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土地売却狙う「反対」候補惨敗構図
上関町議選・種尽きた謀略仕掛け
              町民再結集が勝利の内容     2006年1月17日付

 中国電力の上関原発計画をめぐる町議選の争点が次第に浮き彫りになっている。選挙はどこからどう見ても「反対派」候補の惨敗構図である。「反対派」幹部が推進派に寝返ったり、漁業権の売りとばしをやったりして推進行動をしてきたことから、反対町民が見放すのは当然のこととなっている。外村氏は推進派の看板で出て支持してきた人人の恨みを買っている。山戸氏なども推進派の期待を受けているのは明らかであり、推進派として出るのなら理解できるが、やはり「反対派」として出るというので、町内では「理解できない行動」との驚きが広がっている。今度の選挙構図の狙いは何か、町民はどうすればよいか考えてみたい。

 あきらめ煽り中電の障害取り除く魂胆
 「反対派」の選挙は、惨敗するために出るようなものである。推進の行動をした以上反対の町民の票はいらないということであり、推進派から票をもらう以外ない。それでは負ける以外にない。原因は自分が推進をしたからであるが、これを町民の反対が崩れたと騒いで、「あきらめ」をあおり、漁業権放棄につづいて共有地裁判の取り下げをはじめ、原発用地の土地売り飛ばしなど、一連の中電にとっての障害をとり除こうという浅はかな魂胆が見える。
 上関原発問題をめぐっては、昨年末の突如とした祝島漁協の合併承認決議という24年の壁を突き崩したことを受けて、四代地区の共有地裁判について取り下げたり、わざと負けを仕組むことが考えられる。さらに、いまだ計画地の2割にのぼる四代、白井田の反対派の土地を買い占めるかどうかが、手続き上の焦点としてある。
 祝島漁協の反対崩しは、二井県政の大がかりな配置のうえでやられた。自民党林派がやった信漁連の200億円もの預金の食いつぶしによる破たんを利用して、全県の漁協を押さえつけながら、1994年、祝島漁協に四代田ノ浦の共同漁業権の放棄をやらせ、環境調査に道を開いた。そしていま、信漁連問題の延長で県一漁協合併を仕組み、「山口県中がやることだからやむをえない」という形で祝島漁協を合併に参加させ、漁業権を放棄させ、原発を認めさせるように追いこんだ。
 昨年、中電のボーリング調査で、「中電が泥水を流している」ということで、県に雇われたスナメリグループが突如騒ぎ、副知事や、柳井の推進派・長谷川県議などが「けしからん」と騒いで見せた。二井知事はあたかも原発に嫌気がさしているかのようなタヌキ芝居をしながら、その煙幕の裏で祝島漁協の合併誘導に全力をあげていたのである。
 祝島漁協は合併によって解散し、独立した法人としての交渉資格を放棄し、漁業権の放棄、とりわけ今後港湾建設や、航路、警備区域確保のための漁業権消滅を必要とする四代地先沖合の八漁協共同漁業権について明確に放棄するわけである。
 また7漁協がやった漁業補償交渉を無効とする裁判を取り下げることを決めた。裁判を取り下げることは、漁業影響補償として出た200万〜300万円程度の補償金を受けとって分配する意味とみられる。しかし四代と比べて一けた少ないハシタ金で承認するとも思われず、県内漁協からは経験から見て「中電の金がまかれた」というのが常識となっている。
  24年、反対の拠点としてがんばってきた「祝島が崩れた」というのは、全町、全県に衝撃を与える出来事となった。地権者がいる四代では、地区共有地裁判の原告である老婦人が正月以後、同じ原告仲間にもなにもいわないまま、突如として子どもたちのいる都会に連れて行かれたことが話題になっている。四代の地権者のところにも、まったく相手にされないながらも、中電側からは「土地を売れ」という働きかけが動いている。祝島の崩れが、中電を調子づけているのである。

 惨敗演出で動く「反対」候補 推進して撤回もせず
 そして今度の選挙で、他の漁協と比べたら半値以下の魚価、20円以上の油代などで漁業で食えなくし、祝島漁協の欠損金をつくり、協同組合解散、漁業権放棄を導いた山戸貞夫氏が、なおも「反対派」の看板で選挙に出ることが、全町では信じられないことと受けとめられている。
 「オレが反対派といえば反対派なのだ」といっても、世間はそうは思わない。いまどきは「オレが非戦斗地域というから非戦斗地域だ」という首相もいるぐらいだからこういう論法は珍しくはない。しかし、反対なら反対と一本気でスジをとおすことを日本人の美風と心得ている一般の町民から見ると、山戸氏が選挙に出たいのならば、今度は推進派の看板で出るのがスジである。このスジがとおらないのが中電原理主義選挙である。町に平気で人をだます連中がはびこってまことに住みにくくなったのである。
 推進をやって、それを撤回するのではなく、出るというのでは、反対の町民の支持がないのはやむをえないことである。これは反対派の指導部の崩れ、「反対派」候補の惨敗をもって、町民全体の反対派の大惨敗を演出するのが意図的な狙いとなっている。それによって、いっきに全町、全県で「あきらめ」をさそい、残る手続きである土地問題などで買収を完了したいというのが中電や二井県政の、今度の町議選におけるもくろみであると思われる。しかし、いくら「反対」の看板をつけていても推進をやったものが惨敗するのは、反対の力が崩れたのではなく、町民の反対の力がいかにまともであり、強いかを証明するものとなる。
 
 土地売却狙う暗躍 「崩れた」と騒ぎ売り飛ばす手口
 四代などの反対派の土地の多くについて、10年ほどまえ、山戸氏や上杉町議などの働きかけで、「地権者だけでは頼りにならない」「頼りになる顔ぶれを入れる」といって、共有地として名義がえをしている。亀田さんの土地を例に見ると、河本広正、清水敏保氏などの名義になっている。長男も河本氏も死去、相続人となる推進派になった河本氏の義息と清水町議が亀田さんの意志を裏切らないという信頼はない。
 これらの共有地名義となったいくつもの土地に、山戸氏をはじめ祝島の十数人、下関などの長周新聞嫌いの「ネットワーク」メンバーの名前、広島の被爆二世の会や中電の組合関係者など旧社会党系の名前がある。現広島市長の秋葉氏の名前もある。いわば「山戸崇拝者」をおもにした数人から100人ほどがそれぞれの土地に名義をつらねている。売り飛ばすとなると、「オレオレ詐欺」どころでない詐欺商法となる。山戸氏からは「そんなことは絶対にない」という言葉を聞いたことがない。
 この間の反対派切り崩し策動はつぎのような展開をしてきた。中電が柏原町長態勢へ移行する過程で、山戸・岩木氏側から河本広正氏を排除して、指導権をみな握ろうという攻撃がはじまっていた。その途上で河本広正氏の突然の死去があり拍車がかかった。風呂屋の湯船での不可解な死に方であったが、それは原発問題にとって大きな意味を持つこととなった。河本氏が蓄えてきた選挙名簿が岩木町議にわたり、長島側の反対の会の指導権が加納一族である岩木氏に移ったのである。町長選挙では推進派側から遺族会員など「隠れ反対派」といわれる人たちがえもいえない圧力を受けた。
 同時に山戸氏や岩木氏側からは外村勉氏にたいする「反対派」議員としての排除がやられ、そして外村氏は恥も外聞もなく推進派に転向。圧力をはねのけて支持してきた町民を中電に売り飛ばした。「山戸憎し」をつくって、中電、推進派が働きかけて推進派に持っていくという、中電が二四年まえから使ってきた手口である。ちなみに外村氏の推進派登用は反対派を落胆させ切り崩すための使い捨て要員であり、推進派の票が集まる要素はない。
  河本氏の義息が父親の広正氏の意志を裏切って推進派として活動をはじめた。そしたら、祝島の山戸氏側と上関の岩木氏側から「室津が崩れた」という騒ぎが起きた。「室津が崩れた」といっているかげで、上関の岩木氏周辺、祝島の山戸氏周辺が大崩をしたわけである。自分たちが崩れる理由づけ、責任転嫁のために、「室津が崩れた」と騒いでいたのである。それは「祝島が崩れた」で拍車をかけ、そして町議選で「反対派候補が惨敗した」という結果をもって、安心して売りとばしをやるパターンとなっている。
 しかし祝島のなかから「反対を貫け」という声が強く、それを反映して、漁協欠損金にあてるといったん決めた環境調査の補償金の受けとりは拒否することとなった。室津でも上関の岩木氏のとり巻きなどがいまも盛んに「河本一族が崩れた」と騒いでいる。崩れているのは外村氏と河本氏の義息の二人だけである。地域の柱となってきた河本氏の一族は、周辺の噂にとまどいつつ反対姿勢になんの変わりもない。むしろ人が見てもはっきりする行動をとろうとの話もされている。
 「反対派」候補が引き続き反対派として認められたければ、祝島の漁協合併議決を撤回するのかどうか、山戸氏のインチキのいいなりになってきた態度を改めるかどうか、岩木氏などは選挙母体の柏原町政の与党体質をどうするのかの説明をしなければならない。
 
 町民団結回復の好機 追いこまれたのは中電
 今度の選挙で惨敗するのは、反対のふりをして推進をしてきたインチキな議員ら幹部である。それらの惨敗は町民の反対の力の惨敗を意味するものではない。むしろ中電の言いなりにならない町民の団結にとってきわめて有利な条件をつくることになる。原発の推進というのは、具体的には漁業権の放棄とか土地の売却などであり、それは反対派が崩れるかどうかである。中電にとってほんとうの推進派はかならず「反対派」のなかに必要なのである。推進派はそれを口をあけてまっているだけである。したがって、インチキ反対派がとり除かれたら推進派もなり立たない。
 この「反対派」議員の崩れは、町内で中電の後について踊るものがいなくなり、推進派の瓦解がひどくなっているからこそ起きている。町民の推進派離れはきわめて顕著なものとなっている。地域振興どころか人が住めない町にしてしまい、町民のためとか郷土愛とは縁もゆかりもなく、もっぱら自分のもうけのためだけで、町を売り飛ばしてきたことが深い怒りを呼んでいる。
 反対派の仮面をかぶった推進派が反対の町民から見放されるのは当たり前だが、推進派の顔をした推進派についても、原発離れの町民からの青ざめさせるような行動があらわれることが予想される。
 町民がもう原発は終わりというところまでの力を示したならば、反対派の格好をした幹部の方から売り飛ばしが働き、せっかくの苦労が水の泡になって、振り出しに戻る、という経験をつづけてきた。今度もそのパターンであるが、しかしいまや最後の切り札を使ったことになる。これらのインチキが破綻するなら、町民主権回復、分断されてきた町民団結、中電の撤退をもとめる町民の力を再編するチャンスである。
  したがって選挙は、推進の顔をした推進派と、反対派の面をかぶった推進派のどっちがどれだけ勝つかは、中電の手のひらのなかの問題となっている。問題は、推反の両方の候補を使った、町民のあきらめをたくらむ中電の計画を吹っ飛ばすこと、町民をだまし、町をつぶしてきた中電主導の売町政治を、だれが見ても震え上がらせるような町民の力を結集するかどうかである。その端的な尺度は、四代などの地権者が安心して土地を守るような全町団結の力を見せつけるならこの選挙は勝利である。
 その意味で中電を完全な行き詰まりに追いこむ一歩手前にきているというのがもう一面からみたいまの局面である。ほんとうに追いこまれているのは中電側である。その意味で選挙はきわめておもしろくなっている。全町の意気ごみが求められている。
 祝島でも室津や四代など全町で、婦人たちががんばっている姿が目立っている。偉そうな幹部面をしているが欲得に目がくらむ連中と違って、我欲がなく、冷静に見る力があって、みんなの団結に心を配る、そのような婦人層が役割を果たそうとしている。



          裏切りに深い憤り   上関全町に本紙配布し声聞く
 
 【上関】 本紙は15日、第6309号「売町政治か郷土愛の政治か/推進派だけで選挙やる作戦」紙面を上関町内全町に配布してまわった。2月21日に迫る町議選は、「負けるつもりの反対派」と町民の反対を崩そうとする仕掛けは、だれがみても隠すことができなくなった。町民のなかでは、怒りが渦巻いている。
 室津の住民の一人は、「今回の選挙は、はじめから反対をつぶすようなものだ。外村が推進になるし、祝島は選挙前に漁協合併して、補償金をもらうと一度は決めるしで、がんばってもだめと“反対幹部”の方からパフォーマンスした。20年崩れない4割の票の行き場がない」と話す。
 四代の老婦人は、「選挙といっても、上関には“かぶり反対”の候補ばかり。寝たかぶり、知ったかぶりと同じで、ほんとうのところは推進。反対からひっくり返った外村さんもだけど、祝島の山戸組合長まで反対の候補。お面をかぶって、票だけはもらおうと考えている。24年がんばってきた町民は、そんなにかんたんなものではないですよ!」と語った。その口調には、深い憤りがこもっている。
 この度の町議選で、最大の火花が散っているのが、「反対」から推進に鞍替え出馬をする外村勉氏のいる室津地区。故河本広正氏の後継として、反対で議席をもらってきたが、長年の応援を裏切って、住民のすさまじい怒りをよんでいる。

 激怒する室津地区住民
 室津の住民の一人は、「単純に、外村個人が推進になったですまされる問題でない。議員だった人間で、室津の人間模様などを握っていた。中電には、町民全部の情報をためこんだコンピューターがあるといわれているが、室津の情報も全部追加されたとみるのは常識。本人は、いいことがあったのかもしれないが、人間のやることじゃない」と語る。
 別の住民は、「24年ものあいだ、町民を本当に酷い目にあわせてきた。腹がたってしかたがない。ただそれだけしかいえない」といった。
 室津地区のなかでは、裏切りにたいする怒りと同時に、いいようのない緊張感が漂っている。外村氏の後援会長は、故河本広正氏の義息という関係だが、この数年間、住民を原発視察旅行に連れて行くなど、切り崩しの仕掛けづくりに奔走してきた。
 室津では、一昨年の春、故河本広正氏周辺の人たちが中心となり「皇座山歩こう会」ができた。当初は、「推、反対関係なく山登りなどして楽しむ」という趣旨の緩やかな会だった。ところが、「原発視察にいこう」と話が動きだした。
 「原発推進」と以前からいっていたといわれる河本氏の義息が中心となり、議員の外村勉氏を通して、「国の交付金で視察旅行にいきたい」と町にかってに申請。代表には、故河本氏の関係者の名前を承諾をえないまま使った。それを機に、「なぜか何度も視察旅行にでかけたような人たちが加入してきた」といい、2度の視察旅行になった。その結果、選挙を前に、推進側が「河本周辺はみんな崩れた」とふれまわっている。
 会員の一人は、「会は、外村さんとは一切関係ないはずだった。かってに、会が外村さんを応援しているような話を広め、河本周辺はみな崩れたと推進がいいだした。そんなことは絶対にない。二十数年反対を裏切るわけがない。騙された」と語った。
 別の住民は、「名前を漏らしただけじゃない。長年、反対できた住民、河本先生の周辺の人を騙して、自分のため、推進のために利用した。室津のなかでも、河本周辺は外村を応援しているなどと疑心暗鬼をあおっている。長い間仕組まれていたこと」と語った。
 長年反対できた婦人は、「化け物みたいなカラクリを中電もやっているけど、一票をもっているのは町民。外村さんが裏切っても、反対は何があっても崩れない。外村さんは、絶対に落とさないといけない」といった。

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