トップページへ戻る

収束不能の危機続く福島原発
記者座談会 復興遅らせ核処分場に
                 県民犠牲に東電救う政府      2013年10月28日付

 福島第1原発事故から2年7カ月たつなかで、安倍政府は全国で原発再稼働の動きを強め、山口県の上関町でも新規立地の策動を続けている。だが、福島県内ではいまだに原発事故の収束のメドが立たず、大量の汚染水が漏れ出し、20万人近くが避難生活のなかにある。本紙は福島現地に記者を派遣して現地の状況を取材し、復興が遅れている要因と、そこにある全国共通の政治問題について、記者座談会を開いて論議した。
  震災から2年7カ月が経過した今回は、福島第1原発を中心にした太平洋に面した浜通り地域を中心に取材した。ほとんど今では報道もされなくなったが、マスコミの「がんばろう福島」のキャンペーンに腹立たしさを感じるほど、2年半もたって復興の実態はなにも前に進んでいない。その最大の足かせは、いまだに実態不明の原発事故だ。安倍首相が原発事故などなかったことのように再稼働とか、原発輸出といい、「コントロールしている」などと放言しているが、現場では毎日のように汚染水が漏れ出して、廃炉作業にも手がつけられず、全県的にも20万人近くが避難先から戻れない。まだ「復興」の入り口にも立てていないのが現状だ。
 原発作業員に取材すると、「東電も東芝や日立などのプラントメーカーも、だれもどうしたらこの状況を解決できるのかわかっていない」と口をそろえていっていた。はじめから地震も津波も想定していない「アメリカ東海岸用」としてつくられたゼネラルエレクトリック(GE)社製の原発であり、事故そのものが経験したことのない「未知の領域」だが、事故後の処理作業にあたっていた東電社員や、長年の経験を持つベテラン作業員たちは、とっくに被曝線量(年間50_シーベルト)をオーバーして現場を離れている。今は全国から集められた人人や福島県内の被災住民など3000人が働いているが、入れ替わりも激しく、ほとんど原発や放射線の知識がない素人が増えているという。人海戦術でガレキを片付けたり、汚染水処理に追われているが、素人ばかりでミスが頻発するのはあたりまえだといわれていた。

 原発処理のメドたたず 情報だけ「ブロック」

  現場はすさまじい被曝線量のようだ。核燃料がメルトダウンした1号機〜3号機では、格納容器内の現状を確認できたものは1人もいないが、溶け落ちた燃料は格納容器の底を突き破って、さらに地中に到達している可能性が指摘されていた。燃料は今も放熱を続けているため冷却水を送り続けているが、そこに地下水も流れ込んで、原子炉建屋にはそれぞれ1万d〜3万dもの汚染水が溜まっている。地下水が素手で触れないような放射性汚染水になって1日400dも流れ込んでくるのだから、原子炉に手のつけようがなく、毎日バキュームで吸い上げては1000dを貯蔵できる巨大なタンクに貯め込んでいく作業のくり返しだ。
 貯蔵タンクも1000基をこえており、原発敷地内の森林を伐採して場所を確保しているが限界がある。東電が「耐用年数は五年」といっていた鋼鉄製のタンクは、放射線や潮水によって浸食されてサビだらけになり、次次に水漏れが発覚している。漏れ出して堰に溜まった汚染水をさらにバキュームで吸い上げたり、別の場所に移送したりの泥縄作業だ。雨が降れば堰からあふれ出す。阿武隈山地からの水攻めに対して、被曝覚悟のバケツリレーをしているという感じで、「海に流れ込まない方がおかしいし、食い止めることなど不可能だ」といわれていた。
 東電や政府が汚染水対策の「切り札」としている浄化装置アルプス(東芝製)の稼働作業にかかわっている男性作業員は、「全部で八系統もつくられているが、タンクや配管の腐食や水漏れが連続して本格稼働にはほど遠い。稼働してもトリチウムは除去できないことがはじめからわかっているし、一gあたり何十万ベクレルもの放射性物質を含んだまま海に流せば国際問題になる。頭のいい先生もたくさんいるだろうに、スリーマイルでやったように気化させて容積を減らすなどなぜもっと有効な方法が出てこないのか」といっていた。
 アルプスは東芝製といわれているが、実際にはアメリカ大手のエナジー・ソリューション(ES)社が開発したもので「作業を指示する東芝社員でさえ扱い方をわかっていない。現場にGEやESの技術者の姿もなく、東芝社員も下請会社に運転方法を教えたら現場を去った」という。
 汚染水処理には、希硫酸などの化学薬品を流し込むためタンクや配管がすぐに腐食する。これをすべてゴムコーティングする作業に追われているが、このゴムもすぐに腐食するだろうという。さらに、汚染水から放射性物質を吸い込んだ吸着剤は高レベル核廃棄物になるが、樹脂製で腐食もしやすく管理方法も簡単ではない。楢葉町の倉庫にはアメリカから調達した一体数百万円ともいうES社の吸着剤が膨大な量保管されていて「あの会社はボロもうけだ」といわれていた。鳴り物入りで浄化装置を売り込んできたキュリオン社(米)などは創業五年のベンチャー企業で、汚染水処理の実績はまるでなかった。サリーという装置が採用されたが「放射性物質の除去能力がほとんどない」ことが判明しており、アレバ社(仏)製は配管が浸食されて使い物になっていないといわれていた。GE製の原発と同じで、アメリカから押しつけられたものを断れずにやっている印象だ。いい実験台として海外メーカーの食い物にされている。
  汚染水の遮水壁を担当している作業員もはっきり「不可能ですよ」といっていた。土壌に薬剤を注入して固めて汚染水が海に流れ込むのを遮断するというもので、安倍政府も370億円つぎ込むといっているが、「やらないよりはマシという程度。どこを流れているかもわからない地下水を薬で何年も遮断することなどできない」というのが現場の実感だ。工程表なども現場とは無関係の「社外向けのポーズ」でしかなく、実際のメドはたっていない。そして情報だけは「ブロック」されて、「コントロールしてますよ」「工程表通りに作業は進んでいますよ」とだけアナウンスされるので、これまで東電にだまされ続けてきた住民だれもが危険な状態だと感じている。

 原発収束能力ない東電 下請作業員も嫌気

  ガレキ撤去などは鉛を着て作業するのだが、放射線量が高く、すぐに線量計がピーピー鳴って交代だといっていた。清水や鹿島などのゼネコンが全国からかき集めてきた人たちが集団で入れ替わっていく。東電工業や東電環境エンジニアリング、尾瀬林業など東電子会社が統合して人を集めているが、6次、7次に及ぶ下請労働者には危険手当もなく、日当1万円程度の低賃金でやらせているといっていた。
 各原子炉建屋をはじめ、目に見えない立ち入り禁止スポットが無数にあるためうかつに動き回れない。爆発した3号機は人が近づけないのでクレーンを遠隔操作しながらガレキ撤去をしている。「3号機が爆発してから、青青していた周辺の松林が一気に枯れた」といわれるほど放射線量が高い。
 不気味なのは2号機で、格納容器が破れて、原子炉建屋では最大で毎時7万_シーベルトを計測している。70シーベルトになるが、一般的な致死量が4シーベルト、東海村のJCO被曝事故で亡くなった大内さんは15シーベルトだったのと比べても尋常でない数値だ。カメラ付きロボットを入れても電気系統が即座に侵食されてすぐに壊れるから原因を調べることもできない。4号機ではむき出しになった使用済み核燃料1533体が傾いたプールに入っているが、ここも線量が高くてとり出し作業は難航するとみられている。「原子炉の内部については憶測でしか判断できないし、手をつけるのはまだまだ先の話だ。政府は再稼働といっているが、この数年間に他の原発で事故が起これば、人員も足りず破滅的な事態になる」といわれていた。
  そもそも2年半たっても原発現場の状況が、東電を通じてしか明らかにされないのがおかしい。「コントロール」しているというのならカメラを常駐させるなどして国民にすべての情報を明らかにした方がまだ復興のめどが立つ。「機密保護」の先取りで完全な報道管制下におかれているし、汚染水漏れも、放射能漏れもすべて事後報告でしかない。原発事故直後にSPEEDIまで隠して住民を被曝にさらした反省もなく、運営も監視もすべて東電の手の内という隠蔽体質が続いており、それが福島全体の復興の見通しをますます暗闇に追いやっている。
  東電の「汚染水が漏れました」も毎日いい始めた。いまや津波どころか雨まで「想定外」という始末で、だれも手に負えないの一言に尽きる。大阪のあいりん地区などからも失業者を相当かき集めているし、北九州や下関の造船下請企業でも「福島に行ってみないか?」と誘いがかかるといっていた。不況につけ込んで全国から労働者を駆り立てて被曝させている。
  地元では東電のやり方に嫌気がさした中小企業が、だんだん離れたり、除染作業に流れる。日本人が足りなくなったら、東南アジアあたりから労働者を連れてきて働かせるのではないかといわれていた。日本が原発を輸出する、ベトナムあたりから研修生扱いとかで、ありうる話だ。

 農地も家屋も荒れ放題 町の構造自体が一変

  いわきから広野、楢葉方面に行くと、国道は作業員を乗せたバスやダンプが砂埃をあげて走っているだけ。田畑は除染廃棄物を入れた真っ黒い袋が山積み。道沿いには作業員を泊めるために企業がつくったプレハブ寮が建ち並び、食堂や旅館も作業員用に開業しているだけで、まるで戦場のような雰囲気だった。住民が帰ってこようにも「町の構造自体が一変している」「以前の町ではなくなった」といわれる。
 原発作業員や避難者がなだれ込んだいわき市は、事故後はたいへんな騒乱状況で、市民から語られる内容も生生しかった。ハワイアンのある湯本温泉や市内の旅館、ホテルやアパートは何千人もの作業員で満杯になって空前のバブルになったが、そのおかげで通常客は減り、地価や不動産価格は上がって市民生活は圧迫される。駅前の飲み屋街にも人があふれてワタミが何軒も出店するなど投機的な風潮になり、「正規の社員を下手に被曝させると労災問題になるから、暴力団がらみの企業が集めてきた人たちにやらせ、夜は酒と女で接待して口止めさせる。自暴自棄になって暴れるので市民とのトラブルも増えて、夜間の外飲みが禁止されたほどだ」と殺伐とした状況が語られていた。不況につけこんだピンハネと低賃金化も深刻化しているといわれていた。
 サンマやカツオ漁で栄えていた小名浜港では、原発事故から2年半も操業自粛で船は動かず、水産加工の設備も津波で壊れたまま復旧されていない。遠洋漁業は再開されたが、北海道や銚子沖など外海でとってきた魚でも水揚げ港が福島県内というだけで築地市場でも値がつかないから、船は他港につけるようになる。魚が出回らなくなって漁業基地としての町の火が消えたといわれていた。農業や漁業などまともな産業がつぶされ、原発処理に注がれる金や補償金で変なバブルが生まれ、そこに東京から投機的な業者が進出してくる異常な経済構造になっている。
 C 政府が「避難指示解除」といっている広野町や第2原発のある楢葉町、富岡町でも、2年半も住民を入れさせなかったおかげで農地も家も荒れ放題で手がつけられない。空き家を原発関連企業が買い上げたり、借りたりして作業員の宿舎にし、帰ってきたお年寄りを掃除やまかないなどで雇っていた。若い人は帰ってこないし、商店や病院など町としての機能が破壊された状態で、「帰れるのだから補償を切る」という東電や政府の無責任さに怒りが強かった。
 補償金の配り方もおかしいといわれていた。帰還困難地域や居住制限地域の避難者には、東電から毎月1人あたり10万円の精神的慰謝料が支払われ、5人家族なら年間600万円になるが、それが5年分一気に支払われている。ところが帰還して復興に励む住民への補償は切られるため、帰還という選択肢がますます薄れていく。金を渡して離散を促し、復興に向かう住民はなんの後支えもなく放置されている。
  北部の南相馬市では市内に戻ってきている8割以上が65歳以上で、若者不足が深刻だった。就労者がいないので職場が成り立たないし、医師不足、看護師不足で病院も入院ができなくなったり、閉鎖したりしている。小児科医がいないので余計にでも若者が帰ってこないといわれていた。石神第1小学校は、今まで1学年50人近くいたのが来年度の新入生は5人で、「5年、10年先の展望が描けない」。高齢者たちが住民グループを立ち上げて除染作業をはじめたり、なんとか元の生活をとり戻そうと必死に努力しているところだが、浪江町や南相馬市小高区は汚染ガレキのもって行き場もなく、放置されたまま1年前と何も変わっていない。「原発のおかげで故郷を殺されたようなものだ」とみんな歯ぎしりするような怒りがある。「東電にクレーンで突っ込んでやりたい思いだ」と本気でいう人もいた。

 一次産業潰し土地奪う 放射能騒ぎ煽り

  実際には農業も、ほとんどのコメから放射性物質は検出されていない。政府が食品の放射能基準値を1`cあたり100ベクレルに厳格化し、マスコミは過剰に放射能の恐怖を煽るばかりで、東京など都市部に行けば行くほど「福島」が敬遠される風潮がつくられているから、コメでも魚でも加工品として業者が安く買い叩く。広島でも長崎でも比べものにならないほどの放射能汚染からの復興をしてきたわけだが、そういう経験は封殺されている。南相馬の農地は東芝などの太陽光発電のソーラー基地として買収されるなど、放射能騒ぎによる第一次産業つぶしと土地とりあげがセットだ。
 A 安倍が「毎日福島県産の米を食べている」とか、小名浜港に行って魚を食べたりするパフォーマンスをするが、実際には核廃棄物の最終処分場づくりに最大の力を払っているようだ。町の復興や住民生活などどうでもよく、処分場候補地になっている大熊、双葉などでは着着と最終処分場の用地交渉が始まり、「公表しないだけですでに青写真はできている」といわれていた。地盤が固いことから数年前から国がこっそりボーリング調査をしていた飯舘村でも、除染作業を遅らせて住民を仮設住宅に押し込めたまま、放射性廃棄物の焼却施設の建設だけが決まった。「政府は戻れといいながら、戻れないようにしている」という声は強い。
 B 県内の仮設住宅も回ったが、震災から二年半もたって仮設暮らしは過酷さを極めている。今も10万人近くが仮設住宅や借り上げ住宅に暮らしているが、精神的にもまいっていて、30代の孤独死や自殺も増えている。寄る辺ない高齢者が圧倒的に多く、壁1枚で仕切られた1人4畳半のスペースがあてがわれている。「もう死んだ方がまし」とか、「帰って農業をしていた方がまだ長生きできると思うが、町が動かなければ帰ることもできない」と語られていた。着の身着のままで生活基盤を追い出されたまま戻れる見通しがなく、「オリンピックは2020年が目標になっているが、福島は見通しも立たずにますます置き去りにされていく」といわれていた。上関原発計画のことを伝えると「絶対につくらせてはいけない」「原発は金でがんじがらめにして最後はすべて奪われるぞ」とみんながいっていた。
  2年半もたって町をまともに復興させるという状況にはなっていない。動いているのは原発廃炉のための基地化だし、核廃棄物の処分場として奪いとるコースだ。安倍政府は「原発で外貨獲得」などといってトルコやベトナムと原発輸出の協定を結んだが、トルコ政府は原発運転管理にかかわらず、廃炉も廃棄物処理も日本側が負うという。事故を起こせば日本政府に請求書が回ってくるし、廃棄物は全部日本に持ってくるという約束になっている。「世界のゴミを日本へどうぞ」だ。だから第一次産業の復興や住民の帰還など関心外だし、放置政策を続けている。

 未だ米国の要求丸のみ 事故当事者処罰せず

  これだけの事故を起こしながら当事者がだれも逮捕されないし、責任すらとらないということが相当な怒りとなっている。オウムの麻原がサリンをまいて死刑になったが、放射能をばらまいてはるかに社会に迷惑をかけ、人命をはじめばく大な個人財産を奪った東電は税金を注入して守られる。地震列島であり、想定できるものを想定せず、事故後も恣意的に情報を隠して被曝させたわけだから明らかな人災だし、過失罪だ。それがいまだに株式上場企業としての立場を守られ、福島県民の生命・財産と財務収支とを天秤にかけながら廃炉作業をしている。東電は全財産を没収されなければいけないし、「安全神話」を振りかざして原発を推進してきた自民党をはじめ歴代総理も腹を切らなければ筋は通らない。
  管理も運営もできない連中がなぜ原発をやるのかだ。この2年で原発がなくても電気が足りていることが暴露されてしまった。はじめの計画停電などの騒ぎはなんだったのかということだ。アメリカ専売特許の原発技術を日本に運用させてもうける日米原子力協定があり、アメリカは事故をしても日本に原発推進を迫っている。未確立の核燃料サイクルをやらせるのもすべてアメリカの要求で、元国務長官のアーミテージらが「事故ぐらいでガタガタいわずに原発推進を続けろ」「2流国家になってもいいのか」と対日報告書まで出している。原発輸出も日本の責任でやらせて、アメリカの企業がもうけるためだ。何十万人も避難させておいてこれを丸呑みする政府は、一体どこの国の政府かということだ。
  原子炉もアメリカ製なら、廃炉作業も含めてアメリカの技術で食い物にされている。化学雑巾といって赤ん坊のおむつのような布で拭き取っていて、あれが最先端技術か? という感じだが、事故をもっけの幸いにして、実証されたこともない装置まで大金かけて買わされている。最近、アメリカ・エジソン社が運転する三菱製の原発が蒸気発生器の配管を破損し、「製造者責任」で賠償金を日本に請求しているが、福島で大事故を起こしたアメリカ製の原発についてはGEを追及しもしない。原発についてはすべてアメリカの要求丸呑みだ。

 安倍売国奴政治の象徴 資本主義の末期症状

 D 政府や電力会社は、伊方や玄海など日本中の原発の再稼働をやる方向だが、2回でも3回でも同じことを繰り返すということだ。新安全基準というが、従来の基準に耐震補強や防潮堤、ベントなどの追加案をくっつけただけで事故を起こした場合の汚染水処理や住民避難の想定はまったくない。
 安全基準というが、従来手続きの追加案みたいなものでは話にならない。上関原発計画を見ても、これまでのすべての手続き、同意は無効でありやり直しだ。「地元」の範囲も2市7町では済まない。四国電力の伊方原発も35`に上関の八島が含まれるといっているが、事故を想定するなら山口県、広島県をはじめ瀬戸内の全自治体から豊後水道を隔てた大分県に至るまでの同意は必要最低限だ。事故になればみんな叩き出されることになる。
 上関原発でも、町内に避難道路はないし、離島は時化たら船が出られない。「事故が起きたときに祝島の島民400人を一気に避難させるようなことなど保安庁でもできない」といわれる。台風で土砂災害が起きた伊豆大島でもお年寄りの避難は大ごとだ。寝たきりの人もいれば、杖をついて避難する人もいる。放射能汚染の場合、祝島や上関の高齢者をどうやって安全に避難させるのか説明が必要だ。来年は町議選だが、原発推進を叫ぶ議員はしっかり説明しなければいけない。
  福島原発大事故で放射能を垂れ流したうえ、農民からは土地を奪い、海を汚染して漁業を潰し、こうして1次産業をぶっつぶしておいて仕事のない労働者に低賃金の被曝労働を押しつけ、故郷は永久的な核のゴミ捨て場にする。そして社会全体に大迷惑をかけた東電みたいな犯罪企業や株主、バックの銀行は国が税金を注いで救済する。国というものが国民の生命・財産を守るものではなく、一握りの独占大企業の道具になっている姿を見せつけている。
 この福島の現実は、TPP参加によって日本の農漁業をぶっつぶし、製造業も海外移転で国内からなくしたうえ、外資が日本市場に乗り込んでくることを見越して、「企業が世界で一番活躍できる国にする」といって法人税減税をやり、社会保障は切り捨て、解雇自由の奴隷労働をやらせるというお膳立てを整える安倍政治の象徴だ。そのうえ、日本列島に五四基もの原発を抱え、上関では新規立地まで狙いながら、すぐそばの岩国は極東最大の核攻撃基地に増強し、米軍の下請で戦争をやる「集団的自衛権行使」などを主張して、対中国戦争でみずから進んで核ミサイルの標的になり、日本列島を原水爆の火の海にしようとしている。原発はこうした売国奴政治を打ち砕く全国的な政治斗争によって、完全に葬らなければならない。
 D 資本主義の末期的な症状が東北被災地に露骨にあらわれているし、その矛盾はいまや最終的な爆発点に近づいている。日本社会の立て直しにとって、原爆投下から続くアメリカの日本収奪との対決は避けられないし、生産力や社会的利益・公益を破壊して暴利をむさぼる独占大企業、その代理人である安倍政府とたたかう全国的な基盤は広がっている。人人の意識の歴史的な大転換が進んでおり、統治能力を崩壊させる支配者にとってかわる生産人民の下からの団結と共同の力の大結集が現実的な課題になっている。


トップページへ戻る