トップページへ戻る

体験者に学び束ねる運動に衝撃
沖縄高校生『原爆展物語』感想
                本土も沖縄も同じ苦しみ     2011年11月28日付

 劇団はぐるま座は10月、沖縄県の浦添商業高校、向陽高校、那覇高校の三校で『峠三吉・原爆展物語』の学校公演をおこない、あわせて約3000人の高校生と教職員が観劇した。最近劇を見た感動をつづった高校生たちの感想文が大量にはぐるま座に送られてきた。そのなかからいくつかを紹介したい。
 
 戦争や米軍の見方変わった

 ▼戦争に対して強く訴える演劇でした。体験者の湧き上がる思いが強く感じられました。沖縄で戦争が終わった後になって、米兵が今まで人を殺していたのが急に食べ物をくれたこと、今さらになって助けることに体験者の怒りが納得いきました。そしてアメリカの戦略でこの戦争が起こってしまった。展示されている物のなかで、子どもが血まみれになっている写真もありました。本当に戦争が終わるために原爆は必要だったのかということは、アメリカは現在でも戦争をしているので説得力に欠けると感じました。私たちの目からは、体験者がどんなつらい状況にあったのか、想像はできません。たとえ語ったとしても、実際に見てみないと本当に理解できないと思います。しかしこれを訴え続けなければ、また起こる可能性だってあるのです。私たちはそのまま受け取るのではなく、後世の人にも伝えなければならないことを感じました。(3年生・女子)
 ▼私は沖縄で生まれ育ってきたので、小さい頃から沖縄戦についてはさんざん聞かされてきました。しかし広島・長崎や日本本土のことについてはあまり聞く機会がありませんでした。それが、今回の演劇を見て日本本土の人たちも同じような苦しみを味わってきたのだと知りました。“戦争は始めるといってすぐに始まるのではない。気づいたら戦争になっている”という劇中の言葉に深く気づかされました。今の日本は自衛隊の海外派遣や沖縄の基地問題などでアメリカのいいなりになって戦争に近づいているような気がするからです。メディアなどではアメリカ擁護の報道で、私たちの意識の中に、“アメリカが正しい”という意識が植えつけられていると感じます。沖縄に生まれた私たちだからできることがあるのではないかと思いました。(3年生・女子)
 ▼最初、戦争の劇って抵抗がありました。体験談で聞いた戦争があまりにも酷で、それを劇でやるなんて…と思っていたけど、始まってみたら、戦争中ではなく戦後の活動にスポットライトを当てていて新鮮でした。いつもは楽しい! とか悲しい! とかただの感情だけで見てるけど、TVが真実伝えてくれなかったら、現地の人たちは悔しいだろうなとか、“原爆”って久久に聞いたな、忘れちゃダメなことなのに…って考えさせられながら見ることができました。アメリカは沖縄に相当ひどいことをしてきているんだということを知りました。今まで客観的にしか戦争について考えたことなかったけど、沖縄県民として、もっとおじい、おばあの気持ちが分かるように努力したいと思います。(3年生・女子)
 ▼平和学習というと、いつも現代の平和がどうだとか戦争でたくさんの人が死んだとか、戦争が悪い、日本兵が怖いと、何度も聞いたことがありましたが、今日聞いた話はそれとはまったく違っていました。私も沖縄の人間なので、日本兵はひどかった、兵隊に自決するよういわれたというような話を知っていたのですが、実際の体験者はまったく違う感想を持っていたのですね。「自決をしろといった上のやつらは腹も切らない」「目の前で両親を殺したアメリカ兵を許せない」。今まで聞いたことのない実に心のこもった切実な言葉でした。この劇はぜひ野田総理に見せていただきたいです。沖縄の人がどれだけアメリカ兵を憎んでいるか、わかっていただけると思います。(3年生・男子)
 ▼はじめ広島原爆の運動をしようとしたが、市民から受け入れられなかったが、熱心な呼びかけと忍耐で最終的にわかってもらい、現地の人からも話を聞き、新たにわかったことや改めて感じたことを織り交ぜて、私たち生徒に、原爆とはこういうものだ、戦争とはこういうものなんだということを訴えかけていた。今でも戦争のことをいえない、話したがらない人が、こういう原爆運動の展示会を通して話すことができ、とても良い活動だと思った。峠三吉さんの意志を受け継いで、日本中で公演をおこない、今の世代の人人に戦争のことを伝えることは、非常にすばらしいことだと思います。ぜひ、これからも続けていってほしいです。(3年生・男子)
 ▼私たちが知っていたのは戦争の表面上のことだけだったんだなと思いました。被爆した人たちの話を劇を通して知ったり、原爆展運動の人人がどれだけ苦労して活動してきたかなど、様様な面から広島や長崎の原爆投下のことや、沖縄戦のことを見ることができ、とても貴重な体験をすることができたと思います。最後に韓国人の人から寄せられた手紙に、原爆投下を謝ることができない国が世界平和を唱えるのはおかしいといっていたのが深く印象に残りました。私たちも知ることをやめずに、戦争についてもっと積極的にとりくむべきだと思いました。(3年生・女子)
 ▼10年間にもわたって続けられた運動は、日本どころか世界、そして対戦国であったアメリカの人までもがこの活動を推進するという人のつながりを感じました。戦争の悲しみは消えることはありませんが、それを一生起こらないようにその思いを忘れないことはできると思いました。(3年生・女子)
 ▼とても力強いなー!!と思いました。表情豊かで、こっちによく伝わりました。原爆については、中学のころ資料館に行ったのでよく知っていました。しかし、この資料をもとにこの先どうしようなどとは考えなかった私ですが、はぐるま座さんたちの劇を見て、「戦争について学んだら、その後どうするかが大切なんだ!!」と思いました。劇も最後、明るくまとめてて、とても感動しました。(3年生・女子)
 ▼迫力がすごかった。被爆したこの地から、行動を起こさないとという言葉を聞いて、それは地上戦が起こった沖縄も同じかもしれないと思った。自分の意見を思ったり、いったりするだけでなく、大衆の意見や思いを聞き、行動を起こすことの大切さを知りました。(3年生・女子)

 伝わってきた憤りや悔しさ TVが伝えぬ真実

 ▼私にとって、戦争といえば、「沖縄戦」で、今まで「65年前の戦争で、沖縄だけが被害を受けて、辛い思いをさせられた、している」とばかり思っていました。しかし、それはただ単に「沖縄戦」のことだけしか知っていないだけで、原爆が投下された広島・長崎をはじめとする他所でも辛いことがあったのだということに気づきました。そして、その真実を伝える、伝わるまでにも約10年間もの年月をかけて懸命に活動した人たちがいたということに感動しました。日本に勝ち目がないとわかっていても戦争をやめず、そしてそのことによって、戦死者数は3倍も増えたということや、なくなった人の多くはマラリアや餓死などが原因だったということに驚きました。(2年生・女子)
 ▼この劇を見て、自分が今まで知っていたこととは違う事実があることを知りました。アメリカは無抵抗な人に対してはなにもしないと思っていました。けれど、アメリカは女性や子どもしかいないとわかっているのに、銃を乱射したり、海に飛びこんだ人に向かって平気で銃を乱射していたと聞いて、とても衝撃を受けました。私はアメリカに対する見方が変わりました。アメリカは日本のためといって、基地をつくって日本にいるが、もしかすると私たちがアメリカ兵として戦場に送り込まれるかもしれないと思いました。テレビや新聞の情報だけでは信憑性がないから、体験者に話を聞くことが大切だと思いました。(2年生・男子)
 ▼劇では、今まで真実を語れなかった人人の怒りや憤り、悔しさ等が伝わってきた。また、沖縄戦以外の東京、大阪、広島、長崎、そして下関などの戦争体験を聞いて、今まで「沖縄は本土の捨て石になっていたんだ」と思っていたけど、そうではなく、本土でも戦争の犠牲になったのは市民の人人で、沖縄と同じだと思いました。そして今、沖縄が米軍基地問題と戦っているのと同じように、長崎や広島でもそれぞれ頑張っているのだとわかりました。この問題はどれも絶対に負けられない戦いだと思うので、協力し合って理想を実現させて欲しいと思います。(2年生・女子)
 ▼広島と長崎とは同じ気持ちをもっていて、原爆を投下された国の意見が世界にとても強い影響をもっているので、沖縄を入れたこの3県が日本のなかで強い団結を持てばアメリカのいいなりにならない、自分たちの主張をできるようになると思う。(2年生・男子)
 ▼活動をしている人の苦悩や頑張り、そして全国への広がり、主観だけではなく大衆の視点に立った活動が力があるというのがわかった。(2年生・男子)

 日本担う私達の為できた劇 日本中に見せたい

 ▼今日の公演を見て、今まで同じような視点からでしか戦争について学んでいなかったことに気がつきました。広島や長崎に原爆が落とされたのは、被害者の方には悪いですが、少し「戦争を終わらせるためには仕方がなかったのではないか」と思っていたし、沖縄戦に関してもアメリカ軍よりも日本軍の方に嫌悪感を抱いていました。しかし、今考えてみれば、私は教科書や新聞、テレビなどメディアや国から与えられた情報をうのみにしていただけでした。実際体験したわけではない人が伝えられる事実なんてたかがしれています。体験者から事実とともにそのときの気持ちをしっかり受けとめていくことが大切だと、それが平和について考えるための第一歩だと気がつきました。死亡者の数やそのときの状況など第三者目線で書かれた物を受け取るだけでは本当の戦争を学んだということにはならないと思うのです。だからもっと多くの体験者の話を聞き、戦争の事実だけではなく、その人の気持ち、平和への願いも受け取っていきたいです。(1年生・女子)
 ▼原爆の話と聞いて、僕が想像していたのは戦争終結直後の日本についてでした。しかし実際は10年前の広島から始まった原爆展で、戦争体験者がみずから重い口を開き、今の日本を変えようとする姿でした。現実感のあふれた芝居がだんだんと本当に体験者からお話を聞いているようで、胸が苦しくなりました。僕は今までの平和学習で、戦争の悲惨さばかりしか見ていなかったことに気づきました。その裏にあった考えや真実を知り、政治家や国がやってきたことを考えると、「見えない戦争」は今でも続いているんだと思いました。もっと戦争を身近に感じられ、戦争をもう引き起こしてはいけないと強く思う機会になり、今日はとてもよかったと思っています。(1年生・男子)
 ▼これまで自分や父、母が考えていた「沖縄戦における米軍」のイメージをひっくり返すほどの無惨なことを米軍はしていたということに対して、アメリカが自分を正当化して日本の新聞、政治等を率いていることに怒りを感じました。東京空襲でニタニタしながら住民たちを焼き払ったり、逃げる日本兵を射殺するなど、人がやることなのかとゾッとしました。他にも新聞や政府等の上の人らが戦に出された兵士を「加害者」とよんだりして、アメリカにおべっかをつかっているのもびっくりしました。原爆展運動は戦争の真実を伝えるのに大切だと思った。長崎や広島の人たちの長年の苦しみがよく伝わってきた。(1年生・男子)
 ▼現代の日本を担う私たちのためにつくった劇であった。ところどころ、私たちに問いかけるようなセリフがとても心にズキッときました。この劇を通じて感じたことは、やはり自分が一番に変わらないと周りが変わっていかない、自分が先頭に立って皆をひっぱっていかなければならないということを感じました。この劇を日本中、いや世界中の人人に見せてあげたいと思いました。(1年生・男子)
 ▼素晴らしかった! 戦争について、いろんなことを考えることができた! 小さな団体の強い意志が国を変えることになるなんてすごいなー!って思いました。(1年生・女子)


トップページへ戻る