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      狙撃兵   不可解な豊浦支店長の自殺       2016年9月7日付

 山口銀行豊浦支店のU支店長はなぜ自殺したのかーー。生真面目で地域からの信頼も厚かった同氏の人柄を知っている関係者のなかで、悶悶とした思いが募っている。突然の別れだったが、まるでトップから箝口令が敷かれたように行員たちが黙ってしまい、事情がわからないからだ。顧客から恨みを買うような人間ではなく、きわめて紳士的だったというのが多くの人物評で、「山口銀行のなかでは珍しい」という人までいる。そんなU支店長を死に追いやったのはいったい誰なのか、どのような力が加わったのか疑心暗鬼だけが広がっている。
 豊浦支店の重大案件といえば、「下関ゴルフ倶楽部のクラブハウス建て替え」が関係しているのではないか、と指摘する声は多い。ゴルフ倶楽部は運営の主導権が大洋漁業の中部一族から山口銀行に移って以降、理事長には歴代の山口銀行頭取がつき、支配人も送り込まれるようになった。そのクラブハウスが近年、老朽化を理由に11億円かけて建て替えることになったが、現在公表されている資金調達計画では到底足りず、どうやって不足分を補うのか? 山口銀行が貸し付ける格好で処理するのではないか? と会員は気を揉んできた。
 建設工事を請け負ったのは毎度お馴染みの清水建設だった。本社社屋や支店、社交場として利用しているスナックの改装にいたるまで、みな同社が受注していくのは山口銀行の伝統として知られている。それで建て替え費用が坪単価200万円もすることから、「いかに贅沢な作りをしても70〜80万円が妥当だろう」「あまりにも巨額で、誰かが抜いていることすら懸念される」と声が上がり、理事長など山口銀行関係者が他の会員の半額で低額料金プレーをしていたことと併せて、真相解明を求める裁判にも発展していた。その過程で、下関ゴルフ倶楽部の会計帳簿の口座は豊浦支店にあり、責任者はU支店長だったことも明らかになっていた。
 頭取交代直後に起こった不可解な死の真相は、支店長の周囲で何が起こっていたのかを解明しなければたどりつけない。クラブハウスの建設費について「無担保・無保証で貸し付ける稟議書を作ってあげろ」と数回呼び出されて強要され、本店の貸付も了解済みと説明されながら「バンカーとしてできません」と断ったのだ   等等の話も飛び交っている。しかし、本人が亡くなっているもとで噂話だけでは確証になりえない。腹を括って倍返しをする者なり、良心に基づいて真実を告発する者が山口銀行にいない限り、死をもって何を訴えたかったのかははっきりしない。
 なかなか生前退位しない「田中天皇」体制のもとで、山口銀行で何が起きているのかが注目されている。
                                               吉田充春

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