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      狙撃兵  目くらましの軽減税率    2015年12月11日付

  2017年4月に消費税を10%に増税するにあたって、自民党と公明党が軽減税率の導入を決め、まるで国民生活を心配しているかのようなパフォーマンスをくり広げている。とりわけ公明党が貧困層の味方のような顔をしているのには呆れて言葉がない。身ぐるみ剥いでいこうとする強盗に「食い物だけは八%のままにしてやるよ」といわれて、何が有り難いのだろうか。公明党のおかげで八%で許してくれたのだから感謝しろといわんばかりで、終いには言い分を聞き入れてくれた自民党に引き続き選挙協力するよ! というペテンである。
 生鮮食品と加工食品を八%に据え置き、10%にしなかった場合に軽減に使われる財源規模は1兆円とされている。公明党と自民党が最終的に「揉めていた」のは菓子や飲料の扱いで、その違いは1兆円規模になるか、あるいは8200億円規模になるか、すなわちわずか1800億円の違いでしかなかった。そんなものは安倍晋三が外遊の度にばらまいてくるODA(政府開発援助)の額に比べたら微微たるものだ。
 消費税は5%から8%に増税しただけで税収は5兆円分増えた。10%にした場合の見込み額は14兆円ともいわれている。導入以前にはゼロだったものが、既に所得税を抜いて税収の柱になるほど広く国民全体から収奪する仕組みになっている。消費税導入以来、法人税は二百数十兆円ほど減額となり、その不足分以上を消費税で補ってきた関係にほかならない。そして大企業はいまや350兆円を超える内部留保を蓄えた。非正規雇用などの低賃金でみなを貧乏にさせたうえに、国家の運営費までみな国民負担に転嫁して寄生し、資本を持っている大企業は利益を分け取りするだけなのである。
 今回の「軽減税率」も実は目くらましで、それとは別に「軽減」で不足する財源をたばこ税その他で巻き上げていくというのが詐欺的だ。全体として現在よりも3兆〜4兆円増税する方向に変わりなく、その原資はみな国民の懐に求めようとしている。携帯税、死亡税の新設など自民党税調が新たな税収奪の手法を論議しているのはそのためだ。
 現実に10%になった場合、国民生活に対する破壊力は計り知れない。みなが消費を抑えて不景気はますます深刻になることは疑いない。「軽減税率」以前に増税をやめること、超過利潤を欲しいままにしている大資本から相応の利益を吐き出させ、日本社会全体の運営に回すことの方が先である。                           武蔵坊五郎

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