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諸悪の根源「安保」と大斗争を
原発、消費税、TPP、米軍再編
             民族的利益売る野田政府   2012年4月18日付
 
 自民党政府に交代して登場した民主党政府だが、野田政府まできて暴走ぶりがきわだっている。原発の再稼働、北朝鮮ミサイル対応、消費税増税やTPP、東北被災地の復興サボ、米軍再編など、国民不在のメチャクチャな暴走をしている。国益が投げ捨てられ、民族的利益が根こそぎ売り飛ばされている。その一つひとつの結果に対応するだけではらちがあかない。その根源を見据えていかざるをえない。さらにこの根源を解決するにはどうすべきなのか、記者座談会を持って論議してみた。
 
 国のあり方問う世論が沸騰

  下関や山口県内を見ても、産業の衰退が急速で生活の困難さが尋常ではない。リーマン・ショック以後は段階を画している。3000人雇っていた三井金属のMCSが、撤退するといって労働者を路頭に迷わせたり、瀬戸内海側でも徳山では出光が製油事業から撤退。光でも外資系半導体のシルトロニックが500人解雇。海外移転にともなった首切りが連続している。
 表沙汰になっていない部分でも山陽町のNECで相当数が切られていたり、下関の神戸製鋼所など既にもぬけの殻になっている工場も多い。そこで働いていたかなりの数の労働者が失業に直面している。その家族も含めると影響は計り知れない。MCSを首になった労働者たちも失業保険が切れて頭を抱えている人が少なくない。大企業が国内の製造拠点を捨てて、地域社会を崩壊させ、海外移転する方向にいっきにギアチェンジしている。全国的な普遍性がある。
  下関では1年以内に中小企業の2割近くが倒産する可能性があると信用情報会社が警鐘を鳴らしている。この2〜3年だけ見ても老舗がバタバタ倒れてきた。大手がよこす薄利な仕事をこなすが、「もうけがあるのかないのかわからない」とか、仕事そのものがないといった状況がゴロゴロしている。「こんな冷え込み方は経験したことがない」と年配の経営者も口にしている。東京や大都市の大手企業が地方都市の仕事まで奪っていくから、余計にでも地元でカネが循環しない。商店やショッピングセンターでも閑古鳥が鳴いている。購買力の低下を反映している。
  街中の公衆便所やショッピングセンターのトイレではトイレットペーパーの盗難があいついでいる。蛍光灯まで紛失し始めた。スーパーの関係者に聞くと年寄りの万引きも増えているという。総菜を一品とか拝借して、泣いて謝るのを見るといたたまれなくなると語っていた。5つ入りのタマネギの袋を破って、申し訳ないから2つだけ拝借するといった事例もあるようだ。金があれば好きこのんでやる人間などいない。貧困や失業がそれだけひどいことを物語っている。
 年寄りでも2カ月で7万円ちょっとしか年金がもらえない人人がいるが、介護保険料その他を天引きされて手元に残る金額は僅かだ。家賃、水道代、電気代、ガス代にもならない。それでは食っていけない。スーパーで働いているパートの婦人が「毎日山ほど廃棄処分するのに、一方で総菜一品に泣く老人がいる。世の中どうなってしまったんだろう」と語っていた。残酷な世の中だと。
  大不況で苦しんでいるさなかに消費税増税というから、どこに行っても「バカじゃないのか!」とだれもが頭にきている。マニフェストでペテンにかけた民主党にも怒りが強烈だ。民主党は2009年の総選挙で「消費税については現行税率を維持し、4年間議論すらしない」といって票をかき集めた。ところが2年目の菅直人になると“解禁”して、野田になるといよいよ国会審議に乗せるところまできた。選挙で有権者に認められていないものを首相が替わったといってごり押しする。選挙はないのと同じで、議会制民主主義の国ではなくなった。米軍再編にしても自民党がやってきたことを引き継いだだけで、子ども手当も実質廃止。「税と社会保障の一体改革」といって、介護や医療福祉分野も軒並み切り捨てていく方向に動いている。
  これだけ景気が冷え込んでいるなかで増税などしたら、もっと景気が悪くなるのは目に見えている。税率が上がって税収は逆に減るだろう。原油はイラン制裁の片棒をかつがされて高騰する。イランは日本に好意的だったのに、アメリカに追随して国益を投げ捨てる。石油が上がったら野菜も食料も値上げラッシュ。「こんなときになにを考えているんだ」という思いがどこでも語られている。

  支出の方は無制限 大増税の一方大企業や米国のため

  「国家財政が危ない」「カネがない」とまるで国がつぶれるようなことをいって増税まっしぐらだが、みんなが問題にしているのは支出の方は無制限で使いまくっていることだ。最近でもIMFの基盤強化に4・8兆円を支出すると発表したが、リーマン・ショック後も麻生政府が10兆円をポンと拠出している。何兆円という資金が迷いもなく右から左へと動く。「円高対策」といって昨年夏に政府日銀が市場介入したのも、10兆円がたちまち米国債へと姿を変えて吹き飛んでいった。
 7兆円かけて第2東名高速道路(1b当たりの単価2000万円)をつくったり、全国各地の道路をはじめとした公共投資も相変わらずだ。震災復興に10年間で23兆円かけることになっているが、大手ゼネコンが過大な防潮堤利権を創出したり、ここぞとばかりに東北で市場争奪に熱を上げて食いものにしている。
  政府の予算支出はこの何年か連続して過去最高を更新しているが、国民生活には直接関係のない、金融機関や大企業への支出や補助金、税金の還付、つかみ取り資金だけはちゅうちょなく振る舞っている。消費税も輸出企業は還付金を受けとっているが、その金額が3兆円もある。政府は大企業が国内の製造拠点を捨てて海外移転するために現地のインフラ整備もODA予算で進めてきた。昨年度は5700億円だったが、過去10年間にすると6兆〜7兆円近くを注ぎ込んでいる。大企業の新技術開発などにも「国際競争力に打ち勝つ」といって膨大な補助金を与えてきた。エコカー減税、エコポイントといってトヨタや家電大手にも救済資金を与えている。人民生活にかかわる歳出を切り詰めて、こっちには大盤振舞している。
  消費税はあからさまな大衆課税への転嫁だ。これまでに国民が220兆円もの税収分を負担している裏で、実は同額分ほど法人税が減税されていて、負担する者がすり替わった。その結果、大企業は今や266兆円も内部留保をため込んでいる。法人税減税ぶくれだ。それは膨大な株の配当金をのぞいた額だ。この10年来で100兆円積み増したというから、どれだけ優遇税制で保護されて急激にもうかったかだ。しかも内部留保が設備投資に向けられずに、有価証券を購入したり投機資金として金融市場に流れ出す仕組みになっていて、ヘッジファンドの餌食になっている。ドブに捨てるくらいなら、法人税として社会に還元させる方がはるかによい。
 D 米軍再編の3兆円規模の費用を負担させたり、グアム移転経費の上積みとか普天間基地の改修費まで日本側に負担させようとしたり、アメリカは厚かましい。「年金財源が少子高齢化で足りないから」「国民生活の面倒を見るために財源がない」といっているが実態は違う。国を食いものにする側の強欲さを規制しなければ、遠慮知らずがまた「足りない」といい始めることは目に見えている。何兆円と増税したところで次次と使い果たして、与えるだけ焼け石に水。米国とそれに従属する財界が好き放題に使い果たす構造が問題だ。
 A 日本をもっとも食いものにしているのが米国で、500兆〜600兆円近くもの米国債を日本政府や金融機関、保険会社に買い支えさせている。おかげで国内にカネが回らない。郵政民営化もゆうちょ・かんぽの350兆円資産をウォール街が狙ってきた。「カネをよこせ」としつこい。見直し法案が通ったら「自由競争の原理に反する」と批判声明を出したり、よその国の郵便事業が国営か民営かに首を突っ込んで介入する。しまいにはTPPで日本市場を丸ごと奪っていこうとしている。農業だけでなく医療、福祉、経済など全分野にわたって国益を売り飛ばしていくものだ。法律すらアメリカ基準になる。黒船に脅えた徳川幕府が関税自主権放棄などの不平等条約を結んだが、そっくりな情勢だ。日本国内の産業や国民生活がどうなろうが、目先財界がもうかることがすべてで、国を売り飛ばしていく。
  
 国潰す反民族政治 あてにならない既存政党 どれも親米派

  増税に限らず、国政の有り様をみんなが問題にしている。国会の姿を見ても、国民に責任を負わないでもっぱらたかるだけ。ろくでもない連中だと。自民党もダメだが民主党はもっと悪い、政党というのが社民にしても「日共」集団にしてもすべて親米派であてにならない。原発事故でも統治能力のなさは暴露されたが、まさにアメリカまかせの政府のメルトダウン・暴走が原発大事故の根本原因だ。売国政治の劣化が隠しきれない。
  北朝鮮のミサイル騒動を見ても、あれだけPAC3配備ではしゃいでおきながら、いざ発射したら警報すら鳴らさないし、国民の生命とか安全など考えていない。というか政府がミサイル発射に気付いていない。40分後にようやく発表する始末だ。世界の笑いものになっている。ミサイル失敗だと北朝鮮を笑っているが、日本政府のミサイル対応大失敗の方がもっとみっともない。老人の中で話になった。「日本政府の愚かさはアメリカのいいなりになっているからだ。その点北朝鮮の方がいくら貧乏でも独自の戦略を持ってアメリカと立ち向かっている。北朝鮮の方から笑われるんじゃないか」と。
  「北朝鮮が撃ってくる」といいながら、大飯原発を再稼働させるというのもバカげた話だ。ミサイルによる原発攻撃は想定外というのだ。バカげた話にもほどがある。
  福島で原発事故の収拾もできなければ、事故の検証も、事故時の避難態勢もできないのになにが再稼働か。まさに政治の暴走だ。原発はアメリカのいいなりで、地震列島に54基もつくって大惨事を引き起こした。あとは野となれという売国奴政治の暴走が原発事故の根本原因だ。アメリカの核・エネルギー戦略のため、財界の目先の商売のために日本をつぶしてもかまわないという反民族政治だ。中心になって進めているのが「革マル」出身といわれる枝野や仙谷でタチが悪い。
 C 東北の被災地でも、住民の生活再建に対して国が責任を負うというのではなく、露骨な棄民政治をやっている。いつまでも放置して、一方では復興ビジネスに群がる大企業が熱狂している。進出する新規企業つまり外来種は税金が免除され、労働者の賃金も国が補助するとか、至れり尽くせりの企業天国にする方向だ。だれのために政府が機能しているのかといったら、被災地の住民そっちのけで、もっぱら大企業やファンド、外資のために「復興」資金をあてがいTPPの先取りを東北でやろうとしている。これまでの常識からは考えられないような政治をやってのける。
  TPPは直接には日本の丸ごとの収奪だが、日本を米国の経済ブロックに組み込んで対中国包囲網を意図したものだ。中国を封じ込めて軍事的緊張を高めながら、日本を盾にして戦争する態勢だ。ミサイル騒動でも過剰に騒いで先島諸島に自衛隊を配備したのは、朝鮮半島ではなく中国大陸に向いたものだ。世界恐慌が深刻になるなかで戦争の危機が現実のものになっている。原発を五四基も抱えて、都市部には大爆発を起こす施設が山ほどありながら日本列島を標的にするのだから、これほど売国的なことはない。
  自民党政府が構造改革と戦争の対米従属路線を突っ走って鉄槌を受けたら、今度は民主党政府がアメリカや財界に見初められたと思って有頂天になって暴走する。自民党以上に新自由主義路線を突き進む。自民党もダメ、民主党もダメ、そのほかのどの政党を見ても国民に根がなくアメリカと財界の提灯持ちばかりになっている。枝野や仙谷は革マル派出身といわれるが、「左」が右になるご時世だ。既存の政党で頼れるところはないというのが全体の世論だ。

 独立をめざす声が充満 対米従属が根源

  広島の平和公園の街頭原爆展などをやっていると、「安保斗争をやらなければならない」という意見が増えている。日本がこれほどボロボロに崩壊しているのは、対米従属に根源がある。これをなんとかしなければ日本はつぶれてしまうという意見だ。大衆の中ではアメリカといい加減に手を切って独立しなければ大変なことになるという意見が沸騰している。
  人民大衆の生活の困難は深刻であり、もっと悪くなっても良くなる見通しはない。小泉の構造改革から、消費税増税、TPPまできて、農林漁業をはじめ工業もつぶされ、日本の富は根こそぎアメリカに巻き上げられていく。本当に貧困国、後進国になっていく。政治は国益を守る意識もなくアメリカに認められる競争の様相だ。選挙の公約は破ることが常識になった。国民主権ではないし、議会制民主主義の国ではなくなった。そして軍事はアメリカ主権で、アメリカの国益のために、日本が最前線にたって中国などとの核ミサイル戦争の盾になる。再度の原発大事故に突き進む暴走政治だが、日本人の頭上に原爆が落ちてくることが現実味を帯びた脅威になっている。平和、繁栄、民主主義の問題は独立の課題が要となってあらわれている。アメリカの対日侵略支配、「日米安保条約」が諸悪の根源だという点を大きく強調しなければならない。
  大衆の中では、個別の問題だけにとらわれずに、国の根本的な有り様や政治の在り方について問題意識が強まっている。この国をどうするかという問題意識が強い。大斗争になっていく機運は充満している。しかし呼びかける勢力がおらず形になっていない。
  労働者、農漁民、商工業者、都市勤労市民さまざまな層の人民が、それぞれの基本的な要求を基礎にして「安保」破棄、「アメリカは日本から出ていけ」の課題に合流させ、平和で美しい日本に作りかえる、そういう社会の抜本変革の世論を爆発させうる情勢になっていると思う。

 渦巻く世論を形に 「安保」破棄へ大合流
  
  この10年あまりの原爆展運動は巨大な運動になってきた。日本人民の体験に根ざしてアメリカの犯罪を真正面から暴露したことが衝撃的な反響を呼んできた。この運動は日本人民の敵はだれか友はだれかという問題を疑問の余地なく明らかにしている。そしてアメリカを美化する日和見主義・修正主義のインチキ潮流を暴露している。そして広島、長崎、という被爆都市で市民自らの立ち上がりによる広大な広がりを持つ運動になった。被爆者の積極的な行動と結びついて青年、学生の行動が広がってきた。
 この原爆展運動が基地の島沖縄で基地撤去運動の様相を一変させている。沖縄は本土の縮図であり、広島、長崎、全国と団結して日本の独立の課題として基地撤去、「安保」破棄のたたかいこそ進撃方向だという運動が発展している。基地の大増強がはかられる岩国でも10年来原爆展運動が続けられてきたが、岩国市民の基地撤去の世論は大きく表面化してきた。下関の人工島とそれに連結する巨大道路の問題をめぐって、下関でも軍港化のためであり、下関がミサイルの標的になるという世論が急速に広がってきた。生活の場に忍び寄る戦争の足音への警戒心が強まってきた。
 C 下関市民の会の運動も、MCS閉鎖・雇用を守れの署名をしているが、企業の社会的な責任を追及し、全市民の運動にしていることが、関西のたたかう労組の共感を呼んで大量の署名を寄せた。人工島への1000億円も投じた軍港化路線、市庁舎建て替えなどの巨大ハコモノ利権政治をすすめるために、仕事も雇用もないようにし、市民経済が疲弊する一方にまかせるというなかで、30万市民の根本的な利益を守る立場で、市民とともに運動をしていることが新鮮な支持を広げている。下関の現状は全国共通であり、まさに安保に根源を持ったアメリカの日本収奪の典型とのたたかいとなっている。
  6年生の学年全員が、逆上がりができるようにし、7分間の縄跳びができるようにした教育実践は大反響を呼んでいるが、個性重視、自己責任の自由競争の差別、選別、ランク付けの教育崩壊といったアメリカ輸入の新自由主義教育路線と一線を画して、勤労人民のみんなが協力し、助け合って、全員ができることをみんなの喜びとする、そして自分で自分を鍛え、できないことをできるようになる成長の喜びを対置したものだ。日本の未来を担う若者をアメリカの都合のいい骨抜き人間にするか、日本民族の歴史を継承した勤労人民の後継ぎにするかという、「安保」擁護か、「安保」破棄かの分かれ道となっている。
  はぐるま座が『動けば雷電の如く』と『原爆展物語』の全国公演をやっているが、宮崎県では、新燃岳噴火に加えて口蹄疫で大被害を受け、そしてTPPというなかで、それに反対する農業者が、日本の独立課題を描いた劇を自分たちの運動としてとりくんでいる。
 TPP反対、対米従属反対は全国的な農民や医療関係者、知識人の大運動になっている。「安保」破棄の大運動に合流する流れだ。
  アメリカの金融支配、株主主導資本主義が、労働者の困難の根源にある。産業企業を株価至上主義で大競争に追い立て、金融資本が奪い取る。果てしもなく安価な労働力を求めて海外進出をはかり、国内労働者を植民地並の労働条件にしてしまう。それを政府がさまざまに規制緩和をして奨励する。労働運動は個別企業の中だけでどうなるものではなく、これらの対政府斗争、とりわけアメリカの収奪とたたかうことなしに展望はない。「安保」斗争は労働運動の第一級の課題だ。
  大衆のなかでは、「安保」斗争をたたかう世論は充満している。それは形になっていないが、各政党、労組幹部に期待してもやるわけがない。みなアメリカと財界に飼われて身の安泰をはかっている。しかし、1950年8・6斗争路線を継承した原爆展運動を軸に、独立、平和を目指す運動が力強く発展をしている。大衆の渦巻く世論を形にし、運動にするには、日本人民の敵はだれか友はだれかという問題を大論議すること、そして日和見主義、修正主義のインチキを暴露すること、そして広範な大衆と結びついた指導骨幹を結集して広大な基盤を持つ政治斗争を組織できるということだ。
  「仕方がない」でいったら、貧乏になって首吊りの羽目になるどころか、また原爆が飛んでくる。ここは日本民族の誇りにたって、「アメリカは出ていけ」「戦後の日本社会を根本から変える」という気概が求められるところだ。
  政治家や官僚や財界は国益など知ったことではないという売国奴ぞろいで、外国からは笑いものだが、日本民族はそんなものではない。列強による植民地化の流れをくい止めた明治維新をやった民族だ。日本を変えるという高い気概がいるところだ。


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