トップページへ戻る

全面戦争買って出る麻生政府
米軍再編や海賊派兵推進
              米軍の肩代わりに乗り出す    2009年6月12日付

 麻生政府はオバマ米政府の世界戦略にもとづく戦争政策のお先棒を担いで、米軍再編で日本を核攻撃基地として強化し、米軍指揮のもとで自衛隊を海外に派兵する戦争国家の道を暴走している。ソマリア沖の「海賊退治」の口実で、法の成立を待たずに海上自衛隊の護衛艦や対潜哨戒機P3Cを派遣、武器の使用、外国船籍の警護など憲法9条を踏みにじる道に踏み出した。朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)が人工衛星を打ち上げたり核実験をやれば、「敵基地先制攻撃」論を煽ったり、国連安保理で朝鮮船舶の臨検を義務づける制裁決議採択に躍起となるなど、みずから買って出て全面戦争をけしかけている。
 麻生政府は、米軍再編にともなう在沖縄米海兵隊のグアム移転協定を先ごろ国会で強行成立させた。同協定は米軍が世界のどこでも先制攻撃ができる態勢をつくる米軍再編の一環で、西太平洋地域での攻撃体制を強めるものだ。オバマ大統領は就任するや、「米日同盟が太平洋におけるアメリカの安全保障政策の要」と言明。発足直後の2月、クリントン国務長官を訪日させ、麻生政府に同協定に調印させた。
 この協定は、在沖米海兵隊司令部のグアム移転費用の日本政府負担を強要すると同時に、厚木の米艦載機部隊の岩国移転や、沖縄・名護市沖への米海兵隊航空基地建設など在日米軍再編のロードマップ(行程表)の実現を日本政府に義務づけている。
 国会審議の過程で、麻生政府がいってきた「沖縄県民の負担軽減」が大うそであることが暴露された。グアムに移転するのは、海兵隊の司令部機能であり、海兵隊の大半が沖縄に残ることが判明した。現状約1万2、3000人の海兵隊のうち、移転するのは2、3000人で1万人が残ることが分かった。
 しかもこの移転は、名護市に新しい海兵隊航空基地を建設することと一体であり沖縄での米海兵隊戦力の削減ではなく、強化であること、沖縄県民の負担はより重くなることも分かった。
 米国防総省は移転費用が当初想定の2〜3倍にふくらみ、200億〜300億jになるとの見通しを示している。米軍再編全体の日本負担については、国防総省は「約2兆〜3兆円」負担させるとしている。麻生政府は「財源がない」と民生、教育、自治体関連予算を切りまくってでも、西太平洋地域の米軍の核攻撃体制強化には血税を湯水のようにつぎ込んでいる。

 人を殺す道へ踏み出す 自 衛 隊
 一方、「海賊対処法案」も現在参院で審議中だが、それは自衛隊が米軍指揮下で世界のどこへでも出動し、発砲して人を殺傷できるようにするものである。
 麻生政府は昨年秋頃から北大西洋条約機構(NATO)諸国がソマリア沖の「海賊」問題を騒ぎたて、アメリカ高官が「日本の貢献を期待する」と、1も2もなく自衛隊法の「海上警備行動」を発令した。3月に海自護衛艦2隻と給油活動をする艦船2隻をソマリア沖アデン湾に派遣。5月には、海自の対潜哨戒機P3C2機と、海外派兵専門の陸自・中央即応連隊を現地に派遣した。あわせて約900人の大部隊がソマリア沖に展開、これまでに日本だけでなく外国船籍の護衛にあたっているという。だが詳細は現地部隊しか分からないといわれている。
 「海賊対処法案」は「イラク特措法」などとちがって、派兵期間や派兵地域が定められていない。同法が成立すると、「海上警備行動」は「海賊対処行動」に切りかわり、「海賊制圧」という目的がとげられるまで、かりにそれがソマリア沖でなくても自衛隊は派兵され続ける。武力紛争に巻き込まれ、泥沼にはまり込む危険性が高い。
 同法案第2条の「定義」では、自衛隊が保護すべき船舶の対象について限定していない。つまり日本国籍船だけでなく、アメリカを含め外国船も保護対象となる。これはアメリカがずっと求め続けてきた違憲の集団的自衛権の行使に公然と道を開けるものだ。つまり世界のどこででも、自衛隊は米軍と共同作戦ができるようになる。
 同法案第6条では、「合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる」と明記。停船命令や警告射撃、威嚇射撃に従わずに「海賊船」が急接近やつきまといをおこなった場合の武器使用を認め、その結果、人を傷つけ、殺したとしても罪には問われないことになっている。しかも、人質を取られた場合には逃げる「海賊」を追いかけて、武器を使用することまで認めている。自衛隊員が海外で銃の引き金を引き、文字どおり殺し殺される関係の軍隊になるわけである。
 こうして武力行使ができるようになった自衛隊の海外派兵が、一挙に法として恒久化される。いわば「自衛隊海外派兵恒久法」の制定であり、米軍の手下として自衛隊が海外に出動し、人を殺し殺される道への第1歩を踏み出すのである。

 敵基地攻撃体制を急ぐ 新防衛大綱でも
 朝鮮による人工衛星打ち上げや核実験にことよせて、麻生政府や自民、民主両党内に、「敵基地先制攻撃」やミサイル発射を探知する早期警戒衛星保有、集団的自衛権の行使、武器輸出3原則の撤廃などを主張し、日本を米本土防衛の盾にして「戦争のできる国」にする論調がけたたましくなっている。
 自民党国防部会の防衛政策小委員会は先日、政府が今年末に予定する新「防衛計画の大綱」(2010〜14年)の閣議決定に向けて提言案を出していた。
 その柱は、@専守防衛の範囲で座して死を待たない防衛政策として、敵基地攻撃能力が必要である。情報収集衛星や通信衛星、巡航ミサイルなどを有機的に組み合わせることで実現可能となる。
 A積極的に宇宙を利用し、早期警戒衛星、情報収集衛星を研究・開発する。イージス艦の弾道ミサイル対処能力の強化、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の導入を促進する。
 B武器輸出3原則を見直す。武器関連技術の輸出禁止先はテロ支援国家、国連決議対象国、紛争当事国などとする。
 敵基地攻撃能力は、敵のミサイル発射の兆候があれば先制攻撃する戦力を持つというもので、だれが見ても「専守防衛の範囲」ではない。それは、従来のアメリカの打撃力に依存して、米軍の先制攻撃を自衛隊が後方支援するというものから、「米国の政策転換に対応」して、日本が前面に立って先制攻撃をやる。つまり全面戦争をけしかけるということである。
 集団的自衛権行使の容認は、敵地攻撃論と表裏一体のものだ。提言案では、「日米協力や国際貢献のため」という看板で、@公海上での米軍艦艇の防護、Aアメリカを狙った弾道ミサイルの迎撃、B駆けつけ警護、C他国部隊の後方支援の4つの型をあげて、集団的自衛権行使を禁じた憲法解釈の見直しを求めている。
 要するに、米軍やその同盟国軍などの戦斗に自衛隊も積極的に参加してたたかえ、アメリカ本土に向かう弾道ミサイルは日本が撃ち落とせというものであり、日本がアメリカが世界でひき起こす戦争の先兵になるべきだし、アメリカを守る盾になれというものである。
 武器輸出3原則の見直しは、これまで対米輸出だけ認めていたものを、アメリカ以外の国に対しても武器の共同開発などのために認めよというものである。三菱重工や石川島播磨重工業、川崎重工業など軍需産業を世界の兵器市場に参入させ、「死の商人」として荒稼ぎをさせるものだ。
 自民党国防部会の小委員会の新「防衛計画の大綱」改定に向けた提言案の内容は、近年、アメリカがアーミテージ元国務副長官やナイ元国防副長官ら「知日派」にまとめさせた2度のレポートで要求してきたものである。
 麻生政府がその内容を新「防衛大綱」に盛り込み、実現しようとしていることは、朝鮮の核実験やそれへの反応が示すように、東アジアから西太平洋地域で各種矛盾が激化し、金融恐慌から発展した世界恐慌を打開する道をアメリカや日本の支配階級が戦争に求めているからである。

 核戦争策動続ける米国 「核廃絶」は口先だけ
 オバマ政府は「敵対国と対話する」とか、「イスラムは敵ではない」とか、「核を廃絶する」など聞こえの良い言葉をたくさん並べている。だが核独占による世界支配というアメリカの世界戦略になんら変わりはない。
 朝鮮の核実験に対し、空母レーガン戦斗群を本国から西太平洋に回し、最新鋭ステルス戦斗機F22ラプター12機を沖縄に配備して空自との合同訓練をする一方、「韓国」に大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に参加させたり、軍には「西海5島」での衝突を想定して戦争計画をつくらせるなど、戦争挑発に躍起となっている。
 朝鮮の核開発が日本やアジアの平和にとって脅威であることは疑いない。しかし朝鮮をそうさせたのは、アメリカや日本が戦争状態を継続し、日本全土の核攻撃基地化を進め、西太平洋に軍事基地網を張りめぐらし、軍事恫喝をかけ続けてきたことに根源がある。それに朝鮮が核攻撃をかければ自滅することは明白であり、防衛的なものである。朝鮮に核武装を止めさせるためには軍事的圧力ではなく、なによりも世界最大の核兵器保有国であるアメリカが日本や「韓国」などに配備している核兵器を撤去し、すべての核を廃絶しなければならない。
 「共産党」の看板をかける修正主義集団の志位委員長は5月25日、朝鮮の核実験に抗議する談話を発表。米日政府やマスメディアの朝鮮非難の大合唱に加わった。先ごろオバマ大統領に書簡を送ってその「核のない世界」の演説を絶賛した志位は、朝鮮の核実験がオバマに対する「乱暴な挑戦」だと非難し、民族排外主義を煽る急先鋒となっている。
 今日アジアの現実は、アメリカが朝鮮や中国に矛先を向けた核攻撃態勢を強化しており、日本がその最前線基地にされていることである。核廃絶という被爆者をはじめ日本と世界の人民の悲願を実現するには、真っ先にアメリカの核兵器を全廃させ、日本から核攻撃基地を撤去することである。「日共」集団がそれをせずに朝鮮攻撃に加わることは彼らがアメリカの手下となってアメリカの核戦争の旗振り役をつとめるようになったのである。
 第2次大戦に突入するときに支配階級が煽った「暴支膺懲」(横暴なシナを懲らしめよ)と同じことが相手を朝鮮に変えて煽られている。それが戦争突入の合図であったことは忘れられるものではない。

トップページへ戻る