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全駐労、21日に全国統一スト
                 防衛省は手当廃止撤回せよ     2007年11月19日付

 米軍基地で働く日本人労働者で構成する「全駐留軍労働組合」(全駐労・約1万6800人・山川一夫委員長)が21日、全国で始業から4時間の時限ストに突入することを決定した。来年3月に期限切れとなる「在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)」をめぐって防衛省が、日本の基地労働者に対し「格差給・語学手当廃止」「退職手当改悪」などを押しつける動きに怒りが噴出した。米軍基地従業員の全国ストは1991年以来16年ぶり。第2波、第3波のストも辞さない構えで、国側が基地労働者の要求を無視し続ければ今月末と12月上旬にも8時間ストに突入する。

 非組合委員にも協力呼びかけ
 3回目の団体交渉となった16日の午前中、沖縄や青森など全国から全駐労の代表72人が防衛省前に結集。鉢巻きをしめ「生活を破壊する一方的不利益変更は撤回せよ」と書いた横断幕を掲げ、果敢な抗議行動を展開した。
 午後からは「一方的な提案を撤回しなければ時限ストに入る」と防衛省に通告して団体交渉に入った。だが国側は「基地労働者の給与は高すぎる」「国家公務員にはない手当がある」と主張し交渉は決裂。その後、開かれた中央斗争委員会で7地区本部(青森、東京、神奈川、広島、山口、長崎、沖縄)と、沖縄・神奈川地本傘下の6支部すべてで21日にストに入ることを決定した。
 21日は職種に応じて始業時から4時間のストに入る。最大組合員数を擁する全駐労沖縄地区本部(約6500人)と神奈川地区本部(約6500人)をはじめ、全国の米軍基地ゲートで労組員がピケをはり、労組に加入していない基地労働者にもスト参加や協力を訴える。関係者の1人は「米軍基地内の軍関連の業務は約1300種類あり今実施されている業務は約900種類。それは戦斗機の給油係から、生活品を販売する店員などのサービス部門から多種多様だ。このすべての部門がストップすると米軍の訓練や業務に大きな影響が出る。米兵家族の生活面にも大きな影響を与える。近隣では交通渋滞となる。日本の基地従業員がストに入れば米軍基地は動かなくなる」と語った。
 スト当日、沖縄の米軍基地では、@航空技術や建築技術などの技術専門職、Aフォークリフト運転手、B重量車両運転手、Cコック、D食堂、売店の店員など、主な基地関連業務でストをおこなう。生命や安全に関する消防員、救急員などは状況に応じ個別に対応するとしている。
 米軍再編問題で頑強に反対する住民と国が激突している米軍岩国基地は、全駐労関係者のなかでも「米軍の警戒態勢が厳しくてほかの基地と違う緊張感がある」と注視される存在。このなかで全駐労山口地区本部(約980人)は早朝7時から4時間、基地正面ゲートを含む4ゲート前でピケを張る。この日の夕方5時30分から岩国市民会館で報告集会もおこなう。同基地では近年、派遣労働者などの非正規雇用が増えており「給与削減問題は正規従業員にとどまらない」という。労組員の1人は「非正規の従業員は組合に加入していないが、手取りは10数万円という人がほとんど。インド洋の給油問題でも思うが、政府は米軍に気を使ってばかりだ。防衛省は“基地労働者の給与が高い”と宣伝するが、米兵にかかる費用は一切削っていない」と語った。
 米軍佐世保基地の全駐労長崎地区本部(約850人)は、早朝6時から基地にある7ゲートでピケを張る。それより早い出勤者は個別に始業時からストに入る。メインゲートでは集会をおこなう。同基地は非正規従業員が増えており、全従業員の1割を占める。基地労働者の1人は「非正規従業員を正規従業員にしろ、と要求を上げようと論議していた矢先に、手当削減計画が出た。非正規従業員は残業をしても1カ月の給与は11万円前後。保険がひかれれば8万円程度で、ワーキングプア以下だ。“格差給”はほかの国家公務員にはない手当だが、それは米軍基地特有の手当で額が高いわけではない。これを“給料が高いから削れ”というのは話にならない」と強調した。
 米軍三沢基地の全駐労青森地区本部(約600人)は午前7時半から4時間ストに入る。3つのゲート前で抗議行動をおこなうほか、非組合員らに協力を求める。同地本は「日本人基地従業員の犠牲の上に、在日米軍再編費用を捻出しようとしている」と訴えている。
 防衛省は、米軍のために毎年2500億円もの血税をつぎ込む「思いやり予算」への批判世論が強いことから、来年3月の改定にむけ米国側に「削減する」と申し入れている。だがそこで削減する中身は、すべて日本の基地従業員の給与削減でしかない。米兵のための費用は、「聖域」として一切削らず、日本の基地労働者だけしぼり上げようというのである。基地労働者の1人は「基地内は日本の法律は適用されないし、独特の空気があり緊張の連続。だから2万円前後の格差給がついていた。でも格差給がついても1カ月15万円前後の人が多い。事実を正確に伝えるべきだ」と指摘した。

 第2、第3波のストも準備 防衛省の態度次第で
 全駐労中央本部によれば、今後は今月28日に団体交渉がおこなわれ、決裂すれば30日に第2波の始業時8八時間ストに突入する。その後は12月10日に団体交渉をおこなうが、防衛省側の態度次第で12月12日より第3波の始業時8時間リレーストに入る。リレーストは12日が沖縄地区本部、13日が青森、東京、広島、山口、長崎の5地区本部、14日が神奈川地区本部がストをおこなうと決定している。

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