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自殺増やす市政に全市の憤激
下関・市民の会本紙号外配布
               現状変える行動求める声    2006年11月3日付

 下関市内では、民主主義と生活を守る下関市民の会(兵頭典将理事長)が連日、安倍代理の江島市政による文化会館建て替え問題をめぐって、「市民生活を守り、下関をつぶさないためにこのようなデタラメ市政運営を改めさせる市民の力を結集しよう」と訴えて街頭演説を展開し、本紙号外の「安倍総理誕生で江島市政暴走」を配布している。市民のなかでは、地元企業がつぎつぎに倒産に追い込まれ、失業者が増え、若者に働く場がなく、働く場があっても生活できない状態にあったり、年寄りは年金も削られ医療も介護も受けられず死ぬしかないような目にあっているなど、市民殺しの政治にあらゆる階層のなかで激しい怒りが吹き出しているのが大きな特徴となっている。市民世論は大きな転換を遂げており、このような市政を変える行動を起こさなければならないという論議が発展している。

 卒業しても職がない・切実な高校生や大学生
 羽山町のサンリブ東駅店前で2日早朝、下関市民の会が街頭宣伝をおこなった。この地域は高校や大学が集中している。マイク宣伝をおこなった同会の兵頭理事長は、「155億円の税金を注ぎ込む文化会館建て替えで、江島市長は安倍首相の兄が中国支社長にいる三菱商事に落札させた。10億円近く安かった地元の原弘産グループは排除した。新博物館を白紙撤回に追い込んだように、正義と公正を求める市民の力でやめさせよう」と訴えると、市民から「がんばれ」などの声援が寄せられ、走行中の車から笑顔で合図を送る人や、バス亭で聞き入る高齢者の姿があった。
 高校生や大学生の号外を受けとる姿勢は真剣で、「学校の白板に貼ってありましたよ」「下関駅でいただきもう読みました」と声をかけていく高校生や、読みながら友だちと論議していく姿があった。高校二年の女子生徒は、「卒業したら下関で就職しようと思っている。父や母は下関がだんだんとさびれると話すが、地元に仕事を出さないことは、いけないことだ。父は工場でドラム缶など運搬作業をしているが、仕事が少なくなっている」と話した。
 高校生は共通して「人ごとではない」と受け止めている。下関中央工業高校の土木科、建築科では、1993年は新卒者の約80人の9割が地元建設業界に就職できたが、04年には数人で、昨年度は新卒者13人と依然として低水準のままという。号外をたたんでポケットに入れて、教室で読んでいる人が多く、地元就職先を奪いとる江島市政に怒りが行動となっている。

 建設現場等でも論議に
 建設労働者は号外を会社に持ち込んで現場の仲間に渡すなどしている。50代の建設労働者は、「給料は減るしボーナスはカットで、若い者はかわいそうだ。結婚して子どもを産もうにも、あんなに安い給料では生活できない。リサイクルプラザで神鋼や西松建設の下請をしたが、現場で作業するのはわしらなんだから、地元に発注させるように建設業界で動くべきだ」と話した 40代の失業中の建設労働者は、地元業者の江島市長提訴を我がことのように喜んだ。「3月末に仕事が切れたからと、会社から首を切られた。2年前に数年間いた建設会社が倒産して、職安通いをしてやっと入ったばかりだった。もっと仕事があれば切られずにすんだはずだ。文化会館建て替えを地元にやらせず、三菱商事にやらせたのは安倍さんがらみで見え見えだ」と声を荒らげ、知り合いに渡したいと号外数枚を持って帰った。
 就業人口の1割以上を占める建設労働者の失業、半失業状態は、タクシーやトラック運転手、製造ラインの労働者のあいだでも、深刻に受け止められている。タクシーで待機していた60代運転手は「マイクでやられている通りだ」と支持をあらわした。「この何年間は客がガタ減りで、水揚げはさっぱりだ。市民が仕事がなく困っているのに、なぜ三菱商事に出さないといけないのか。安倍首相の兄さんということならなおさらだ」とのべた。街頭宣伝のあとタクシー運転手のなかで論議が始まった。52歳のある運転手は高校を卒業して30年以上いた建設会社から、9月末に退職勧奨を受けて辞めた。「給料は3分の1カットでボーナスはなしだった。仕事がないからと4、5人が辞めたが、再就職したタクシー運転手はもっと厳しかった。高校2年生の息子が独り立ちするまでは、なんとか食いつないでいかないといけない」とのべる。
 30代まで大工だった中年運転手は、「よそのお客さんを乗せると、“総理の地元だからいいでしょうね”と何人からもいわれた。“いいことはなにもない。悪いことばかりだ”と答えている。この前、地元の建設関係者を乗せたとき、“神鋼から奥山工場建設でひどいことをされた”といっていた。政府は規制緩和を進めて、タクシー台数がデタラメに増えて運転手はひどい目にあった。地元下関では封建時代より悪いことを平気でやる」と怒りを語った。
 50代の労働者は「10数万円の給料ではやっていけない。妻に3人の子どもを渡して数年前に離婚した。上の息子だけは自分で大学に行ったが、下は中学卒業で大工になった。いくらか仕送りしているが、自分が食べていけない」と現状を語り、タクシー労働者も団結してたたかわなければいけないと話し合っていた。

 借金苦の自殺増加 9月は焼身自殺も・10年で590人自殺
 また借金に追われた自殺が、多くのところで人ごとでないと論議されている。10月30日の夕方にも岬之町の公衆便所で、中年男性が焼身自殺をした。10年前に年間39人だった市内の自殺者は、05年には72人まで激増しており、10年間で590人が自ら命を失った。
 5年前に運送業経営者の夫を自殺で失った婦人は、「うちの主人は死んだら下りる生命保険料を、借金していた知人や親戚など配り先を遺言に書いて、公園で首をつっていた。銀行が貸さないから、中小業者にとってそれしか手が残されていない。生命保険の自殺者は新聞の1面分を埋めるほどいると慰められたが、そうならないようにすることが政治のやる仕事のはずだ。地元発注をせず、自殺を生み出すようなものだ」と怒りをぶつけた。会社は廃業して、息子は自衛隊に入隊したため、イラク派遣や朝鮮情勢が動くたびに、また母は胸をしめつけられる思いをしている。
 ある薬屋の店主は、「私も、これと同じことをしたんよ」と、自殺者の見出しを指でなぞりながら語った。「でも“まて”と思い直してやらなかったけど、こういう人はたくさんいると思う。下関は大変なんだから」とのべ、号外をどんどん配ってほしいと激励した。介護関係の婦人は、「私の友だちも新下関のビルから飛び降りて、みずから命を絶った。経営していた会社は保険金で回しているようだが、こんな状態はおかしい」と実情をのべる。ある裁判所の関係者は「経営不振の倒産が減らない。地元発注をすべきだ」と話した。山口地裁下関支部の破産件数は96年に491件だったが、昨年度は769件と5割強多い。10年間でみると9039件にのぼっている。
 会社で号外を預かった建設業者は、「どこがつぶれてもおかしくない状態だ。神鋼の下請をしたときがそうだったが、商売のやり方が露骨になっている。大手やゼネコンは、下請や派遣、パートなど同じ仕事でもリストラと労働強化でボロもうけしている。大都市の東京や名古屋が好景気というが、これはただのリストラ景気だ。下請がいないと仕事ができないのに、無茶苦茶をする」とのべ、地元業界からも大手に偏った江島市政を揺さぶるべきだとのべた。若手の建設業者は「地元発注を増やす方法はいくらでもある。市長と議員のために200億円もかけて、巨大な市庁舎を作る必要はない。市内各地に分庁舎して、空いているビルや学校を活用すれば、低額で地元発注ができる」とのべる。川中中学校の建て替えでも、ゼネコン発注で教科教室型の特殊校舎にする必要はなく、これまで通りの地元発注にすればよく、江島市長の勝手をさせてはいけないと力を込めて語る。

 学校関係者も強い怒り
 小・中学校の関係者のなかでは、155億円をかけて文化会館建て替えをするより、ボロボロの校舎や使用禁止のトイレを直してほしいと、切実に訴えている。ある中学校の管理職は、「うちの校舎は建って50年近くなるが、壊れたトイレを直したくても、メーカーに品番がない古さで改築しかない。子どもたちが使いたくても、よその便所に行かなければいけない。急にもよおして失敗でもすればその子の人生にもかかわることだ。市教委に要望を出しているが、何年たっても“予算がない”としか返ってこない。それなら文化会館をやめればいいではないか」とのべる。
 ある小学校では配られた号外を見て、「市教委から電気や水道代の節約がいわれて、プールの水まで減らせという要求がされている。学校では予算がないからと、プリント代を各クラスごとの使用枚数を書き留めておいて、申し訳ないけど保護者負担にしている」と、心苦しい実態が語られた。地方交付税で学校改築や運営費が出ているものを、江島市政が使わせずに土建事業に注ぎ込んでいることに、怒りが高まっている。安倍首相は「教育再生」が看板だが、地元下関の教育実態を見てくれといっている。

 行動申し出る高齢者も
 高齢者のあいだでも号外を近所に配布する人や、行動したいと申し出る人が多数出ている。鮮魚仲買人だった高齢の夫婦は、「江島市長が何をしてきたか、よく知っている。表には立てないけど近所に配ることはやれる」と、街頭宣伝しているときに名乗り出てきた。「戦争中は南洋群島に送られて、下関に帰ってきて仲間と市場再開に走り回ったが、長屋にいて火事で焼け出されるなどして、何もなくなってしまった。国民年金は11年3カ月しかかけておらず、最低水準の生活をしているが、江島市長や安倍首相が地元業者に仕事をさせないで、九州の業者にさせるのはおかしいと思った。安倍後援会などしてきたが、許せない思いでいっぱいだ」と号外をまとめて預かった。70代の年金が月額5万円という婦人も、「人の金と思って、無茶苦茶に使うやり方は許せない」と、近所に号外を配って回った。
 71歳の元バス運転手は、「妻が4年前に脳内出血で倒れて半身不随で家事から入浴まで、すべて自分がしなければいけなくなった。妻は何も出来ないが、去年からホームヘルパーも来なくなった。私が元気だから適用外ということだが、自分が倒れたらどうなるかという不安な思いで必死にやってきた。医療費は高くなるし、サービスは切られるでやりきれない」と、箱物行政ばかりに金を注ぎ込む江島市長に怒りをのべた。
 70代の婦人は「夫が足が動かずに、要介護度5で施設に入っているが、介護保険は高くなり高齢者控除はなくなるなど、月額で9000円も多くとられるようになった。文化会館など建て替える必要はない。少ない年金で病院に行かれない老人が、少しでも安心できるようなことをすべきだ」とのべる。
 市民の会の宣伝活動で示された市民各層の怒りはかつてないものであり、どうすればこのような政治を変えることができるかという論議になっている。それは安倍首相の江島代理市政による、自殺者が増えようとかまわず、大型利権事業に突っ走るという、正義とか公正とかなくなり、市民を絞め殺す政治であることについてあいまいさなくはっきりさせること。それに打撃を与え改めさせる力は市民各層の大衆的な世論と行動であること。12月議会における、市議の態度を注目し、市民が圧力を加えなければならないこと。来るべき市議選は、市民に寄生して江島市長の飼い犬となっている市議をあぶり出し、市民派議員を増やす、そのような力を示す機会であることなどが活発に論議されている。

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