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全駐労、米軍基地でスト突入
岩国はゲート3カ所でピケ
               民族的な侮辱が基本に    2007年11月21日

 米軍基地で働く日本人労働者で組織する「全駐留軍労働組合」(約1万6800人、山川一夫委員長)が21日、全国で一斉に始業から4時間の時限ストに突入した。米空母艦載機部隊移転を巡り、市民と米軍・国が激突している岩国基地の労働者も早朝からストを決行。防衛省が「思いやり予算」の削減と称して打ち出した、日本人基地労働者の「格差給・語学手当廃止」「退職手当改悪」の撤回を要求している。岩国基地で働く労働者のなかでは、手当廃止だけにとどまらず、うっ積した思いが語られている。

 日本人見下した扱いが横行
 米軍岩国基地で働く約1200人(正規雇用者)の労働者のうち、約980人が参加する全駐労山口地区本部は、午前7時からストに突入。基地正面ゲート、南門、業者搬入門の3カ所でピケを張った。艦載機部隊移転とも関連し、「岩国は米軍の警戒態勢が厳しい」と全国の関係者のなかでも注視されていた。「山口県にある特別な条例」(関係者)なるものによって、プラカードなどは掲げられず、北門ではピケを張ることができない状況もあるなかの決行となった。
 労組員の1人は、「基地で働く労働者は、雇用主は国で使用者は米軍だ。精神的にも、労働環境からも複雑な状態のなかにおかれている。なにか問題が発生しても、原則として基地内では組合活動禁止だし、米軍と直接話す交渉権もない。すべて、日本政府とアメリカとの関係になるが、解決は遅遅として進まない」と実態を語る。
 労組員は、「問題となっている手当は、そういう状況のなか様様な要求を通じて勝ち取ってきたものだ。国は、“公務員にはない手当がある”などといっているが、基準となる数字が違う事実をねじ曲げて大仰しくいっている。思いやり予算の削減というが、米軍に関わる費用は削っていない。それを、財務省と防衛省が強行していることに対しての抗議だ」といった。
 削減が実施されれば、基本給が10%削られたに等しく、約1100〜4400円の間で支給されている語学手当も廃止となる。現在、国家公務員の約80%の割合の給与は、73%に下がるのだといわれている。しかし、労働者のなかでは、手当問題だけではなく、日本人を見下した扱いが横行していること、同様の扱いは、基地内に入る業者に対してもされていること、などが語られている。

 米軍には平身低頭の国
 基地で働いていた婦人の1人は、「思いやり予算をさらに増額するとか、日本人の給料を削るとか、国はなにを考えているのかといいたい。給料が下がるだけの問題ではない。国がアメリカのいうことに平身低頭だから、米兵もおもしろがって日本人をばかにしている」と話す。
 清掃作業員として基地に入っていたが、「日本人を見下した態度には腹が立っていけなかった」と語る。学校の掃除でも、汚すだけは汚して教室も食堂もすべて日本人に片付けをさせる。自分のミスでカビが生えても、日本人の責任とされる。掃除が済めば検査があり、ホッチキスの芯1本でも落ちていれば、すべてがやり直しになる。「一生懸命にあらを探していた。あれは嫌がらせだった」と振り返る。
 そして、「1番かわいそうだったのが、ペリースクールの塗り替えに入っていた業者。真夏の暑い盛りに、建物すべてのペンキ塗りをさせられて、終わったと思うとなにが気に入らなかったのか、全部やり直し。作業員は、クーラーのある部屋での休憩もさせてもらえず、日がカンカンに照っているところでひっくり返っていた」という。
 「指示通りに物をつくったり、材料を持って行ったりしても、気に入らないと“ダメだ。もう1度”という。おもしろがってやっていた。国は、上げ膳下げ膳だから話にならない。日本人から税金をぶんどってまでアメリカに何千億円も出さなくていい」と語った。
 労働者の1人は、「岩国は、日本人に対してとくに厳しいところといわれている。語学手当を切るというが、今は英語ができない人間にはまともな仕事がない。基地には段階のある試験制度があり、それに受かるため仕方なく学校に通うなどしていてそのための費用だ。最近、大卒や留学生など、英語ができる人間の採用を増やしている。できない人は、55歳などで早期退職させている」と話す。
 また、「雇用者は国だが使用者は米軍ということで、管理者の気に入らなければ解雇される。日本が金を払っているのに、なぜか米兵の奥さんなどが、従業員になっていたりする。そういうのは余り仕事をせず、日本人にやらせている。清掃など、業者の入札もひどいダンピングをさせて、金を下げている。おかげで基地に入る業者は儲けにならないと聞く。日本人の金は削って、なぜ米軍にだけは制限もなく金を払っているのか」といった。
 子どもが基地内で働いているという住民は、「基地で働こうと思えば、日本人として腹が立つことがあっても割り切らなければいけない。ショッピングセンターでも、バーでもマンションでも、全部日本の税金でつくっているのに、日本人は立ち入り禁止だ」と語る。
 そして、「テロ事件のあとは、化学兵器攻撃などといって避難訓練をよくやっているが、日本人は米軍を助ける訓練はしても、自分たちや家族は逃げる訓練はない。消防にいれば、給料はよくても命をかけて米軍を守る。米兵や家族は、飛行機などで逃げていく。狂っているし、基地の従業員だけでなく、岩国市民みんながもっとやれ! と思っている」といった。

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