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有事法反対東京集会 命かけた戦争阻止課題
 下からの共斗で4万人集会
 航空労組を先頭に団結 意気盛んに国会デモ
                2002年5月18日  5757号


 有事法三法案にたいして大多数の人人が「新たな軍靴の足音が聞こえる」と危惧(ぐ)を強めているなかの24日夜、「STOP!有事法制5・24大集会」が東京新宿の明治公園でおこなわれ4万人をこす労働者、市民が結集し、溢れんばかりの人で埋め尽くされた。この集会は、陸・海・空・港湾労組20団体を中心に、労組の下からの共同斗争によってとりくまれ、アメリカの戦争のために日本人民を総動員しようとたくらむ有事法を阻止しようという力の結集となった。さらにこの集会には宗教者や一般都民、さらに全国各地から「いてもたってもいられなくなった」とかけつける人も多くあり、反対世論の高まりをいかんなく示すものとなった。集会参加者は意気盛んに国会デモをくり広げた。同会場では下関原爆展事務局による『原子雲の下より すべての声は訴える』パネルの展示と、長周新聞「日米安保条約を破棄しよう」の紙面が配布され大きな共感を得た。
 会場には組合の旗や幟が林立し、とりわけこの運動の中心を担う航空労組関係、海員組合、全港湾などの労働者からは、切実な思いが語られた。
 日本航空の客室乗務員の婦人は、「有事法は自分たちの意に反して従わざるをえなくなる。客室乗務員をしているわたしたちも命の危険にさらされる」と語った。
 制服姿で集会に参加していた日本航空の20代のパイロットは、「米軍の弾薬や武器が一般の貨物として乗るようになる。お客さんもそういうこととは知らされない。それこそ戦争になれば撃ち落とされても文句はいえない。もっと広く運動をやらなければならないと思っている」と強調した。さらに航空業界の実情について、「パイロットは、サンフランシスコからロサンゼルスまでの11時間を休憩なしのぶっとおしでフライトしている。とんでもないですよ。ロサンゼルスの空港に着陸するころには意識がもうろうとしていることが問題です。整備も削られたうえにもっとも危険な状態で飛んでいる」と語った。
 別の50代のパイロット機長は、有事法や規制緩和による航空業界の実態を語ったあとに、「日本がここまで巻きこまれてきたのは“安保”があるからだ。わたしたちはいつもそれを実感している。沖縄の基地撤去ができないのもそこにある。沖縄の那覇空港近くになるとエンジンを切り替え1000M(300b)まで高度を落として海面すれすれを飛んでいる。本来3000Mくらいの高度が必要だ。羽田を飛び上がり立川の方面にいくと、ここにも米軍の空域があり高度の設定がある。そういう緊張状態のときに突然米軍の戦斗機がとんでもないところから出てきてニアミスを起こす。毎日が“安保”の網をかいくぐって飛んでいるようなものです。日米安保が目に見えないところまではりめぐらされているように思う」と有事法問題も規制緩和もすべて日米「安保」を根幹にしていると指摘した。
 海員組合のゼッケンをつけた30代の男性は、「日本の政治家は平和ボケすぎる」と一喝し、「ぼくたちは戦地に行っている。そこへ米軍の武器、弾薬まで運ぶようになれば、真先に狙われるのは目に見えている。有事法でアメリカについていけば敵国とみなされ、わたしたち一般の海員が犠牲になる。わたしは燃料を運ぶタンカーに乗っている。狙われるのは武装した自衛隊ではなく、わたしたちですよ」と声を荒らげた。
 さらに港湾労働者は、これまででも真先に物資輸送にかり出された事実にふれ、「これらの荷役業務は大手をつうじて入ってきて下請などにやらせている。港湾労働者5万人が止めてしまえば荷役はストップする。そのような運動をどうつくるかだ思う」と語った。別の港湾労働者は、ベトナム戦争など歴史的に米軍艦船が港に入ってきたが、いまからそれが好き勝手にやられるようになる。港湾労働者としてどうするかだと思うと語った。
 有事法制化によってアメリカのために命を狙われるという緊張感のなかで、下からの陸・海・空・港湾労組の共同斗争に発展してきた。「周辺事態法のときは戦争への協力だったが、今度は強制的な動員であり、一般の労働者までが否応なしに戦争に動員される」という思いで行動に立ち上がり、それが各産業をこえた労働者の共同のたたかいとして広がっている。
 集会は日が暮れる6時30分からはじまった。平和をつくり出す宗教者ネット・日本山妙法寺僧侶の木津博充氏があいさつに立った。木津氏は、「有事法制反対の世論がほうはいとして巻き起こっており、2度と忌まわしい戦争を起こさせないための行動が各地でくり返されている」とのべ、「わたしたちはこのような法案を追いこむために力をあわせよう」と訴えた。
 その後国会議員の発言のあと、有事法廃案のアピールとして日本青年団協議会の東和文会長が発言、先の戦争で青年団が若者を戦場へ送り出す役割をはたした痛恨の経験から、青年団は再び若者に銃をとらせないことを決意して発足した。その原点にたち返って運動を強め有事法制は許せないと語り、「有事法制はアメリカの戦争に協力するための法案にほかならず、医療、運輸、土木など直接関係する人人がかり出される、このような悪法は廃案にすべきだ」と呼びかけた。
 集会は最後に航空連議長の内田妙子氏が閉会宣言をおこない、有事法制の審議が大づめとなる6月中旬には、今回以上の力を結集して意志を示そうと訴え、集会宣言を読みあげたあとシュプレヒコールをおこない、デモ行進に移った。
 デモ行進は、3コースに分かれ都民にアピールした。航空労組などは、「民間航空の軍事利用反対」の横断幕を客室乗務員の婦人たちが持ち、「民間航空機を戦争に巻き込む有事法反対」などの幟を林立させて力強く行進した。

   会場での原爆展も反響
 会場の一角でおこなわれた原爆展とともに、本紙「日米安保条約を破棄せよ」の紙面が大量に配られよく読まれていた。
 「有事法制のことを思うといてもたってもいられなくなった」と20代の福祉関係のアルバイトをしている女子青年は、埼玉県からかけつけていた。「原爆の写真を見たがとてもよい。8月には友だちと絵本を子どもたちに読んだりしたい」といい、すぐに協力者になった。
 「子どもたちにぜひ見せたい。夏休みに借りたいがどうしたらよいか。衝撃的です」という婦人、「とてもすばらしい展示をありがとうございました」とわざわざ撤収のさいにお礼をいいにくる青年労働者もいた。この原爆パネルを見た人だけでも何人もの人が「いてもたってもいられなくて参加した」と個人で参加した人も多く見られた。

 日本航空機長の話
 有事法制と絡んで、武力攻撃事態というのが発動されて、公共の電気だとかを国の管轄におけるというのが内容となる。航空もハッキリといって徴用ですよ。会社とのあいだで「いやだ」といっても国からの命令として出されていて、これを拒否すると罰則がついてくるし、逆に国賊あつかいされる。わたしたちは戦争なんか嫌だしとんでもない。
 周辺事態法との関係で有事法制が併用されることもあるといっているが、そうなれば自動的にアメリカの戦争に引きずりこまれる。うちの会社が思う思わないにかかわらず国の命令によってアメリカの戦争に巻きこまれることは明らかだ。
 戦後はアメリカが日本の覇権をとって、世界的にもとびぬけて地域紛争をひき起こしてきている。それだけデタラメなことをやり、理不尽で不合理なことがあってもアメリカが「正義」といえばそれがとおっていく。日本にも基地を置いている。
 9月11日のテロは、起きたこと自体はいけないことだが、なぜ起きたのか、しかもなぜアメリカなのか考えないといけない。アメリカがさんざんやってきて世界から恨まれているからだ。その態度をあらためないかぎりぜったいにテロなどなくならないし、そのアメリカに従っていくことは逆にわたしたちは敵国とみなされ攻撃されることも想定される。アメリカの武力万能主義はあらためさせないといけない。
 規制緩和が10年まえから実施されているが、アメリカの空を飛んでいると「(規制緩和は)まちがいだったな」とつくづく感じる。お金が絡んでくるもので、安全には金がかかるし、安全は守らなければならない。
 しかし大資本がやってきて航空の安全レベルはものすごく落ちている。日本の安全基準は、整備から部品にいたるまで削られた。
 日本航空の安全基準は世界最高だった。すべて金にかかわるものは切り下げられ、競争のなかで安全性にかんするものがもっとも切り下げられている。15年まえに比べたらけた違いに落ちている。
 日本航空で技術を持っていた整備工がいなくなったわけではない。しかし制度そのものからして技術が引き下げられるようになっている。採用がなく、その最高レベルの技術は継承されず、そういう整備の部分がどんどん下請に回され、子会社が整備をやらされている。安くあげるためであり、日本航空の整備はズタズタになっている。あと10年もすれば跡形もなくなるのではないかと思っているほどだ。
 そういうなかで事故を起こさないためにみんながんばっている。しかし起きるようなシステムができあがっている。
 日本が戦争にまで巻きこまれてきたのは突きつめれば「安保」だ。「安保」は、日本のすみずみまで自分たちに関係のないところまで縛られていると思う。

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