇だった。懲りない安倍晋三がもっと本格的に後方支援するといっているのだから、好き勝手にさせていたら邦人の犠牲者は2人ではすまない。
 集団的自衛権、すなわち「自衛」「防衛」を叫んでいるにもかかわらず、いつも攻撃することばかり考えて攻撃されることは何も考えていないのが日本の為政者である。現在の日本列島はまともに考えて戦争などできる国土ではない。食料自給率は30%台にまで落ち込み、各国から「後方支援」してもらわなければ命をつなぐことすらままならない。原発は54基が各地に点在し、ミサイル対応どころか火山対応や地震・津波対応すら十分でない。各地の製油所やコンビナートなどそれ自身が周辺地域を壊滅させかねない危険施設が山ほどある。標的にされれば電力、燃料、食料などすべての面において国民生活が麻痺することは東日本大震災の経験だけ見ても歴然としている。ところが東北の被災地すらまともに復興できない為政者が、今度は国土をミサイル攻撃の標的にさらすというのである。
 アメリカに擦り寄っていさえすれば安泰というのは日本の為政者ポストくらいのもので、世界は資本主義各国の利害が激しく衝突する激動の時代に突入した。そのなかで、アメリカが凋落しているからこそ日本に軍事力の動員を迫っているのである。身代わりになって海外に攻めていくことがいかに愚かな自爆行為であるかは論をまたない。
 「我が国の存立事態」を脅かす最大の脅威は戦争である。存立事態を脅かされるから集団的自衛権を行使するのではなく、集団的自衛権を行使することによって、みずからの存立事態を脅かす関係にほかならない。それは自衛権の行使ではなく自爆権の行使である。
                                            吉田充春


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