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  <狙撃兵> 放射能汚染地域を元に戻せ        2011年5月2日付

 民主党菅政府は福島第1原発事故による放射能汚染市町村に対して、罰則をともなう立入禁止を命令した。放射能被曝がいかに残酷なものであるかは、広島、長崎の被爆市民が嫌というほど体験してきたことである。外傷はないのにつぎつぎに死んでいく。5年、10年、60年とたっても白血病やガンになって死んでいく。それが2世、3世にも影響していく。それを人間の医学では治すことができない。福島原発でもこれと同じ悲劇がくり返されようとしている。
 福島原発の収束はほど遠く、いつ爆発による放射能の大量拡散があるかわからない。しかし政府や東電は国民の生命や財産を守るために動いているか。放射能の放出は爆発時にもっとも大量に出たことがあとになって知らされる。刻刻変わる風向きと放射能の拡散予報は出さず、住民には放射能を浴び放題にさせる。放置すれば生命の危険があるのにそれを知らせないのは殺人行為である。そして小中学生の年間被曝線量を大人と同じにする。住民の強制立ち退きは、生活基盤を奪うものだが、退避せよというばかりでどこでどのように生活基盤を保障するか、それまでどのように生活補償をするのかはない。
 強制立ち退きの対象市町村の相当な部分は、永久立ち退きの様相を強めている。汚染がひどいかどうかではなく、東電や政府の別の必要がある。原子力関係者はウソばかりいってきたが、それは原発がいかに軍事機密に包まれているかを物語っている。壊れた原発を人目から避ける必要があり、さらに大量に発生する核廃棄物の保管場所がいる。さらに今後何十年とつづく事故原発の管理に何十万人もの被曝作業員がいる。自分の命を削ってその日の生活を維持するしかない作業員を大量につくり出す必要がある。生活が破たんした避難民をつくることはその一番の供給源となる。
 放射能汚染地域は元に戻すことができる。広島と長崎は、大量の被爆死者をつくったが、爆心地をふくめて復興した。土壌を入れ替えるとか、食用ではない植物を植えて放射能をとり除くなど、さまざまな提言がある。住民にとっては歴史のある自分たちの土地である。政府と東電は汚染した市町村を略奪するのでなく元に戻して返却しなければならない。
                                         那須三八郎

 
 

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