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      狙撃兵 軽々しい真珠湾慰霊            2016年12月7日付

 米大統領選の最中にヒラリーに面会したのが裏目に出て、慌てて就任前のトランプに会いに行き、今度はそれがオバマの逆鱗に触れてホワイトハウスから叱られ、機嫌直しのためなのか真珠湾に出かけて戦没者を慰霊するのだといい始めた。安倍晋三の思いつきとか迷走外交の産物であったとしても、果たしてこれほど軽軽しくやられてよい政治パフォーマンスなのかどうかである。
 かつての大戦で事前に察知していながら攻撃させたのがアメリカだった。「リメンバー・パールハーバー(真珠湾攻撃を忘れるな)」をスローガンにして太平洋戦争に突入し、全国空襲で都市という都市を焼き払い、原爆を投げつけ、沖縄に艦砲の嵐を見舞って320万人もの邦人の生命を奪ったきっかけの地、因縁の地にこともあろうかオバマの機嫌取りぐらいの調子で足を運び、実質的に頭を下げに行くというのである。亡くなった320万人の霊に対して厳粛さに乏しいのはその動機があからさまに米国の最高権力者に認めてもらうため、自分のための失点回復だからにほかならない。
 オバマは広島訪問の際、記念館への滞在時間は10分で、慰霊碑には一切頭を下げずに「空から死が降ってきて、世界は変わった」等等とのべて帰っていった。同じように、日本の首相が頭を下げずに「空からーー」をやるわけではない。米国内で「謝罪を求めるのはみっともない」というメディアの扇動も皆無である。その上下関係ははっきりしており、一方が開き直った状態での「和解」など詭弁である。
 太平洋戦争は中国侵略に失敗した日本の支配層にとって出口戦略だった。アメリカに民族的利益を売り渡し徹底的に屈服することで、国民に塗炭の苦しみを強いた日本の財閥や天皇制軍国主義の犯罪者どもは戦後の地位を守られ、岸信介などはCIAのエージェントとして対日支配の役割を果たした。おかげで世界でも稀なる支配と被支配の関係が71年も続き、その孫もまた奴隷根性丸出しで現大統領と次期大統領に振り回されているのである。対米従属という戦後レジームのなかで立ち回っている為政者の姿を浮き彫りにしている。
                                              武蔵坊五郎

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