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若い世代が現状変革求め参観
広島平和公園で原爆と戦争展
                社会荒れさせた根源を論議      2008年7月21日付

 原爆展全国キャラバン隊(劇団はぐるま座団員/長周新聞社後援)は、19、20日の土日、広島平和公園で「原爆と戦争展」をおこなった。朝から、原爆死没者の法要を営む読経が流れ始め、県外、海外からの観光客とともに、県内、市内から訪れる人人も次第に多くなってきた。とりわけ県内外を問わず、労働者をはじめとする若い世代の参観が圧倒的に多く、朝から二重三重の人垣ができ、展示内容と重ねて現代社会のめちゃくちゃな崩壊状況への激しい怒りが口口に語り合われ、「原爆投下に始まる戦後社会を根源のところから打開しなければダメだ」という鋭い問題意識がほとばしり出た。
 松山市の化学薬品工場労働者(24歳・男性)は、「思っていた以上に悲惨な内容で、身体が震えた。原爆に焼かれた子どもの写真が心に刺さった。今、会社では苛性ソーダを製造しているが、景気が下向きで大変になっている。みんなが貧乏になって戦争になっていったというパネルと、中国との戦争ですでに負けていたというパネルが印象的だった。これまでは、なぜ戦争の終わり近くに武器も食料もなく戦争をやり続けたのかわからなかった。大学を出てもこのような歴史の真実を知る機会がなく、こんな展示を見たのは生まれて初めてだ」と語り、アメリカに謝罪を求める署名に応じた。
 愛知県の会社員(自動車販売・20代・男性)は、「父は戦争中、栄養失調になって聴力が低下し、戦後もずっと障害を持って生きてきた。祖父は中国へ戦争に行ったので、その時の苦しい様子を話してくれた。戦争に行きたくなくても、行けといわれたら逆らえない、逃げれば家族に迷惑がかかるので、逃げることもできない時代だったと聞いた。この展示を見て、どのようにして戦争へいくのか、その流れがよくわかった。『みんなが貧乏になって戦争にいく』とパネルにあったが今も戦争をビジネスとみなすものがいる。トヨタや日産は『関係ない』といっているが、自動車や船や武器の生産など、みんな軍事に関係している。アメリカでは軍需産業がのさばっている。大企業は“国のためだ”といって、実際は自分の儲けのために国民を戦争にかりたてている」と、拳を握った。
 茨城県の男性(20代)は、「プラスチックの研究開発をしている。プラスチックも原材料が石油なので、今原油の値上がりで大変だ。なぜこういう現状になっているのか、非常に勉強になり、教えられることが多かった。ぼくは姫路出身だが、姫路空襲のことも『お城があったのであまり被害がなかった』と聞かされており、実態をまったく知らなかった。東海村で臨界事故があったことも聞いていたが、これほどひどい状況だったとは知らなかった」と、衝撃を語った。
 「2週間失業状態」という20代男性(東京)は、「東京で職を探しているけど、今のところない。雇用保険のないところで働いていたので、失業保険が出ないのも自分の努力が足りないからだと思っていた。しかし展示を見て、いったい何が問題なのか――昔のような日本的な雇用形態からアメリカ式の企業経営になっているのが問題だと思った。東京に生まれ育ちながら、戦争体験者の話を聞いたこともなく、東京大空襲の犠牲者が10万人ということもまったく頭になかった。最近、今とそっくりの監獄労働を描いた『蟹工船』を読んだ。斜め読みだったので、改めて読み直してみたいと思う」と語った。
 埼玉県の製薬会社勤務の男性(20代)は、「第1一次大戦から第2次大戦へいく過程での日本の動きがよくわかった。原爆投下の理由と、アメリカの戦後戦略のことがよくわかった。製薬会社につとめているが、今の日本の医療政策には疑問に思うことが多い。戦争で苦労した世代の人たちに対して、医療制度があまりに冷たい。何でもアメリカのマネをして日本がアメリカ化してきたことが問題だ。アメリカへ旅行した時、救急車に乗せられてちょっと検査をしただけで20万円とられた。日本がこんなことになったら大変だ。自分たちで、何ができるのか考えていきたい。日本人として、もっと強い心が必要だ。戦争の時代をくぐった人たちから、そういう強い考え方を受け継ぐことはとても大切だと思う」と語った。そして明治維新革命に話題がおよび、民族独立と世直しをやり遂げた誇り高い父祖の姿を描いた『動けば雷電の如く』の上演台本を『第2大戦の真実』とともに求めた。

 40代や50代も 強い共感と支持を語る
 40代、50代の現役世代も熱烈な共感と支持を寄せた。姫路市の男性(50〇代・会社役員)は、「今日は原爆ドームを見るだけではわからないことがよくわかった。今の政治も、みんなが思っている当たり前のことが、なぜ実現されないのか。郵政民営化や規制緩和をはじめ、私らが、どうしてこんなばかなことをするのかと思うことを、なんで政府がやるのか理由がわかった。外国のよいところは学ぶべきだし、消費税だって上げたらいいと思うが、それなら生活必需品には課税しないとか、高速道路はタダにするとか、庶民のためになることを取り入れろといいたい! 少少ばかでも当たり前の人情がわかるものが政治をやったら、少しはまともな国になる。日米関係も対等、平等であるべきだ。与党も野党も人情のわからんやつらばっかりだからダメなのだ。明日は業界の仲間にも声をかけてみんなで見に来る」と、笑顔でスタッフを激励した。
 アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、フィンランド、デンマーク、ハンガリー、スイス、リトアニア、インド、南アフリカ、プエルトリコ、ホンジュラス、メキシコ、イラン、オーストラリア、中国、「韓国」、フィリピンなど、世界各国からの参観者も圧倒的に若い世代が多かった。
 スペインから訪れた男性(32歳・エンジニア)は、「沖縄、横須賀をはじめ、いまだに日本はアメリカに侵略されているというのが、展示を見た率直な印象だ。イラクでは大量破壊兵器があるとか、マスコミを使って宣伝して攻撃した。しかしそれは全部うそだった。アメリカは自分の利益のために、事実でないことをいって戦争をやり、世界を侵略してきた。19世紀には、アメリカはスペイン軍がキューバを攻撃したといって侵略していった。ヨーロッパには、アメリカが日本に原爆を投下したことを良いことだと思うものなど一人もいない。この展示は素晴らしい。一緒に頑張ろう!」と、熱烈な支持を寄せた。
 同行していた日本人女性(20代・茨城県水戸市)は、「被爆者と戦地体験者が心を1つにして若い世代、全国世界に真実を語りつぐという趣旨は素晴らしい。こういうふうに世界のみんなが交流して、真実が明らかになっていけば、世界が1つになれる。アメリカとたたかうことがはっきりしたら、かならず1つになれると思う」と、頬を紅潮させて語った。

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