トップページへ戻る

消費税10%で大企業減税
2025年には消費税17%も
               ワーキングプアからも搾る     2008年5月16日付

 財界と政府・自民党の消費税増税論議が激しさを増している。日本経団連・御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は、「御手洗ビジョン」で2011年までに消費税率を2%、15年までに3%上げて10%にすることを要求。福田康夫首相が議長を務める政府の経済財政諮問会議で、御手洗会長ら独占の利益代表4氏は、さらに2025年度には31兆円の増税が必要として消費税17%とすることを提言した。これを受けて福田政府退陣の“花道”として消費税率を引き上げる論までとび出している。アメリカいいなりの財界、政府の狙いは、貧困と失業の押しつけで、所得税の伸びはなく、消費税率引き上げで骨の髄までしぼりとることである。そしてアメリカの戦争の下請を担い、独占・大企業の減税を進め、米日の大資本だけが肥え太ろうとしている。
 額賀福志郎財務相の諮問機関・財政制度等審議会は4月18日、2009年度予算編成に向けた論議を開始した。そのなかで「国と地方の税源割合の見直し」に着手しているが、その中身は消費税率引き上げを前提に、地方消費税の積み増しで全国知事会など地方自治体側の要求をおさめ、同時に地方自治体を動員して消費税増税論議を盛り上げることを狙っている。
 自民党財政改革研究会会長で、同党税制調査会小委員長である与謝野馨前官房長官は5月8日、全国紙との会見で「今秋の税制抜本改革で消費税引き上げも真剣な論議になる。できるだけ早い時期の引き上げが必要だ」「(道路特定財源の一般財源化では)消費税も含めた税制の抜本改革が前提」と強調している。
 彼が会長を務める同党財政改革研究会は、2010年代半ばまでに消費税率を10%へ引き上げることを提言している。これは先の「御手洗ビジョン」とまったく一致している。
 与謝野前官房長官は「社会保障制度の維持にはできるだけ早い引き上げが必要」などといっているが、そんなところに本音はない。「御手洗ビジョン」が要求しているのは、法人地方税を含む「法人実効税率」を現行の約39%から30%に引き下げること、20%から10%に税率を軽減している株式配当・譲渡益への減税の延長である。
 米日独占・大企業の大もうけを保障し、米日の大資本家が株式配当や証券投機で肥え太るのを保障するためにほかならない。
 事実、消費税の導入、増税は、独占・大企業のための法人税減税のためであった。
 1989年、消費税を税率3%で強行導入。翌90年には法人税率を42%から37・5%に引き下げた。1997年には消費税率を5%に引き上げ、翌98年には法人税率を34・5%に引き下げ、99年には「定率減税」実施を口実に法人税率を30%まで引き下げた。その後、2003年には消費税収を上げるために最低課税限度額を年収3000万円未満から1000万円未満に引き下げ、零細商工業者から徹底してしぼりとった。
 消費税導入の1989年から2006年までの消費税収は175兆円。1990年の法人税率引き下げから2006年までの法人税収減少は160兆円。まさに、法人税率引き下げによって生じた税収の穴は、消費税収によって埋めている。

 高齢化社会の為と欺く
 財界と自民党政府が、「高齢化社会のため」「福祉のため」と宣伝して導入した消費税は、社会保障制度のためには使われなかった。そのため、国民皆保険の崩壊、医療の破壊、介護制度の崩壊、児童福祉、生活保護制度の崩壊はすさまじいものとなっている。憲法でも保障する「国民の健康で文化的な生活」、基本的な人権はないに等しいありさま。アメリカ型の市場原理による金もうけ効率一点ばりの政策で日本国力の再生さえも困難にしているのが、ありのままの現実である。
 財界と政府は、小泉改革のもとで、所得税、地方住民税などの大増税を強行した。その代表的なものが「定率減税」(所得税20%、地方住民税15%)の05年、06年での全廃である。地方住民税が8倍、10倍とはね上がり、大収奪への怒りは噴き上がった。この「定率減税」廃止だけで年5兆数1000億円の税収増を強行した。
 さらに、老年者控除廃止、公的年金控除の縮小をはじめ各種控除廃止・縮小による大幅な税収奪強化もすさまじい。またタバコ税、酒税と間接税による大衆課税強化も連続した。
 ところが、独占・大企業のための法人税率引き下げは、42%から30%へと12%も引き下げたままであり、大金持ちのための所得税最高税率も引き下げたままであり、「公平な負担」などと叫んでいる。
 独占・大企業の1996年度と2006年度の企業収益の増大を見ると、リストラによる正社員首切り、パート、アルバイト、派遣・請負などの非正規雇用への転換、減税策によって過去最高となっている。上場大手企業が六年連続で過去最高利益を更新していることは、周知の事実である。
 内閣府の国民経済統計によると、1996年と比較して2006年との間に、労働者・職員に支払われた人件費は11兆円も減っている。これに対して、株主への配当は7兆円増加。借入金返済の結果、利子支払いは18兆円も減らし、企業の内部留保(貯金)は、16兆円も増加した。
 消費税導入から20年を迎え、低所得層ほど重い負担となる逆累進課税であることは、すべての国民が身にしみて知っており、税率10%、さらには17%への引き上げを企む財界、自民党政府への怒りは沸騰している。

 国民の生存権すら奪う
 1000円の買物をして100円、170円の税金をとられる。下関市長門町の食品市場で買物をしていた年配の婦人は「国民年金から介護保険料、国民健康保険料を天引きされたうえに、消費税まで上げたら生活はできない。政府は、徳川時代の悪大名よりあくどい。若いものも自立できる仕事がない。ますます結婚もできなければ、子どもも産めない。アメリカにはいいなりに金を使う。日本を滅ぼす政府は辞めさせろ」と語気を強めた。
 対応していた生鮮食料品店の婦人は、「消費税10%になれば商売はやっていけない。いまでも消費は冷え、大型店に客をとられている。想像を絶する事態となる。何年も連続して史上最高利益を上げている大企業や株などでもうけている金持ちから税金をとれ」「アメリカに金をやることをやめろ」と強調した。
 財界と政府は国と地方の財政赤字が約900兆円と膨れ上がり「消費税増税やむなし」といっている。だが、この膨れ上がった赤字は、日米構造協議で10年間に630兆円の公共投資を約束し、その資金をアメリカが吸い上げ、バブル経済を支えた結果である。国債、地方債を乱発して、つくり出した累積債務である。
 引き続きアメリカのいいなりに、米軍再編に3兆円、在日米軍駐留費負担(おもいやり予算)に1400億円、アメリカ国債の際限ない買いこみとつぎこんでおり、アメリカ政府の閣僚にでもなったかの論理である。
 アメリカいいなりに、規制緩和・構造改革を進め、極度な搾取・収奪を強めてきた結果、2006年度民間給与実態統計調査によると、1年間を通して働いた給与所得者のうち、年収200万円以上が前年度比41万6000人増の1022万8000人にのぼった。また、2006年社会福祉行政業務報告によると生活保護世帯は1カ月平均で107万5820世帯におよんでいる。さらに総務省労働力調査によると、パート、アルバイト、派遣・請負などの非正規雇用者は働いている国民の3人に1人以上となっている。
 このため、所得税などの直接税では、税収の伸びを確保することができなくなり、大衆課税である消費税率の引き上げで税収をあげるのが狙いである。
 これは「社会保障制度の維持はペテン」というどころの話ではない。日本国民の生存権そのものを奪うファッショ支配・収奪である。
 アメリカいいなりで、際限なく搾取・収奪を強める財界と自民党政府に対し、「世直し」を求める世論と行動はかつてなく強まっており、「高杉晋作のような民衆革命の指導者」の出現を期待する声は渦巻いている。
 死に体となった福田政府が、米日支配層向けに消費税増税を「花道」にする論が出ているが、この売国・亡国の暴走は日本の独立・平和、民主・繁栄の実現をめざす広範な労働者、勤労人民の総決起を呼び起こすものとなるだろう。

トップページへ戻る