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姥捨て政治やめよの声沸騰
              年金、税制、介護、医療を改悪     2008年5月5日付

 4月1日の後期高齢者医療制度の強行実施を機に、年金改悪、増税、介護保険制度改悪と、財界と自民党政府による“姥捨て”政治への怒りが噴き上がっている。とくに「団塊の世代に焦点をあてた改悪」と高齢者とその家族から現役世代に世論は広がり、「高杉晋作のように世直しをやらなければならない」と、行動を求めて渦巻いている。小泉、安倍、福田と続く自民党政府による年金、税制、介護、医療の改悪を見てみた。

 年金支給削り医療費三倍化も
 下関市唐戸でニチモウを退職し75歳を迎えた男性と、定年が近づきつつある2人の社員が顔を合わせた。「元気か」のあいさつについで、「年金はがた減りだ。半分しかないことを計画に組みこんでいないと、大変なことになる」との話になった。
 若いころ、厚生年金の給付額は現役最後段階の賃金の8割だった。ところが、どんどん改悪されて今や6割。2025年には5割も保障するかどうかわからない事態となっているからである。
 続けて大幅カットされた生活費である年金からの増税がすさまじいという話になった。まず、老年控除の50万円廃止、公的年金控除の圧縮、さらに定率減税(所得税20%、住民税15%)の廃止で大増税となった。
 これら各種控除の廃止・縮小は、大幅増税にとどまらず、年金から天引きされる国民健康保険料や介護保険料のはね上がりとなり、医療費患者負担も1割から3割に3倍化した。
 75歳となったこの男性は、これら各種控除の廃止・縮小で課税所得が145万円以上となり“現役なみ所得者”とされ、後期高齢者医療の窓口負担は1割ではなく、3割となった。これまでは妻と2人の世帯計算で、1割負担であったが、同氏は切り離されて後期高齢者医療に強制加入させられたからである。
 同氏は、「がんの治療を受けており、医療費負担は多額なものになった。妻と2人暮しだが、マンションのローンもあり、生活を切り詰めるのに必死だ」と語る。
 一緒にいた後輩の2人は「政府は、生活保護世帯の老齢加算も真先に切った。年寄りは、邪魔者扱いだ。戦後、さんざん働かせてきて、ボロ雑巾のように捨てる。高杉晋作のように、世直しをしなければだめだ」と強調した。
 後期高齢者医療、介護保険制度改悪、障害者自立支援法の強行に関して、下関市内の急性期総合病院のある勤務医は「“グローバル化”と称して、アメリカが広げた市場原理は、金もうけ唯一の効率論理で、高齢者も病人も障害者もいらない。元気に働く奴隷がおればよいというものだ。これはもう人間社会ではない。金もうけに人間が振り回され犠牲になっている。この社会はもうおしまいだ。人類は、人間社会をとり戻し、発展させなければならないところに来た」と強調する。
 財界と政府は「団塊の世代が高齢化を迎える2025年を境に超高齢化社会となる」とのキャンペーンを張り、2兆円の医療費削減をうち出している。この代表的な政策が後期高齢者医療制度である。
 75歳以上の国民に対して大半が国保料よりも高い保険料を課し、年金天引きの強制徴収。高い保険料が払えなければ保険証をとり上げ、医者にかかれないようにする。
 医療費窓口負担も「1割負担」と宣伝しながら、“現役並み所得者”は3割負担。がんなどの重い病気を治療している人人だけでなく、複数の病気を抱えるケースの多いこの世代にとって、重い負担となる。

 75歳以上は医療を制限 主治医制
 「年齢によって医療を差別する」と医療界が同制度の撤回を求めているように、定額制による医療制限をうち出している。その代表的なものが主治医制度である。75歳以上の人人は主治医を選び、主治医が総合的にその高齢者の診療・医学管理にあたり、医療費月6000円の定額制にするもの。病状の急変・悪化の診断がなければ、他の病院・診療所で専門医の治療を受けることはできない。
 これは、アメリカの民間保険会社が、診療所医師と契約を結び、保険加入者に同医師を登録させて「門番」としていることの導入である。この「門番」は保険金を使わせないようにするため、病状の悪化・急変を認めなければ、他の病院・診療所の専門医を紹介しないし、病状が急変しても専門医の診療予約に何日も時間がかかる。
 75歳以上の国民は、病状によって自由に専門医の診察・治療を受けることはできなくなる。
 下関市医師会の役員は「同制度は医療費削減のためにつくったもの。最初は主治医制は選択であっても、すぐ義務化する。団塊世代の高齢化に狙いを定めており、定額医療を拡大することは目に見えている。絶対に医療の差別・制限を許してはならない」と強調する。
 療養型病床23万床廃止も、高齢者を医療難民・介護難民に追いこむものである。全国で38万床の療養病床を、介護用13万床を全廃、医療用25万床のうち10万床を廃止する。政府・厚生労働省は2011年度末までにこれを強行しようとしている。これによって、約12万人の医療・介護難民が巷にあふれるとみられている。

 介護用療養病床は全廃 介護も受けさせず
 介護用療養病床全廃に見るように、介護保険制度改悪もすさまじい。2006年改悪で、07年度から全面実施した「自立支援」と称する要介護度の切り下げがそれである。要介護1と認定されていた要介護高齢者のうち、認知症や身体機能にかかわる持病をかかえる人以外は、「自立の可能性がある」とばかりに、要支援1にランクを引き下げられた。その規模は、要介護1であった人人の約7割に及んだ。
 これまで要介護1で週3回、ホームヘルパーの生活介助を受けてきた高齢者は、週1回、それも1時間程度に制限された。1人では風呂に入ることもできない在宅高齢者が要支援とされ、身体介助のヘルパーを確保するのが困難であったり、病院の通院介助で順番待ちの時間が介護時間に算出されないため、ヘルパーを確保するのが困難なケースが続発している。
 下関市内の在宅介護サービス事業所のヘルパーは、「金のある人は自費でヘルパーを利用できるが、庶民は介護もまともに受けられなくなっている。要介護認定で一番多かった要介護1の7割が要支援となり、ヘルパー派遣を制限したためヘルパーの仕事も激減、事業所の廃止・縮小もあいついで、ヘルパー、介護福祉士、ケアマネージャーが仕事を失った。政府の高齢者切り捨てはひどいものだ。“高い保険料をとって介護なし”は、ますます広がっている」と語る。
 同事業所の課長は「介護保険制度を始めるときは、“在宅介護の社会化”“選べる福祉”と大宣伝したが、わずか5年で見るかげもなく改悪された。財界と政府は、国民をだました。後期高齢者医療制度も“良い制度だ。説明不足だ”といっているが、いつまでもだませるわけがない。全国の医師会が次次に制度撤廃の決議をあげ、衆院山口2区補選でも最大の争点となって国民の側が大勝利した」と強調。
 続けて、「私は明治維新の時代の歴史が好きで本も読むが、アメリカに金を貢ぐのをやめ、国民のための日本をつくるときだと思う。日本の医療費・高齢者対策費はきわめて少なく、先進国並みになるためには、今31兆円の医療費にあと20兆円出す必要があるといわれている。一方で、アメリカに吸い上げられている公共事業費は、他のG7の合計よりも多い。こんな乱れた国は、維新によって、本来の日本にしなければならないと思う」と力をこめて語った。

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