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      狙撃兵  下品なゴシップが溢れる社会  2016年2月10日付

 清原が覚醒剤中毒で逮捕されたとか、SMAPが所属事務所と揉めて大変とか、ベッキーとかゲスとか意味のわからない単語が飛び交い、年明けからどうでもよいゴシップばかりが氾濫している。国会で首相に対して「SMAPの解散報道をどう思われますか?」「清原逮捕をどう思われますか?」などと質問する議員まであらわれ、「首相がSMAPに言及」「清原にも言及」「国民的アイドルが…」などと大騒ぎしている。政治といえば、議員官舎での同性愛行為を暴露された武藤某に続いて、甘利明はヤクザの使い走り疑惑、育休申請で話題をさらった宮崎某は不倫騒ぎで、よくも自民党はこれだけ下品な人材を揃えたものだと驚かされるくらい、汚らわしい話題が後を絶たない。
 ゴシップがこれほど氾濫する世の中とはいったい何なのだろうか。一方では、経済が音を立てて崩れ始め、アベノミクスの賞味期限切れを象徴するように株価の暴落、ドル安円高の進行が止まらない。黒田日銀が最後の一手でマイナス金利を発表したにもかかわらず、日経平均が上向いたのはわずか2、3日程度だった。9日にはついに1時980円近くも暴落するなど、上がったり下がったりしながらドン底めがけて真っ逆さまである。国債の長期金利も前代未聞のマイナスに突入した。日本社会はどう転がっていくのか、まさに目が離せない重要な局面だ。世界を見渡しても、危機の震源地である米国では大統領選で資本主義そのものを問う流れが台頭するなど、欧州、中東含めて情勢はめまぐるしく変転し、時代の変化を映し出している。
 政治なり経済が不安定になればなるほど、刺激的なゴシップがこれでもかと撃ち込まれ、人人の興味関心を別問題へと釘付けにしたがる。目くらましである。為政者にとって見てほしくない世界が拡大するほど、ゲスな連中が次から次へと生け贄になって外へと向かう目を内に引きつけ、どうでもよい興味本位ばかり煽って切実な問題をそらしていく。その頻度は高回転で、下品が伝染してきそうな勢いである。
                                       武蔵坊五郎

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