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      狙撃兵   「愛国」偽装に御用心  2017年2月20日付

 
 17日の衆院予算委員会で「瑞穂の國記念小學院」への国有地払い下げや認可への関与が問われた首相は「私や妻、事務所は一切関わっていない。もし関わっていれば首相も国会議員も辞める」と気色ばんで否定した。妻が名誉校長になろうかというのに「一切関わっていない」といわれても説得力に乏しいが、少なくとも「安倍晋三記念小学校」を建設するといって当事者がカネ集めをしていたのが事実なら、それが日本会議の仲間内とはいえ詐欺事件なりで立件しなければ世間は誰も納得しない。
 今回の疑惑は、検察や警察も“陸山会事件”と同じくらい情熱を注ぐべき問題だろう。さらにメディアも韓国大統領の汚職疑惑や金正男の暗殺事件はあんなにはしゃいで報道するのに、どうして自国の為政者になると萎縮しているのか? である。真理真実に対して公平でなさ過ぎることが、逆に怪しさを増幅している。
 国有地がタダ同然で払い下げられた事実はいまさら隠しようがない。従って、財政基盤が脆弱であるのにどうして文科省は運営許可を出したのか? 大阪府知事はどのような判断で設立認可を出したのか? 国交省は生活ゴミの除去費用も出したうえに、なぜ補助金まで出したのか? 近畿財務局は別の教育機関がもちかけた約六億円の買収案を安すぎるといって断りながら、どうして1億3000万円なら良しとしたのか? 大阪航空局の埋設物についての査定はどのようなものだったのか? 隣接の公園が14億円で払い下げされたのに、同等の規模でありながら九割引になったのはなぜなのか?等等、挙げればきりがない疑問について一つ一つ真相を解明するしかない。関与した行政機関は多岐にわたり、相当数の役人が関わっていることも疑いない。これらをみな国会に参考人招致して一連のカラクリを暴露させ、誰がどのような話を持ってきたのか疑惑を解明すべきだろう。
 「愛国」を唱えて為政者に見初められれば、持ち金が乏しくても国有地がタダ同然で払い下げしてもらえる――。これが事実なら、「どうしてもっと早くワシにも教えないのか!」といって真似を始める人が必ずいる。抜け駆けは御法度である。そして、僕も私もオマエもオレも、みんなが明日から「愛国」ビジネスに精を出し、近隣諸国の民族を「シナ人」などと侮蔑する社会が「美しい国・ニッポン」なのか? である。汚れどもも大概にしなければならない。    吉田充春

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