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若者が真実求め全国から広島へ
広島平和公園・原爆展キャラバン
              「原爆から見て現代見えた」    2011年7月11日付

 下関原爆展事務局は9日と10日、 広島市中区の平和公園で街頭原爆と戦争展 をおこなった。 敗戦後66年目を迎える今年の夏、 3月に東日本大震災と福島原発事故を受け、 戦後から現代へと続いている日本社会の腐敗を根本的に立て直さないといけないという全国的な世論の高まりを反映した。 とくに高校生や大学生、 20代、 30代など若い世代が日差しの照りつけるなかで真剣にパネルに見入る姿が圧倒的に多かった。
 日本国内各地から 福島原発事故も起きているさなか、 広島で戦争について、 原爆について改めて学ぶ目的で旅行に来た という人人、 またアメリカやオーストラリア、 韓国、 インドなど海外からの旅行者も多く参観し「 とてもタイムリーな企画だ。 世界中から核兵器を廃絶させるべきだ 原爆について新たな真実を知ることができて心が動かされた このパネル展示を全国に発信してほしい 」と期待を託していった。 また展示されているパネルの前が戦争体験者・被爆者と若者が交流する場ともなった。
 長崎市出身の20代の女性は、 「広島や長崎で投下された原子爆弾に関して、 世間ではさまざまな論調が流れているが、 それが第2次世界大戦から続いていることを改めて認識させられた。 そこから考えると第二次世界大戦がなんのための戦争だったのか知らないといけない。 原爆は戦争を早く終わらせた という説をよく聞くが本当にそうなのか、 実際の体験者の証言を読んでいると明らかに日本は負けるとわかっていたうえで原爆が落とされている。 戦争体験者は確かに少なくなっているが、 若い世代が受け継ぎ、 中心になって戦争をくり返さないために行動をすることが大事だと感じた」 と思いを語った。
 大分の大学で日本語を学んでいるという二〇代の中国人留学生の女性は、 「将来中国で日本語の教師をしようと思っているが、 ただ日本の言葉を勉強するだけでなく日本の文化や歴史も勉強したいと思っている。 今日の展示を見て戦争について新たな知識を多く得ることができた。 教科書でも正確な歴史や情報が得られず このままでは後世に事実が伝わっていかない。 今中国は経済発展を優先して国内で貧富の格差がひどくなっており、 これからの大きな解決課題になってくる。 日本国民と中国国民はもともとは友好的なのに、 国と国、 政治が絡んで不幸なことになる。 もとの友好的な関係を結ぶことが大事だと思う」 と語り、 一緒に訪れた友人とじっくりパネルを見ていた。
 市内に住む80代の被爆者は、 2世、 3世、 4世にあたる小学生まで4人で参観し、 観音にあった軍需工場で19歳のときに被爆した経験を語った。 「娘にも、孫にも原爆や戦争の体験は今まで話したことがなかった。 思い出したくないとの気持ちが強いが、 若い世代に真実を伝えていくためには私たち体験者しかわからない苦労がある。 後世に体験させることはしたくないが、 伝えていくことの必要性は今の日本社会を見ていると重要なことだと痛感している。 ずっと内に秘めていた思いを今こそ子や孫、 日本の未来のために語り継いでいかなければいけないと考えさせられた」 と話していた。
 天満町在住で入市被爆者の男性は、 当時の様子を思い出しながらパネルを見、 隣でパネルを見ていた観光客の若い夫婦に、 体験してきたことを語った。 水瓶の中に頭を突っ込んだまま亡くなった人や無惨な姿で死んでいる小学生など悲惨な光景を見てきたこと、 また「 戦争当時と今の原発事故の報道はまったく変わらない。 一番の責任者は保身を図るだけでみんなのために自分を犠牲にしてでも国民を守ろうとする人が一人もいない。 そのような若者が育ってほしい 」と期待を込めて語りかけた。 若い夫婦もめったに聞くことのできない貴重な体験だと真剣に耳を傾けて聞いていた。
 神奈川県から訪れた50代の女性は、 「私も親になって初めて教育の大切さを痛感している」 と話し出した。 子どもたちの教科書を見ると近代史はほとんど教えていないこと、 とくに第2次世界大戦の戦中から戦後、 そして現代に至るまでの経過が隠されているかのように教えられないことについて、 真実を知らないとまた過去の戦争をくり返すことになる。 戦争をくり返さないため、 子どもたちを兵隊にさせないために親世代も日本の現状について真剣に考えないといけないと思う。 教育は国の将来の方向性をつくっていくうえで重要なことだ。 ただ学校の勉強で理科や算数だけができても社会に出て通用しないことは多い。 人間性を育てないと、 今の政治家、 東大教授や東電幹部のエリートみたいに われさえ良ければ という自分勝手な人間ばかりになる と語った。 戦争について知らない世代が増えてきたが、 まず今日知った戦争の真実について子どもたちに伝えていくことで戦争反対の運動にかかわっていきたいとパネル冊子を求めた。
 展示されている約60枚のパネルを1時間以上もかけて参観した専門学校に通う20代の女性は、「 オバマ大統領はノーベル平和賞をとったのにまだ戦争を進める姿勢だ。 なんのための賞かと腹が立つ。 広島の平和資料館はこのような展示がほとんどなく、 非常に勉強になった。 これからは若い人が過去の体験に関心を持っていかなければいけない。 自分のことをまず第一に考えるのではなく、 もっと大きな社会のことを考えないといけない。 今でもアメリカ人は、 日本人が原爆で眠るように死んだと思っている人も少なくないようだ。 戦争を早く終わらせるためだったと信じ込んでいるらしいが、 それは間違っていることを全国に伝え真実を伝えることが重要だ」 と、 アメリカ政府に原爆投下に対する謝罪を求める署名に名前を記していった。 そしてもっと真実を知りたいと市民交流プラザで開かれる 原爆と戦争展 にも必ず参観することを約束していった。
 60代の被爆者の男性は、 原爆投下後も広島で育ち、 放射能まみれのなかから立て直してきた経験から、 大震災と原発事故を受けた福島県をはじめ東北地方が立て直せないわけがないことを熱く語った。
 パネルを参観した若い世代からは共通して 知っているつもりで日本の歴史について知らないことが多すぎたことに気がついた。 この真実をまず知ることが戦争反対の運動にかかわっていくことで必要なこと。 二度と戦争を繰り返させない運動にかかわっていきたい 現代の日本の状況は第二次世界大戦について知ることで初めて見えてくることがわかった。 今日知ったことを伝えていきたい という思いが多く語られた。 日本社会を立て直すために若い世代が協力しよう と、 全国から若者が結集して行動を起こしていくことが求められている。

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