トップページへ戻る

      狙撃兵  離れが燃えても消せない現実       2015年8月26日付

 アメリカの“離れ”というか相模総合補給廠(米陸軍施設)が爆発炎上したので、日本の消防が14台も駆けつけた。ところが米軍側の規制で現場に近づけず、何が爆発したのか情報提供されないために放水すらできず、朝方になって燃え尽きてから「鎮火」となった。五時間近くにわたって消火活動は足止めをくらった。爆発音が何度も響き渡り、軍事施設が燃え上がる。それこそ最悪の事態になれば地域全体を巻き込む大惨事だったにもかかわらず、日米地位協定が壁になって手がつけられなかったのである。倉庫に保管しているのが仮に弾薬だったらどうなったか、考えただけでも背筋がゾッとする。地域住民の恐怖はたいへんなものだったに違いない。
 日米地位協定によって基地の中は治外法権状態に置かれ燃えている火すら消火できない。そして事故原因を探ろうにも警察は捜査権を持たず、消防法にも束縛されないことから通常実施する危険物の点検や現場検証などもできない。施設外に破片が飛び散っていても触れてはならず、米軍のMP(憲兵)が呼ばれる。沖縄のヘリ墜落事故もそうだった。日本側の行政権が及ばず、せいぜい再発防止を申し入れるか、抗議するしかないのである。婦女暴行を引き起こした米兵が基地内に逃げ込んで本国へ逃亡するのもそのためだ。
 安倍晋三は“生肉騒動”(集団的自衛権の例え話をテレビで披露)のとき、確かアメリカの離れに燃え広がる火を日本の消防が出動して消すのが集団的自衛権の行使だと例えていた。しかし実際に“離れ”が爆発炎上してわかったことは、集団的自衛権を認めないから火が消せないのではなく、日米地位協定のおかげで消火活動できなかったという事実である。火を消さなければ地域住民の暮らしが脅かされる、まさに存立危機事態だというのに、米軍が阻むから指をくわえてながめるしかなかったのである。
 守るべき対象が日本人の生命なら、まず日米地位協定なり日米安保を見直さなければならないことを今回の事件は暴露している。
                                       武蔵坊五郎

トップページへ戻る