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植民地化進める小泉改革
大増税して米軍に貢ぐ
              米軍指揮下の動員が柱    2005年11月8日付
 
 小泉首相は10月31日、第3次改造内閣を発足させ、「改革続行」を叫んでいる。先の衆議院選挙で圧勝をしたといって、「チルドレン」なる新米議員をひき連れ、天皇もヒトラーも顔負けの権力者のふるまいである。しかしこの「圧勝」は、小選挙区制のトリックによるもので、マスメディアの大世論操作作戦、創価学会などの宗教票をかき集め、得票率は有権者の25%というもので、疑いもなく国民の圧倒的大多数の強烈な批判のなかにある。このようななかで、小泉政府はどのような政治をやろうとしているのか、日本をどのようにしようとしているのか。

 最大問題は「米軍再編」
 小泉首相は自民党総裁任期が切れる来年9月までに「後継首相候補に構造改革を競わせるのだ」といい、任期後も院政をつづける大権力者になったかのようなふるまいである。そして「米軍再編」、増税、三位一体改革、公務員削減など、アメリカから要求されている「構造改革」を強行しようとしている。
 今後の方向について中川政調会長は「改革のスピードアップが必要だ。政府、与党、野党、三つどもえの改革競争に積極的な対応をしていきたい」と発言。「小泉首相から在日米軍再編などの安全保障問題と税制問題にしっかり対応するよう指示があった」と語っている。
 最大問題は「在日米軍再編」である。独立国で外国の軍隊が自分の国のように常駐し、自国の軍隊がまるごとその指揮下に入って下請をやるような例はない。沖縄、岩国をはじめ全国に居座る米軍は、第二次大戦で全国を空襲攻撃し、沖縄戦や広島、長崎への原爆投下をやり、幾百万の日本人民を殺すことによって入ってきたものである。ところが、それから60年もたったいま、滑走路や港湾、米兵住宅などまでつくらせ、大増強し永久に居座ろうとしている。
 第1の特徴は、米軍司令部を置いて、そこに自衛隊司令部を置き、自衛隊をすっかり米軍の指揮下に置くという計画である。拠点司令部(UEX)に改編した米陸軍第一軍団司令部をキャンプ座間(神奈川)に移転して陸自中央即応集団司令部と一体化。米軍横田基地(東京)には空自航空総隊司令部を移転させ、自衛隊を米軍の一方面軍として使うことを明らかにしている。沖縄の空中給油機部隊やF15戦斗機の訓練は全国の六自衛隊基地(鹿屋、新田原、築城、百里、小松、千歳)に移転し、全国の自衛隊基地を米軍基地にする計画である。
 横須賀への原子力空母配備を決め、その艦載機が常駐する米軍厚木基地の機能を岩国基地に移転する。岩国へは米兵1600人が移転し、厚木で実施していたE2C早期警戒機四機の夜間着艦訓練(NLP)も移転する。鹿屋基地には空中給油機部隊の米兵300人が移転する。
  この外国軍隊である米軍の移転費用のために、日本の血税を投入する。グアム移転だけで約5000億円。辺野古先への基地建設に約1000億円。岩国基地移転も1000億円規模である。
 これらの計画を日本の国民になんらはからず、関係する自治体がどこも受入表明していないなか、勝手にアメリカと約束し、強行しようというのである。政府は地方自治体の権限を国が巻きあげて基地再編をすすめる特措法をつくる準備に入っている。
 司令部統合、自衛隊基地への米軍の移転などのばく大な費用は、アメリカが一方的に要求したものであるのに、小泉政府はありがたがって増税をやり負担しようとしている。小泉政府は「米軍再編枠」という特別予算をつくって、2007年度にも予算化する方針である。そして小泉政府は来年3月までに基地移転の時期や詳細を記載した最終報告をまとめるとしている。

 戦争放棄規定覆し図る
 小泉自民党政府は、「安保の再定義」といって、アメリカの要求にもとづいて戦時立法をすすめてきたが、いまや憲法の戦争放棄規定を改悪する素案を公表し、海外派遣と武力行使も明記。国民投票法案を成立し「改憲」を強行しようとしている。
 10月末には武力攻撃やテロ、核攻撃を想定した「国民保護計画」なる戦時動員計画を決定した。全省庁について「防衛庁=在日米軍基地周辺住民の保護にかんする米軍との調整、核攻撃時の専門部隊派遣」「経産省=原発の使用停止、電力の供給確保」「国交省=駅・空港の安全確保、避難民の輸送」「農水省=コメ・小麦など備蓄食料の確保」「厚労省=医薬品など救護物資の確保」と細かく規定。空港や港湾、都市部の地下鉄などでは監視カメラをとりつけ、ものものしい監視体制を敷いている。今後は放送、運送、医療などあらゆる民間企業を巻きこんで戦時動員体制づくりをすすめることになる。米軍基地再編は、なによりも日本人民をものいえぬ弾圧・支配下におくことを意味している。
 防衛庁は06年度末から配備するミサイル防衛(MD)運用構想を明らかにした。防御する「最重要対象」は皇居、首相官邸、国会、主要中央省庁。「重要対象」は在日米軍基地、自衛隊司令部、原発などと七大都市圏(札幌、仙台、東京、名古屋、京阪神、広島、福岡)。
 アメリカの軍事戦略は朝鮮、中国との戦争を想定し、日本をその先陣として使おうとしている。かつての侵略戦争の反省を覆し、ふたたび中国アジアとの戦争を準備する、しかもアメリカのはじめる戦争に自動的に参戦して、アジアと日本の国民を戦争の惨禍にたたきこもうという方向である。
 
 アジア外交は更に悪化
 アジア外交はさらに悪化させようとしている。朝鮮のメディアは「極右派を前面配置」(朝鮮日報)、「“強硬右翼”内閣改造」(東亜日報)と新内閣を酷評。「韓国」紙は竹島(独島)問題、北朝鮮紙は拉致問題への対応や経済制裁発動を主張する姿勢に憤りを表明。中国各紙も「侵略戦争の美化発言をした」「中日関係は現在の停滞がさらに後退する可能性がある」と報じている。小泉首相は「福田元首相のとき、日中関係がうまくいった。タカ派の方が、外交はうまくいく」とうそぶいている。
 この軍事再編は、アメリカのグローバル戦略なるヤクザのような収奪政策が世界各地で行きづまり、それに対抗する各国人民の斗争が発展し、また日本においても市場原理主義、新自由主義をとなえた規制緩和、構造改革による、政治、経済、文化や教育などあらゆる社会生活面での搾取、抑圧にたいする反発が大きくなっていくことにたいする弾圧が重要な内容となっている。

 国民の生活は破壊 教育・食料政策も
 アメリカのドル暴落を防ぐため米国債を買いこむ一方で、国債や借入金など国の借金残高が約1000兆円にのぼっている。このなかで米軍再編に数千億円の血税を使い、そのためにサラリーマン増税から消費税引き上げなどの大増税をやり、そして公務員の人員削減、医療費の削減など、国民生活の破壊に拍車をかけようとしている。今月内には公務員の総人件費削減や政府系金融機関統廃合の基本方針をまとめることにしている。
 国と地方の税財政改革(三位一体改革)は4兆円の補助金をやめ、かわりに3兆円しか地方へ回さないという税源移譲にむけ、補助金カットをすすめている。先月には義務教育費国庫負担の中学分8500億円を廃止するなど教育の破壊を政府方針として決めた。それでも削減額が足りないといい、生活保護(生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助)と児童扶養手当で9180億円を削る案を出している。
 自民党行革推進本部は公務員削減目標を「10年で20%純減」と発表した。国家公務員(約43万3000人)は8万1000人純減、地方公務員(約308万人)は62万7000人純減を目標にしている。
 国家公務員は新卒者の採用抑制、地方出先機関の廃止、国立病院などを統廃合・民営化などで削減。地方公務員は市町村合併による職員削減と、給食センター、清掃、し尿処理、ゴミ、保育所などの公務を民間委託などで削減。営利優先では成り立たないため公務で保護されてきた事業を市場原理にゆだねる。
  政府系金融機関改革は08年度からの統廃合・民営化を進行させている。小泉首相は「役人に引っぱられてはいけない!」と諮問会議で机をたたいて叫び、商工組合中央金庫、公営企業金融公庫からの撤退を決定。国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、日本政策投資銀行、中小企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、国際協力銀行は、必要な機能だけを残し一つに統合する方向をすすめている。小泉首相は「一つでいい」といい、竹中総務相は「日本は8機関もあって不自然」と主張。中小零細企業が資金調達する道をとざし「倒産の自由」を与えるというのである。
 「郵政民営化」は日本郵政公社を07年10月1日に解散して株式会社化し、外資が株主として参入できるようにする。約350兆円にのぼる郵貯資金がアメリカの金融投機資本家の餌食となるのは必至である。
 医療制度改革は12月に結論を出すが、厚労省は国の医療費支出を抑えるとして、「65〜74歳までの高齢者を2割負担にする」「受診1回につき1000円を保険外患者負担にする」「療養型病院に入院した場合は食費と居住費を保険外にし患者負担にする」など患者負担増をうち出した。医者には医療保険から支払う診療報酬引き下げをうち出し、病院経営を圧迫する方向。医者と患者の対立をあおりながら、患者負担は増額し、医者への診療報酬は切り捨て、日本の医療をつぶそうとしている。

 税制は減税策切捨ても
 税制改革は増税と減税対策切り捨てが進行。谷垣財務相は消費税増税法案を07年にも国会に提出すると表明。増税幅は最低12%で近い将来18%という方向を明らかにした。酒税は「第3のビール」を増税。2006年度には電気やガソリンを対象にした環境税を導入し、年間3700億円(1世帯当り年間2100円)の税徴収も企む。地方への税源移譲にともない所得税(国税)をへらし、住民税(地方税)は増税する方向である。
 同時進行で定率減税(個人所得税は税額の20%、個人住民税は税額の15%減税)は07年に全廃。大企業を優遇する法人税率引き下げは据え置き、庶民の減税を廃止する。「公的年金控除、扶養者控除の半減」もうち出し、年金受給者、主婦、子どもたちへの増税に拍車をかけている。
 食料政策はアメリカから脅されて、狂牛病肉の輸入を年内にも再開することを約束した。国内の農漁業はコメ、オレンジ、牛肉などの「輸入自由化」以後、アメリカの危険な薬漬け食料を買いこみ、国としてはたすべき食料の安全供給も放棄する道に拍車をかけている。敗戦後の子どもたちはアメリカで家畜のえさとされていた脱脂粉乳などを食わされたが、毒をも食わせるというもので、日本人を家畜以下の屈辱的なあつかいである。
  「教育改革」は学校現場から教育をなくす方向ですすめている。「自由・民主・人権」「興味関心第一」を叫んできたが、先日も化学の勉強がよくできる子が、その知識を実験するため自分の母親に薬を飲ませたという事件が起きた。冷酷なよくできる子と、大多数は愚民にしようとしている。それは人民的、民族的な精神を失い、社会への批判的な精神を持たない安上がりな商品、兵隊をつくる教育である。
 敗戦から60年、日本はアメリカの植民地としてさらに屈辱的な隷属下におかれようとしている。経済で徹底的にアメリカに貢ぐ関係であるが、政治も外交も、文化も教育も、独立国としての外見すらも投げ出そうとしている。
 アメリカは軍事力によって日本を単独で占領し、かれらにとって都合がいいように社会構造を変えた。60年たった現在、米ソ二極構造が崩壊し、アメリカの腐朽と衰退が極度になるなかで、さらにアメリカの都合がいいように日本を大改造しているのである。かつての戦争で天皇を頭とする日本の支配階級は、戦争責任をみな軍部にだけなすりつけて、人民の反抗を恐れアメリカに救いを求めた。この売国反動勢力が、現在さらに輪をかけてアメリカのいいなりになって、日本民族の利益を売り飛ばしている。

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