トップページへ戻る

東京都内で大きな共感
原爆展全国キャラバン
                 老人も背広姿も学生も      2006年10月30日付
 東京都内で展開中の「原爆と峠三吉の詩」原爆展全国キャラバン隊は、27日に日本橋浜町公園明治座前、28日に町田駅前、29日には池袋駅西口公園で、3日間の街頭原爆展をおこなった。

 衝撃を受ける若者・日本橋”イラクでも同じ”
 日本橋浜町公園明治座前では、戦争体験者とともにスーツ姿の会社員や比較的若い人たちが真剣な眼差しでパネルを見た。昨年おこなった街頭原爆展で語られた東京大空襲での明治座の惨状について新たに作成されたパネルに注目する人も多く、あまりの衝撃で言葉にもならずに去っていく若者や、仕事の車を止めて参観する作業員の姿などが見られた。
 終戦時は中学生で長野にいたという70代の男性は、「長野も終戦の2日前の8月13日に爆撃された。午前中にたくさんのグラマンが空を飛んでいたが、午後になるとそれが民家の屋根すれすれまで急降下してきて機銃掃射してきた。人の顔が見えるくらいの距離で撃ってくるのだからひどいものだ。戦争が終結することが決まっている段階であれだけの殺戮をするのだからむちゃくちゃだ」と自らの体験を語った。「北朝鮮のことが騒がれているが、1番はアメリカが問題だ。自分のところは核を持っておいて、他の国には持たせない。アメリカが日本を守ってくれるなんて全くあり得ない。今は政治も経済も教育も大変な状況だ。石原都知事などは本当に腹の立つことばかりやっている。このままだと大変なことになる。戦争を体験したものはこれまで本当のことを語ってきていない。しかし本当のことを知らされたら、みんな戦争反対で立ち上がるだろう」と、アメリカに謝罪を求める署名に記名した。
 兵隊でマレーに行っていたという80代の男性は、「日本人はこういうことを忘れちゃいかん!アメリカ憎しだ! こういうことは堂堂とやることが大事だ」と言葉をぶつけるように語り、カンパを寄せた。
 北海道出身の専門学校に通っている20代の女子学生は、パネルを見て「アメリカはひどい国だ。9・11だって自分たちでやっておいて報復だとアフガンやイラクを攻めていったとしか思えない。結局イラクでも大量破壊兵器は何もなかったではないか。北朝鮮の問題でもよってたかっていじめているとしか思えない。あんなことをしていたら本当に戦争になってしまう。異常だ。自分も含め今の学生たちは世の中の動きや政治のことについてもっと考えていかなくてはいけない」と自らの決意を込めてカンパを寄せ、署名した。
 明治座関係者のある男性は、長周新聞の「戦争開始を図る安倍政府」号外を読んで歩み寄り激しく語り出した。「今は右も左もない。どこにも国を動かす力がないと思っていたが、この新聞ははっきりしている。無党派層が増えているというが、本当に行動する人人が下から声を大きくあげていく時が来ているのではないか。今は、アメリカは絶対に日本を守らないという状況にある。自分たちの利益を守り戦争続きでやってきたのがアメリカだ。アメリカのいうことがすべて真実だという安倍のようなアホに任せていてはだめだ。国民が真実を見抜く目を持たなくては」と語り、全国空襲パンフを買い求めた。

 途切れぬ人だかり 町田駅・激しく語る体験者
 町田駅前での展示は、終始二重三重の人だかりが途切れず、買い物に来ていた家族連れや若者も多く参観した。自らの体験をぶつけるように語る戦争体験者やろうあ者、言葉にならず泣くだけでカンパと署名をしていく若いカップル、何もいわずにカンパだけしていく人達もかなり見られた。
 祖母が横浜空襲を体験しているという17歳の女子高校生は、「原爆はパールハーバーを奇襲したから落とされたと平和授業で習った。そうではなかったんですか! 初めて知りました」とパネルへの衝撃を語った。「学校では北朝鮮のこともあまり話にならないが、自分は大変気になっているし、これ以上関係を悪くしないでほしい。自分たちにも直接関わってくる問題だと思うのでもっと勉強したいし、考えていきたい」と話した。
 また、女子大生は、「被爆者の方が少なくなっていくなかで、どのようにして戦争体験や被爆体験を伝えていけるのか、最近真剣に考えていたところだ。どうして戦争が起きるのか。どうしたら戦争をなくすことができるのか。受け身でなくもっと能動的に足を運んで学んでいかなくてはと思う」と真剣に語り、「戦争はなぜ起きたか」を買い求めた。
 「戦争の時は中学生で疎開に行くことができず、東京世田谷の自宅にいて、毎晩のように落とされる焼夷弾のなか水をかぶって逃げ惑って大変だった」と語った70代の男性は、激しい口調で語り始めた。「悪いのは天皇だよ! 裸になって謝って、戦争を止めさせりゃよかったんだよ! 東条だって天皇がそうすりゃ従うよ。それなのに自分の身だけ考えて手をあげないから、見てください。こんなひどいことになったんだ! 自分らの先輩たちは、みんな特攻隊で死んでいった。空襲で家族や親戚の者も死んだ。今はこんなに浮かれて平和なように見えるが、戦争を知らない政治家ばかりでろくでもない奴ばかりだ。それにしても1番の戦争犯罪者がアメリカに保護されて贅沢三昧しているのを見ると腹が立って、殺しても殺したりないよ」、と怒りをぶつけ、「こういうことを若い人達にしっかり伝えることが大事だ。頼みますよ」と原爆展への期待を込めて署名した。
 昭和16年生まれで横須賀にいたという60代の女性は「防空壕に入ったことや、何しろ食料がなくてひもじい思いで苦労ばかりだったことは覚えている」と語り始め、再び戦争を策動している政府への怒りを静かに続けた。「私と同じ年の小泉さんはそういうことがわかるはずなのに、イラクへ自衛隊を出したりして、何を考えているのかと腹が立つことばかり。安倍さんもだが、アメリカにどうしてあんなに遠慮するのか。アメリカには国民の税金を請求されるままに出すが、年金生活者はどんどん年金を減らされて、本当にたまらない。病院だって長期入院になると病院を転転とさせられるようになった。横須賀には自衛隊と米軍の基地があるが、ネズミ色の軍艦が並んでいるのを見るたびにまた戦争になるのではと心配している。本当に戦争だけは絶対にしてはいけない」と強調した。
 東京日本橋で自営業を営んでいるという60歳の男性は、「うちは日本橋だが東京大空襲でやられた。北朝鮮のことをいろいろいわれているが、これだけ問題になっているのにアメリカがなにもしないのは北朝鮮と戦争しても金にならないと思っているからだ。だからかわりに日本にやらせようとしているのだ。靖国問題でも一般の人と軍部とは分けるべきだ。私も年に何度か子どもをつれて靖国にはお参りに行くが、殺されていった兵隊さんたちに手を合わせているのであって、軍部とは分けて考えている。戦犯戦犯というが、今いわれている戦犯とはアメリカが決めた戦犯ではないか。アメリカが日本をここまで攻撃したのは、戦後日本人の反発が怖くて、殺せるだけ殺さなければ大変だと思ったのではないか。戦争の真実というものが、隠されてきたが、はっきりさせなければならない。問題はアメリカですよ!」と、静かに怒りを語った。

 外国人も多数参観 池袋西口・本紙号外に共鳴
 池袋西口公園では、休日ということもあり、都外から来ている人たちやアメリカや、バングラデシュなどの外国人も多く参観した。配布された長周新聞の「戦争開始を図る安倍政治」号外に共感して熱心に話し込む人や、時間をかけて1枚1枚のパネルを見た後、自らの戦争体験や今の戦争政治にたいする怒りをほとばしるように語る姿が多く見られた。
 涙ながらにパネルを見ていた81歳の男性は、「私は大学は工科だったから甲種合格にもかかわらず召集されなかった。多くの学友が学徒臨時徴集で南方に送られて死んだ。私は東京空襲を体験している。救護にあたらなければならなかったが、それどころではなく、逃げるのがやっとだった。目の前で数え切れない人が死んだ。夜が明けると、あちこちに死体の山があった。あんなひどいやり方で無差別に殺したのは許せない。今、また怪しい空気があふれているが、絶対に戦争をさせてはいけない」と自らの戦争体験を語ると絶句した。「今アメリカは軍事力で日本に居座っている。外国が軍を置くということは占領だ。国を愛するという気持ちがなくなったとき、完全な植民地になる。そうならないようにあんたたちは頑張ってほしい」と期待をこめて強い口調で語った。
 終戦間際に召集されたという80歳の男性は、「岐阜の隊に入隊した。その時支給された軍靴は左右ではなく、右が2つだった。足を靴に合わせろといわれた。とにかく何もない、これでは負けると思った。今戦犯問題がいわれているが、東条はれっきとした戦犯だがその上の人にもっと責任がある! それが何も問われないまま今も象徴になって居座っている。あの人の命令で玉砕し、あの人の言葉が出ると皆直立不動して聞かなければならなかった。1番の戦犯だ。今戦中の苦労も知らない連中がアメリカに踊らされて無責任なことをいっているが、戦争はどんなことがあってもすべきではない。小泉のように外国の要人の前でプレスリーの真似をするなんて唾棄すべきことだ!」と激しく語った。
 長時間かけてパネルを見た79歳の被爆者は、「このパネルの通りだ。私は江波の三菱造機で被爆した。友人の両親を探しに翌日一緒に爆心地に入ったが、見つからず、翌翌日もう1度行くと、冷蔵庫の下で骨になっていた。友人は冷静に“ああ、ここにいた。つらかっただろうな”といった。その冷静さに驚いたが、胸の中は悲痛だったろう」と自らの体験を語った。「今の戦争を知らない世代を見ていると、脳みそが半分腐っているように思う。一挙手一投足まで自分たちとは全く違う。異人種のように思えて、自分は現世に生きているのかとさえ思ってしまう。今の人達に国を守るとか、民族の誇りとかいうと、時代錯誤だ、軍国主義だと一蹴されてしまう。属国にならされてしまって、自分さえよければいいという考えにみな流されている。今の政治家には本当に国に責任を持つ気力も胆力もない。本当に情けない!」と怒りをぶつけ署名とカンパを寄せた。
 石川県出身の専門学校に通う19歳の男子学生は、「高校の時に先生が、日本が悪いと教科書には書いてあるがそんなことはない、アメリカが悪いのだと、戦争の話をよくしていた。その時はピンとこなかったが、今日のパネルを見て本当にそうだったんだと思った。今、アメリカが核をたくさん持っているけど、絶対にやめさせないといけない。若い人もがんばらないといけませんね」といって署名し、協力者となった。

トップページへ戻る