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詳細調査を抜き打ちで開始
中電・上関原発計画
            上関町民愚弄に怒り充満   2005年4月16日付

 【上関】 山口県上関町で、原子力発電所建設を計画している中国電力は13日、原子炉設置許可申請に必要な詳細調査を開始した。地質や地盤などの詳細調査に約2年、国の安全審査などが2年で、2009年度着工としているが四年後実現のメドはない。町民は「中電のパフォーマンス」だと冷静に眺めている。
   
 地元四代の住民にも知らせず
 中電は13日午前、かくれるようにぬきうちで建設予定地内のボーリングをはじめた。調査地点は、原子炉予定地から200bほどの陸地。ボーリング現場周辺は、高さ2bの柵で囲われ「まるで檻のなかにこもっているようだ」といわれる状況。この「檻」のなかで四代地区を常時監視している総合警備保障警備員50人余が警戒し、山口県警の機動隊など約100人も動員される厳戒態勢がとられた。作業は、周辺を祝島島民など反対派住民100人がとり囲むなか、約30分で終了した。
 今後、陸地で約60カ所のボーリングをすすめ、二井知事や町の許認可を得られしだい、海域のボーリングや地質構造の調査などを実施する予定としている。
 「調査開始」は、一般の町民はもちろん、町内推進派、地元四代地区の推進住民へも連絡はされていなかった。詳細調査の前段として町内では今年2月から、「説明会」なるものがされたが、一般町民はお呼びでなく、推進派にも商工会関係者にも声はかからなかった。参加したのは町議や中電からの日当目当ての町連協役員や一部推進派ばかりで、「既成事実をつくるだけが目的」「中電にとっては町民は目じゃないとバカにしている」と憤りが募っている。
 四代地区民の1人は、「土地さえ買えば、地区民に用はない。自分の土地でなにをしようと文句をいうなという中電の意志表示だろう。企業とはそんなものだ」と吐き捨てるように語った。
 年配の住民は、「立地点の地元ぐらい、みなに声をかけて説明するのが道理だが、一言もなかった。説明会も調査も町民はテレビを見てはじめて知る。中電おきまりの事後承認だ」と話した。
 別の男性は、「いまにもできるように騒いでいるのは新聞やテレビだけだ。調査とかけ声をかけるが、田ノ浦に行くまでの道は、まともに工事の車がとおれないし、海からといっても、大きな道具を山の上までケモノ道では運べない。分解して担いであがるのか。道路もつくらないのに、本格的にできるわけがないことは、地元の人間ならだれでもわかる。少し動かしては、のばしのばしだ。原発ができるまえに上関町は柳井へ吸収合併されて消滅している」と語った。
 中電の詳細調査開始は、町内推進派の切り捨てと同時進行ですすめており、責任のがれのためのポーズだけなのか、合併による上関町解散、漁協解散による好き放題状態待ちなのか、いずれにしても町民を愚弄していることだけはハッキリしたものとなっている。

 二井知事が積極的に許認可
 詳細調査を実施するには、海上での工作物設置や山林の伐採、道路占有などのさまざまな県知事の許認可が必要で、知事同意のさい「安全なうえにも安全を期して同意する」といった二井知事の対応が注目されていたが、県民の知らないうちにさっさと許認可をおろしていた。知事合意のときには、「許認可をしない」といった雰囲気を見せた二井県政は、「調査は、必要な関係手続きをへて開始された。環境保全にじゅうぶん配慮してほしい」とのコメントを出しただけで、化けの皮をはいで積極推進の姿をあらわした。
 二井知事は、岩国には米軍基地が空母接岸可能な港建設とあわせて滑走路二本が建設され、そこにアメリカの空母艦載機を誘致しようとしながら、隣接する上関町には戦時における最大の標的となる原子力発電所計画をいまなおつくるというのである。これこそ県民のみならず国民を愚弄するものである。
 このような原水爆戦争をひき寄せ、郷土を廃虚にする原発新設計画は、いい加減に白紙撤回をさせることが不可欠である。

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