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愚かな戦争準備の策動
朝鮮のミサイル発射問題
            意図的に緊張煽る小泉政府   2006年7月7日付
 
 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)が5日ミサイルを発射したとして、小泉政府は制裁措置を発動、財界から与野党、商業マスコミあげて「平和への挑戦だ」と異常きわまる大騒ぎを演じている。そしてアメリカの尻馬に乗って、朝鮮への監視態勢を強め、ミサイル迎撃態勢を一段と強化して、緊張を煽り対朝鮮の戦争準備に拍車をかけている。日本人民はその歴史的体験から、アジア、近隣諸国との平和・友好、共存を願っている。半世紀をこえて朝鮮敵視、軍事攻撃態勢をとってきたアメリカに従って、日本を核攻撃基地とし、原水爆戦争の戦場にすることはバカげたことである。

  根源は米国の朝鮮敵視政策
 朝鮮は近年、核保有を宣言し、ミサイル開発を進めている。その威力はまだアメリカや日本にはるかに及ぶものではないが、アメリカが「ならずもの」とか「悪の枢軸」と呼んで、制裁や圧力をかけつづけ、米軍再編などによる核攻撃態勢を強化していくならば、朝鮮半島をめぐる核戦争が現実となる重大な危険性をはらんでいる。 そもそもその危険性を生み出した根源は、戦後60年にわたるアメリカの朝鮮敵視政策にある。
 アメリカは第2次大戦終了と同時に朝鮮に進駐、南半分を占領してかいらい政府をでっちあげた。1950年には、朝鮮戦争をひき起こして北半分をも占領して、生まれたばかりの新中国を侵略しようとした。その野望は打ち砕かれたが、朝鮮とのあいだには停戦協定があるだけで、交戦状態は終わっていない。
 朝鮮戦争停戦後、アメリカはただちに「韓国」に核兵器配備を開始、米軍5万人とかいらい軍による「北進」計画を進め、毎年大規模な軍事演習をくり返して、第2の朝鮮戦争を画策してきた。
 他方、アメリカは「日米安保条約」で在日米軍基地を確保し、朝鮮への出撃・補給基地とし、日本の自衛隊をも先兵にした「三矢作戦」計画などもつくった。また、日本政府に指図して「韓国」とだけ関係正常化させ、それに経済支援をして「北進統一」政策に加担させ、南北分断を固定化させた。
 米ソ2極構造崩壊後、世界の1極支配の野望を強めたアメリカは、1991年の湾岸戦争につづいて新たな朝鮮戦争を画策、朝鮮を「ならずもの」と呼んで「核開発疑惑」を煽り上げ、93年から94年にかけて核戦争の瀬戸際までいった。そのとき、日本政府に1000項目をこえる米軍後方支援要求を突きつけたことは記憶に新しい。
 その危機がいったん回避され、94年10月に米朝枠組み合意がされた。それは米日「韓」などが朝鮮に軽水炉を提供して、朝鮮の核開発を凍結、米朝国交正常化の道筋をつけたものだった。だが、ブッシュ政府が2001年に発足、朝鮮を「悪の枢軸」に仕立てて「二〇五七」など一連の朝鮮侵略計画を作成し、軽水炉提供、重油供給などの約束を破棄した。
 政権崩壊の危機に立たされた朝鮮が対抗上、核保有を宣言し、弾道ミサイル開発に力を入れるようになった。昨年の朝鮮の核問題に関する6者協議で、アメリカも朝鮮の核放棄と同時に朝鮮への核攻撃計画を放棄すると約束しながら、朝鮮の核放棄が先だとごねて、合意をほごにしている。

 最大の核兵器保有国は米国
 現にアメリカは地球を何回も破壊できる核兵器を持ち、それをいつでも使用できるように小型化に力を入れ、先制攻撃を宣言して大陸間弾道弾や海上、陸上発射型のミサイル開発を急ピッチで進めている。自分はいくらでも核兵器やミサイルを持ってもいいが、朝鮮や他の小国は一切持ってはならないというのは、超大国の独善と横暴の最たるものである。自分は他国に脅威を与えてもいいが、他国はアメリカに脅威を与えてはならないというのは、ごろつきの論理である。
 米朝間の核やミサイルをめぐる矛盾は、アメリカがこうした独善的な論理にもとづいた朝鮮への圧力、挑発を止めるならば、たちどころに解決できるものである。
 ゆゆしいことは、小泉政府がこのアメリカの指図に従って、朝鮮を敵視し、制裁と圧力の急先鋒をつとめ、マスメディアを総動員して排外主義の風潮を煽っていることである。それは戦前、日本軍国主義が中国侵略に動員するために用いた「暴支膺懲」と瓜二つである。
 在日米軍基地はこのたびの米軍再編で、東アジアから中東までをにらんだ出撃・補給基地として強化され、とくに朝鮮、中国への侵略戦争を想定している。しかも自衛隊を米軍と一体化し、米軍の下請としてその先兵に仕立て上げるものである。今度の朝鮮のミサイル発射を口実に、米日のミサイル防衛(MD)システムのくり上げ実施、対朝鮮へのイージス艦や偵察機、衛星などによるスパイ態勢を強めるなど戦争挑発に拍車をかけている。
 これこそ2002年の平壌宣言にたいする重大な違反である。戦前の植民地支配への清算をしないばかりか、アメリカの鉄砲玉となって朝鮮に戦争を仕かけるほどバカげたことはない。日本の基地から朝鮮を攻撃すれば、当然日本に報復攻撃がされ、アメリカは日本が原子戦争の戦場になり、多くの日本人が死ぬのを高見の見物をするという関係である。
 小泉政府は日朝間の交戦状態を終結しようとしないばかりか、拉致問題が解決しなければとか、今度はミサイル「脅威」があるからといって、朝鮮への攻撃のお先棒を担いでいる。そのために今回の「万景峰」号の入港禁止をはじめとする九項目の制裁措置、つづいて貿易中止、送金停止などへと制裁をエスカレートしようとしている。そして国内では自治体まで動員して、朝鮮の「脅威」に対する情報収集、監視態勢を国民保護法を使って強め、文字どおり戦時国家体制をつくりあげようとしている。
 これはかつて、日本をアジア諸国侵略に動員し、敗戦、亡国に導いたパターンである。日本人民は歴史的にアジアとくに近隣諸国との友好善隣関係を重んじ、そのなかで経済、貿易、文化など全面にわたってアジアの一国として発展してきた。戦後61年たって、アメリカの植民地状態から脱却し、軍事基地を撤去させようという世論が全国に渦巻いている。アメリカに国を売り、人民の命まで売ろうとしている売国政府を叩きつぶし、二度と戦争を許さない力を持った運動を発展させなければならない。

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