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狙撃兵     三代目が自民党を潰す
                          2017年4月19日付

  18日付朝刊で「止まらぬ閣僚の失言 一強が緩みに」(毎日新聞)「放言のち撤回 閣僚相次ぐ」(朝日新聞)と各紙が閣僚たちの問題発言を取り上げ、毎度の如く「政権の緩み」なのだと指摘していた。では、緩んだものを締めればどうにかなるのだろうか? といつも思うのだった。森友学園問題を巡る国会答弁で嘘が発覚した稲田朋美防衛相、台風被害を視察した際に長靴を準備しておらず、職員におんぶさせて批判を浴びた後、「長靴業界はだいぶもうかったんじゃないか」と開き直った務台俊介内閣府政務官、福島の被災者の自主避難を「本人の責任。裁判でもすればいい」といい放った今村雅弘復興相、「一番のがんは学芸員」とのべた山本幸三地方創生担当相など、枚挙に暇がない。安倍晋三にいたっては銀座のショッピングモール開業に際して「この原稿(全国各地の名産品を集めた売り場を紹介する原稿)には残念ながら山口県の物産が書いてありませんが、おそらくあるんだろうと思います。よく私が申し上げたことを忖度していただきたい」とのべて笑いをとるなど、むしろ“忖度”を面白がって使っている始末だ。
 確かに見たことがないほど何人もの閣僚が呆れるような発言をくり返している。それほど有権者なり国民を舐めきっていることの証左でもあるが、「言葉を選ぶ」ことすらできない者がなんと多いことか。この問題発言集団が顔を付き合わせながら、「安倍昭恵は私人である」「谷査恵子のファックスは行政文書ではない」とかを真顔で閣議決定しているのである。これはもはや悪ふざけの域をこえているし、政治家の劣化等等を嘆いているレベルではないことを教えている。
 彼らが放言や撤回をくり返しているのは、決して緩みとか弛みが問題なのではない。引き締めれば改善する代物ではなく、もともとの資質こそが問題なのだ。石ころを暖めてもヒヨコはかえらないのと同じで、人間としての質がその行動や思考方法に至るまでを規定している。条件反射で短絡的に怒ったり、思っていることをすぐ口にしてしまうのは、ある意味「バカ正直」でもある。「一強」のおかげで、腹に一物抱えながら反撃の機を伺ったり、狡猾に欺瞞する術を知らない政治家ばかりになったのだろう。
 安倍政府の存在について、知識人界隈では反知性主義者をのさばらせた罪深さを真剣に嘆く向きもある。しかし、庶民感覚でいえば自民党が想像以上に単細胞揃いになり、本性がわかりやすくなっただけのような気がしてならない。あの大臣たちの面やおんぶされた姿、ピンチになったらすぐに早口でまくしたてる姿を見て世間は笑っている。
 この際、徹底的に思い上がるもよし、開き直るもよし。有権者の感情を逆なでしたうえで、最終的に審判を下されるのが安倍自民党の宿命だろう。爺ちゃんがつくった党を三代目が潰す--を実演しているようにしか見えないのである。
 武蔵坊五郎
 
 

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