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 <狙撃兵> 中尾市長の複式簿記講習          2011年4月27日付
 「経営者視点で市長をやる」といってきた下関市の中尾市長が、幹部職員を集めて複式簿記の講習をはじめた。20年かけてもらった税理士免状のご披露というわけである。複式簿記というのは営利企業の基準であって、いろんな事業について、どれだけ費用を投じてどれだけもうかるかというのを市役所運営の基準にしようというのである。市立大学も、市立病院も、図書館も、老人福祉施設も、駐車場も、野球場も民営化なり民間企業に分け与えているが、市役所を営利企業にしてしまう気のようである。
 「住民の福祉と生命、安全を守る」ことを地方公共団体の事務の第一と明記した地方自治法であるが、複式簿記とはそれをやめるというわけで、全国最先端の突っ走りとなる。そして台風が来るたびに何度も高潮でつかった埋立地に消防署を建てるという全国先端をやっている。それは市役所を建て替えるのにじゃまだという「複式簿記」視点のなせるワザだが、大津波で東北が無惨にやられているなかで、なおも突き進むというのであるから相当の「信念」でもある。それを「バカの石頭」という人もいる。
 大津波に襲われた東北の自治体は、下関と同じで市町村合併をやり、「費用対効果」とか「効率化」とかいって職員を減らし、消防隊員も病院の人員も減らしてきた。農漁業や商工業がつぶれるのは自己責任で、防災も福祉も医療も教育も自己責任。そして大震災にたいしてまともに対応できなくしてしまった。産業復興ができず、その地に住民がいなくなれば、税収はなくなり、自治体はつぶれる。自治体改革、民営化路線の破産である。
 中尾市長の複式簿記路線は、市場原理型自治体改革が破産したあと、なおも突っ走るというわけで全国先端をなすが、人から見たら時代遅れを意味する。それにしても中尾市長がかかわってきた唐戸市場やその子会社ハートフーズは、ズサン経営で傾いてしまっている。市役所では市民から税金をとって「経営者視点をやる」というわけだから、「親方日の丸経営」から「悪徳商人商売」になることが心配されるゆえんである。
 地方公共団体を一部のものの商売道具にするか、市民のため、公共、公益のためにするか、安倍晋三、林芳正代議士地元の下関では全国先端の鋭さをもってあらわれている。
                                             那須三八郎

 

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