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全国的共感呼ぶ上宇部実践
25日から人民教育全国集会
             戦争に立向う教育発展   2013年8月19日付

 「教育から世の中をたて直そう――戦争に立ち向かう教育実践を発展させよう」をテーマにした第35回人民教育全国集会(主催・人民教育同盟)が25日から3日間下関市で開催される。25日には「子ども・父母・教師のつどい」がおこなわれ、26、27日には人民教育研究集会が開かれる。今年の人民教育全国集会は、上宇部小の教師集団から始まった、鉄棒逆上がりやかけ算九九全員達成を通じて自分中心ではなくみんなのために頑張る子どもを育てる教育実践が山口・福岡県内の各学校に急速に広がっており、そこで子どもたちを生き生きと成長させている経験が出しあわれ、交流される。それは、子どもを競争させバラバラにする「自由・民主・人権」を掲げた現代の軍国主義教育に対置して、戦争を阻止する力を持った子どもを育てる教育として勢いよく発展しており、全国的な期待と注目が高まるなかで、それに応えうる集会にしようと準備がおこなわれている。
 
 「自由・民主・人権」の軍国主義に対置 皆で頑張る体育やかけ算99

 人民教育同盟は6月、教育集会の呼びかけを要旨次のように発表した。
 昨年、夏の教育集会で、被爆体験を土台として子どもたちが成長し、教師集団が力を合わせて子どもの教育に一心不乱にとりくんだ「鉄棒逆上がり・縄跳び七分持久跳び全員達成」の体育実践を発表した。「こういう教育を待っていた」と子ども、教師、父母、被爆者など多くの人人に感動と勇気を与えた実践は、「自分の学校でもやってみたい」と、山口県内・北九州市をはじめ多くの学校に急速に広がった。友だちの成功を自分のことのように喜び、みんなのために、みんなの役に立つ人間になると、心身共にたくましく成長していく上宇部小実践は、陰湿ないじめ・不登校・怠学・学級崩壊が後を絶たず、「自分さえよければ人が死んでも平気」「感情に歯止めがきかない」という利己主義が子どもの心をむしばんでいるなかで、これをうち破って発展している。
 戦争の危機をもっとも敏感に感じている被爆者・戦争体験者の方方は「二度と私たちと同じ目にあわせてはならない」と命を懸けて行動に立ち上がっておられる。そしてみずからのつらい体験を語るとともに「戦争は絶対にいけない」「みんなと仲よく」「若いあなたたちが平和を築いてください」と子どもたちに熱い思いを託されている。それが子どもたちにストレートに響き、子どもたちはどこでも「これからは私たちが戦争や原爆のない平和な国にします」と誓い、自分の生活を変えて成長している。
 戦前は「天皇のため」の軍国主義教育で若者を戦争にかり出し、戦後はアメリカ主導の「自由・民主・人権」の軍国主義教育で再び戦争にかり出そうとしている。「点数競争・個人主義」の教育こそ、もっとも反動的で戦争に動員していくためのものだ。それに対置する教育として上宇部小実践が多くの人に希望を与えている。
 教育が変われば社会が変わる。教師は学校の外で大きく渦巻いている戦争反対の世論と固く結びついて、「子どもたちを戦争に送らない」ために、戦争に立ち向かう教育実践を発展させようではありませんか。

 注目あびた教育パネル 広島「原爆と戦争展」

 8月1日からおこなわれた第12回広島「原爆と戦争展」には、被爆者に学ぶ平和学習や、鉄棒やかけ算99全員達成の実践を通じて、みんなのために頑張る子どもを育てる教育運動の発展を紹介したパネルが新たに追加された。会場には鉄棒実践や被爆者に学ぶ実践をとりくんできた教師たちが連日つめ、全国から問題意識を持って広島を訪れる教師たちや被爆者、戦争体験者と交流を深めた。今年の教育集会の内容とかかわって、上宇部実践が全国的に大きな共感が寄せられたと、その経験が論議されている。
 ある小学校教師は、「安倍政府の憲法改悪、国防軍など戦争への危機感が人人のなかで渦巻いていることを実感した。神戸市内の進学校の若い教師が生徒を連れて参観したが、上宇部実践を紹介したパネルを見て、“今の子どもたちを見ていると、進学のために他人を蹴落としてもかまわない、自分さえよければいいという子どもが育っていることに危機感を感じる。友だちと力をあわせてなにかを成し遂げるという経験がほとんどない。こういう教育が大事だ”と共感していた。この教師は、被爆体験を聞く経験を通じて子どもの感性を育てたいという強い思いで毎年生徒を募って広島に来ている」とのべた。
 文科省が進める教育が、他人を押しのけてでも自分だけはのし上がる、そこから落ちこぼれる者は自己責任で排斥されて当然だとする価値観を子どもたちに植え付け、自分さえ満足できれば他はどうなってもよいという冷酷な人間形成がおこなわれていること、それがみずから進んで戦場に行き殺りくに加わる兵隊づくりにつながること、「みんなのために」という集団主義を育てる上宇部実践がこれをうち破るものとして父母や地域から圧倒的な支持を得ていることが全国の教師と活発に論議されたと語った。
 別の小学校教師は、「初めは原爆と戦争展の会場に、“なぜ鉄棒逆上がりの展示なのか”と感じた参観者もいた。その人たちと語りあうなかで、被爆体験に学んだ子どもたちが、鉄棒や縄跳びなどを通じてみんなのために頑張る資質を身につけ、成長していること、それが戦争を止める力になるんだということを伝えると“それはとてもいいことだ”と支持された。原爆展に参加して私たち教師が教育のことだけ見ていてもダメだと思った。パネル展示にあるように、第2次世界大戦からつながる現代の社会の実態を知り、そのなかに教育もあることを強く感じた」と語っている。
 「原爆と戦争展」での経験を通じて、戦争を阻止する教育運動を発展させることへの全国的な期待と、それを担う教師としての使命感を強めている。

 意気込みが高い子供達 小中高生平和の旅も

 また被爆者の体験が子どもを成長させる原動力となり、鉄棒逆上がりなどを通じて子どもを集団的に成長させる教育と強く結びついていることを、今年の「第14回広島に学ぶ小中高生平和の旅」に参加した子ども集団があらためて証明したと論議されている。
 今年の「平和の旅」には、山口県内各地や北九州などから、小・中・高校生、教師など総勢90人が参加した。今年の参加者はこの間、上宇部実践から始まった鉄棒逆上がり全員達成、持久縄跳び、かけ算九九などを集団でやり遂げたり、とりくみ真っ最中の子どもたちや教師が大半を占めたことが特徴であった。
 子どもたちは、事前にとりくまれた「平和の旅」のカンパ活動も意欲的にとりくみ、広島に向かうバスの中でも「被爆者にしっかり学んで実生活にどう生かすか考えていきたい」と意気込みが高く、2日間のあいだに平和の担い手として見違えるように成長した。被爆者が困難に負けず生きぬいてきた生きざまに学び、その質を学校現場での集団教育で貫くなかで、「今度は自分たちが戦争を止めるんだ」と力強く決意する子どもに成長していった姿が、多くの人たちの感動を呼んでいる。
 被爆者に学ぶ教育を土台とした上宇部実践の広がりが、戦争のない日本を建設する力を持った子どもを育てる教育だという確信が論議されている。このような教育運動を全国に広げ、日本の教育を変え、世の中をたて直す出発点にしようと集会の準備が進められている。

 第35回人民教育集会 下関・勤労福祉会館

 第35回人民教育全国集会は25日(日)〜27日(火)の3日間、下関市の勤労福祉会館で開かれる。
 初日・25日午後1時からの「子ども・父母・教師のつどい」では、「戦争に立ち向かう教育実践の広がり」と題して、山口県内や北九州市の各学校で広がる鉄棒逆上がりやかけ算九九の実践について教師たちが報告する。また、かけ算99が労働や実生活と深く結びついていることについて、下関市内の元商店主の発言が予定されている。
 また長崎や広島の修学旅行で被爆体験に学ぶ学習をとりくんだ教師の発言も予定されている。さらに「広島に学ぶ小中高生平和の旅」に参加した子どもたちによる詩の朗読や発言なども予定されている。
 集会には、上宇部実践に学ぶ教師交流会に参加した若い教師も参加し発言する予定。その他、父母、戦争体験世代、勤労生産者など各界各層からの感想や意見を出しあい交流する。また参加者全体でかけ算99 100問をおこなう予定。初日のつどいは入場無料。
 26、27日の2日間は「教育から世の中をたて直そう! 戦争に立ち向かう教育実践を発展させよう!」のテーマで、人民教育研究集会が開かれる。初日の「子ども・父母・教師のつどい」の内容をより深める討議がおこなわれる。2日間とも午前9時からで、参加費は教職員2000円、一般1000円。連絡先は人民教育同盟 083―234―3642。

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