
![]()
| 渡邊勝先生が瑞宝中綬章叙勲 | |
| 当会の第二代会長渡邊勝先生(埼玉大学名誉教授)が平成24年春の叙勲において、瑞宝中綬章を受章されました。先生の長年にわたる教育研究分野での功労が評価されての受章ですが、当会のあらゆる活動にも常に中心的な役割を担っていただいた先生の受章は、当会としても大変誇りに感じるところです。心からお祝い申し上げます。 |
![]() |
「日本ヘルマンヘッセ友の会/研究会」総会 及び 「ヘルマンヘッセエッセイ全集」出版記念祝賀会のお知らせ | |
昨年度は、東日本大震災の影響により開催が見送られた日本独文学会春季研究発表会も、今年は上智大学(四谷キャンパス)にて開かれます。これにあわせ、「日本ヘルマン・ヘッセ友の会 / 研究会」の総会・研究発表会を、例年通り下記の要領にて開催いたします。ぜひご参集いただきますようお知らせ申し上げます。 またご存知の通り、この度「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」(全8巻)も完結いたしました。長年にわたりご支援いただきました会員の皆様には、心より感謝申し上げます。つきましては、第T期「ヘルマン・ヘッセ全集」とあわせて24巻に及ぶ翻訳全集の完結を記念し、出版記念パーティーを総会・研究発表会終了後に予定しております。これもまた、多くの会員の皆様にご出席いただければ幸いです。 |
||
総会・研究発表会 日 時 : 2012年5月20日(日) 14:00〜16:30 場 所 : 上智大学 四谷キャンパス 11号館320教室 〒102−8554 東京都千代田区紀尾井町7−1 議 題 : 第1部 報告・議事 1.活動報告 2.翻訳全集編集委員会報告 3.その他 第2部 発表 「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」完結にあたって 発表者 青島雅夫・岡田朝雄・田中 裕 第3部 その他 (プログラムは変更される場合があります) |
||
| 「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」出版記念祝賀会 日 時 : 2012年5月20日(日)午後5時〜午後7時 (会場受付開始 午後4時45分) 場 所 : 「カイザーホフ」 ( http://www.eyema-ent.co.jp/shop/shop02.html ) 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル B1 電話 03−5224−6028(代表) 会 費 : 4000円 (立食形式) *祝賀会からのご参加も可能です。出欠につきましては、会員の皆様にお送りしております葉書にて、5月13日までにお知らせ下さい。 *会場へのアクセスは、JR山手線「有楽町駅」(国際フォーラム口より4分)、JR京葉線「東京駅」(6番出口より1分)の他、東京メトロ有楽町線「有楽町駅」、千代田線「二重橋前駅」、都営三田線「日比谷駅」(それぞれ2〜5分)などが便利です。 |
||
![]() |
ふくやま文学館(広島県福山市) 企画展 『ヘルマン・ヘッセ―「少年の日の思い出」 没後50年によせて』開催中 |
|
| 広島県福山市にある「ふくやま文学館」では、現在『ヘルマン・ヘッセ ―「少年の日の思い出」 没後50年によせて』と題した企画展が開かれています。当会も講師派遣等で協力させていただいている魅力的なこの企画展にぜひお越し下さい。 会 期 2012年4月20日(金)〜7月8日(日) 開館時間 午前9時30分〜午後5時 (休館日 月曜日) 主 催 (公財)ふくやま芸術文化振興財団 ふくやま文学館 福山市教育委員会 観 覧 料 一般 500円(400円) 高校生以下無料 ※( )内は20名以上の団体料金 次の方は無料です。証明となるものを各受付にご提示ください。 社会福祉施設に入所されている方。 65歳以上で、福山市、府中市及び神石高原町に在住の方。 障がい者およびその介護者の方。 ふくやま文学館 HP http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/bungakukan/ |
||
![]() |
ノーベル文学賞作家ヘルマン・ヘッセ(1877〜1962)は、日本人に最も親しまれているヨーロッパの作家の一人です。代表作には「車輪の下」、「デーミアン」、「シッダールタ」などがあります。 日本では、「少年の日の思い出」(1931年)〔初稿「クジャクヤママユ」(1911年)〕が、中学校教科書に65年にわたって紹介され続けており、日本で最も多くの人びとに読まれた海外文学作品とされています。 ヘッセは、チョウ類を生涯にわたって愛し、蝶の採集に熱中した体験を反映した小説「少年の日の思い出」や、蝶を題材にした詩歌など、数々の作品を残しました。 本展では、「少年の日の思い出」を中心にして、その代表的な文学作品を紹介するとともに、作品に登場する蝶・蛾の貴重な標本や、ヘッセが描いた水彩画などを展示します。 (ふくやま文学館HPより抜粋) |
|
![]() |
東日本大震災で被災された方々にお見舞い申し上げます | |||||
| 去る3月11日の午後に発生いたしました東日本大震災により、会員の皆様方には被災された方がいらっしゃるのではないでしょうか。日本における観測史上最大の地震並びに大津波ということですので、直接に被災されなかった方でもご家族やご親戚、ご友人や知人等が被災なされたという方も多いかと思います。心よりお見舞いを申し上げますとともに、被害の少なかったことをお祈り申し上げます。 既に地震発生から一週間が過ぎ、実情が明らかになればなるほどその被害のあまりにもの甚大さに国民全員が驚きそして心配しております。その後も続いている余震への恐怖と不安、更には福島にある原子力発電所の事故が加わり、特に東北、関東にお住まいの人々と、そのご関係の方々のご不安は想像のつかないほど大きなものであることと思います。一日も早く地震が収まり、原発事故も収束に向かって欲しいものです。過去の経験から見ましても日本人はこうした災害から見事に立ち直ってまいりました。きっと今回もこの未曾有の大災害から立ち直られることと信じます。政府を始め関係諸団体や多くの人々が必死に救援活動をしています。現在不自由な状態にある方々も間もなく良い方向に向かっていくことと思います。時間とともに落ち着きを取り戻せば取り戻すほどに、また新しい困難な問題が生じてくることでしょうが、どうか忍耐強く乗り越えてくださいますようお願い申し上げます。しかしさし当たっては災害に会わなかった者が、被災なされた方々にできることがありましたならば、どうぞおっしゃってください。 現在までのところ、私に入っている情報によりますと、宮城県や福島県にお住まいの会員並びにそのご親族の方々は被災されはしたもののご無事でおられるということを付言しておきます。 どうぞ、被災されました皆様、お身体には充分にお気をつけられ、この難関を乗り越えてくださいますよう心よりお願い、お祈り申し上げます。 2011年3月17日 |
||||||
| 日本ヘルマン・ヘッセ友の会 / 研究会 会長 | ||||||
| 青 島 雅 夫 | ||||||
|
|
||||||
| ヘルマン・ヘッセ関連文献情報 | ||
| すでにお伝えしていたとおり、当会ではヘッセ関連の文献情報の集約とその一般への公表を順次行っていくことにいたしました。著書・論文・エッセイ・翻訳などジャンルを問わずお知らせいただいた文献情報をこのコーナーで広く公開する予定ですので、下記要領で今後とも情報をお寄せください。 |
||
| 種別 | 論文 |
| 著者 | 高橋 修(たかはし おさむ) TAKAHASHI, Osamu |
| タイトル | 恋の書としての『湯治客』――1923年のヘルマン・ヘッセ |
| 欧文タイトル | "Kurgast" als ein Liebesbuch ― Hermann Hesse in 1923 |
| 収録誌 | 北海道教育大学函館人文学会『人文論究』第77号、2008年、49〜60頁 |
| Jinbun-Ronkyu. Journal of the Society of Liberal Arts |
| 種別 | 論文 |
| 著者 | Kenichi Takeoka |
| タイトル | Über "synchronistische" Erscheinungen in Hesses Demian |
| 収録誌 | Kulturwissenschaftliche Germanistik in Asien. Band 3. Hrsg. von der Koreanischen Gesellschaft fur Germanistik. Seoul: EURO Trading & Publisching Co. 2008, S. 318-328. |
![]() |
「ヘルマン・ヘッセ文献情報」提供のお願い | |
「日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会」ではヘッセ関連文献の情報収集・整理を行うこととなりました。日本におけるヘッセ関係文献については、およそ30年前に、当会の会員でありなおかつ歴代の会長でもあった渡辺勝、田中裕両氏編纂による「書誌 日本におけるヘルマンヘッセ研究文献」に集約されていますが、その中に収められているのは1977年までの学術研究文献情報に限定されており、その後こうした試みがなされていませんでした。こうした現状に鑑み、新たにそれ以降の文献情報の集約とその一般への公表を当会の責務と考えた次第です。著書・論文・エッセイ・翻訳などジャンルを問わず情報収集する予定です。つきましては下記の要領に従って、皆様方ご自身が執筆した文献情報を提供していただきたくお願い申し上げます。 |
||
| 1. | 自らが執筆(含 翻訳)した文献で1978年以降に刊行されたものとします。著書・論文・エッセイ・翻訳などジャンルは問いません。 |
|
| 2. | 提供していただくのは「基本情報」のみとし、現物(抜き刷り、コピーなども含む)の収集保管は行いません。 |
|
| 3. | 「基本情報」は、所定の形式(4.参照)によってメールもしくは郵便にてご提供いただくこととします。 |
|
| 4. | 「ヘルマン・ヘッセ文献情報登録用紙」は、会員の皆様には事務局より郵送いたしますのでこれをコピーしてお使い下さい。また会員以外の方は、下記のファイル(Word形式)をダウンロードしてご利用下さい。 |
|
| 5. | 文献の「欧文タイトル」、および収録書、収録誌の「欧文名」はお分かりになる限りでけっこうですのでお書き下さい。未記入の場合は当方で作成させていただきます。 |
|
| 6. | ご提供いただいた情報は整理した上で、2008年刊行分から順次当会「会報」に掲載します。また部分的に当サイトでも公表させていただくことがありますのでご承知おき下さい。なお、2007年以前のものに関しては別途整理し、同様に逐次当サイト等で公表させていただくこととします。 |
|
| * ご提供いただいた情報は、上記の目的以外には使用いたしません。 | ||
| ヘルマン・ヘッセ文献情報登録用紙ダウンロード | ||
| 当会の編集による著書・翻訳、及び既に当サイトに掲載されている情報については、あらためてご提供いただく必要はございません。 | ||
文献情報の送付先および本件に関するお問い合わせ先 |
||
| 〒890-0065 鹿児島県鹿児島市郡元1-21-30 鹿児島大学法文学部人文学科 竹 岡 健 一 E-mail : takeoka@leh.kagoshima-u.ac.jp |
||
| 「日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会」とは? |
| 「ヘルマン・ヘッセに関心を持つものが集まり、ヘッセに関する諸活動を行うことを目的とする。本会に研究会を置き、研究会はヘッセに関するあらゆる研究を行うと共に、その研究成果を発表し、またヘッセの著作・文献・書簡等を広く一般に紹介する。」と規約にもありますように、私たち「日本へルマン・ヘッセ友の会」は、研究者と一般のヘッセファンによって、お互いの垣根を越えるかたちで成り立っております。現在では会員数78名を数えるに至ったこの会も、初めは研究者たちだけの小さな集まりに過ぎませんでした。1990年(平成2年)の秋に鳥取大学で開催された日本独文学会の際、井手賁夫先生(故人:当時北海道大学名誉教授)からの提案に基づき「ヘッセ研究会」設立準備会が結成されたのがきっかけです。皆さんは驚かれるかも知れませんが、それ以前はヘッセの研究者たちがともに意見交換をするような場は存在していなかったのです。 とにもかくにも会員である研究者たちを繋ぐ共通目標を「ヘッセ書簡集の翻訳」に定め、この壮大なメインプロジェクトを実行していくための作業から研究会の活動をスタートさせました。そのあたりの詳しい経緯は、私たちの最初の翻訳「ヘッセからの手紙 −混沌を生き抜くために−」(毎日新聞社)のあとがきに載っておりますので、興味のある方はどうぞご覧ください。また1992年には、ヘッセ記念館設立計画(スイス・モンタニョーラ)に伴う国際的なヘッセ友の会設立運動に呼応して、研究者のみならず一般のヘッセ愛好者を含む「日本ヘルマン・ヘッセ友の会」が発足し、その後、さまざまな経過をたどって現在の会にまで発展いたしました。 定期的な活動としては、年二回の例会の開催と年一回の会報の発行です。例会は、日本独文学会による研究発表会の時期と場所に合わせて、春季(総会)は東京または東京近郊で、秋季は全国各地で開催しております。初めにも申しましたように、本会はヘルマン・ヘッセに興味のある方ならどなたでも歓迎いたしますので、どうぞ仲間にお入り下さい。会の歴史を簡単にご紹介しながら、一同皆さんがいらっしゃるのを心よりお待ちしております。 |
| 日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会 事務局連絡先: 〒180-8633 武蔵野市吉祥寺北町3-3-1 成蹊大学法学部 E-mail : hesse@law.seikei.ac.jp |
![]() |
「ヘルマン・ヘッセ全集」 「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」刊行情報 |
| 私たち「日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会」編・訳による、新「ヘルマン・ヘッセ全集」全16巻(臨川書店)に引き続き、本年1月から新たに「ヘルマン・ヘッセ
エッセイ全集」全8巻の刊行が始まりました。これも第T期文芸全集と同様「Hermann
Hesse Sämtliche Werke」をもとにした翻訳で、随想、論文、日記など文芸作品以外の著作を網羅した魅力的な全集です。これら二つの全集合わせて24巻は、日本はもとより本国でも初めて印刷刊行された作品も多数含む本当の意味での「ヘッセ全集」と言えるものです。 |
![]() |
![]() |
|||
| 第T期 「ヘルマン・ヘッセ全集」編集委員 青島雅夫 / 伊藤貴雄 / 里村和秋 / 島途健一 / 鈴木直行 / 高橋 修 / 竹岡健一 / 田中 裕 / 茅野嘉司郎 / 春山清純 / 山本洋一 / 渡辺 勝 (50音順) |
||||
![]() |
![]() |
|||
| 第U期 「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」編集委員 青島雅夫 / 里村和秋 / 島途健一 / 新宮 潔 / 高橋 修 / 竹岡健一 / 田中 裕 / 松井 勲 / 山本洋一 (50音順) |
||||
| 臨川書店ホームページ | ||||
| ヘルマン・ヘッセ全集(全16巻) 刊行にあたって | |||||
| 国民的な作家、といわれて誰もが思い浮かべるのは夏目漱石だろう。外国の作家なのに、この漱石と同じように日本の読者に親しまれ続けてきたのがヘルマン・ヘッセである。我が国に初めて紹介されたのは明治42年のことだった。その後、昭和12、3年から岩波文庫で『青春彷徨(原題、ぺーター・カーメンツィント)』、「漂泊の魂(原題、クヌルプ)』、『車輪の下』などが読めるようになり、昭和2、30年代には人文書院、三笠書房、新潮社などから何種類もの全集があいついで刊行された。国語の教科書でも取り上げられて、中・高校生に青春の通過儀礼のような読まれ方もした。中でも『車輪の下』は受験勉強に苦しむ主人公に我が身を重ねる読者の共感を呼んで、文庫本も含めた総出版点数が外国文学の翻訳作品中で第一位を占めるほどだった。 こうして、我が国ではヘッセは"青春の作家"と見なされるようになった。だが、1995年に新編集で出た詩文集『人は成熟するにつれて若くなる』は熟年世代のベストセラーとなった。老いと死についての叡智を語る老賢者もまたヘッセの一面である。60年代のアメリカでベトナム反戦運動に共感するヒッピーたちに教祖ともて囃された『シッダールタ』や『荒野の狼』など、反体制でアナーキーな一面も見逃せない。 何故ヘッセの作品は多くの読者に親しまれるのか?「まるで私のことを知っているように、言いたくとも言葉に出来ない気持を、実にデリケートなところまで語ってくれ、思わず、そう、その通りだ、と叫びたくなる」、という感想を多くの読者が洩らしている。これが彼の文学の秘密である。彼は常に自分自身の苦難の体験を問題にする。その原点に立ち返って、言い換えや暗示を駆使して体験の状況に迫り、問題点を解明し、意味を問い、克服しようとする。あくまでも自分個人に徹するがゆえに、その一番奥底で、誰にも共通する普遍性へとつながってゆくのだ。 2002年、生誕125周年を記念して、生前からの出版元ズーアカンプ社から、全20巻の浩瀚なヘッセ全集が刊行された。現代のヘッセ研究の第一人者と目されるフォルカー・ミヒェルス苦心の編集である。従来は未刊だった小品や、新聞雑誌に掲載されたまま本に収録されたことのないエッセイや評論まで渉猟し網羅している。まずは、その約半分を占める文学作品の部の全編を、全16巻に編集し直し、「ヘッセ友の会・研究会」の総力を上げて翻訳した。本邦初公開の作品も多く、質・量共にこれまで我が国で出版されたヘッセ全集を凌駕するものと自負している。読者のご声援を得られれば、更に、残る半分のエッセイ・評論の部についても刊行にこぎつけたいと願っている。ご期待を乞いたい。 |
|||||
| 日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会 名誉会長 田中 裕 | |||||
| この文章は、臨川書店刊 「ヘルマン・ヘッセ全集」第4巻 (付録第1号)から転載させていただきました。なお、縦書き原文を横書きで掲載した関係上、漢数字を部分的に算用数字に変更しております。 |
| ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集(全8巻) 刊行にあたって | |||||
| 2005年4月より刊行を開始した臨川書店の『ヘルマン・ヘッセ全集』全16巻は2007年12月に完結した。幸い多くの方々に受け入れて頂いている。その上嬉しいことには本全集は2008年秋に「第44回日本翻訳出版文化賞」を受賞する栄に浴した。このような高い評価を与えられたことに対し、臨川書店の全面的なバックアップのもとに総力を挙げて編集、翻訳に携わった「日本ヘルマン・ヘッセ友の会・研究会」として心から御礼を申し上げる次第である。 ヘッセの作品が個々に出版されることは珍しくないが、全集が出たのはおよそ四半世紀ぶりである。臨川書店版の大きな特色は、これ以前に出た全集には含まれていなかった作品が多数収録されたことである。そこに多くの読者は新たなヘッセを見出してくださったことであろう。実はこれは、ヘッセ生誕125周年を記念して、2001年から5年の歳月をかけてズーアカンプ社から出た、著名なヘッセ研究者フォルカー・ミヒェルス氏編纂による新たなドイッ語版『ヘッセ全集』(全20巻)の内容が、驚くほど多岐にわたっていたことによる。それは初めてヘッセの全体像を余すところなく提示して、世界中のヘッセ愛読者や研究者をあらためて驚嘆させたのであった。そのズーアカンプ版全集の約半分は作品群であり、残りの半分は日記、覚書、省察、追憶、随想、文芸時評、時代批評等で構成されている。先の臨川書店版『ヘルマン・ヘッセ全集』は、そのドイツ語版全集の前半の10巻分をほぼ全訳した「文学作品全集」と呼ぶべきものである。それ故「日本ヘルマン・ヘッセ友の会・研究会」としては当初より残りの半分をも是非翻訳して日本の読者に供したいと願っていた。幸い臨川書店がその出版をも快く引き受けてくださり、実現する運びとなった。私たちはその後半部分を包括する新たな全集を、多様な概念を含む「エッセイ」という語を冠し、『ヘルマン・ヘッセエッセイ全集』とした。 『ヘルマン・ヘッセエッセイ全集』は全8巻からなり、原典後半の10巻分を若干縮小はしたが、ヘッセの人生や思想を知る上で重要と思われる部分をほぼ総て含めた。2009年1月に刊行する第1巻を皮切りに以後3ヵ月毎に1巻ずつ刊行し、2年後に完結する予定である。 この全集の特色は、ヘッセ個人の私生活に関する記述が極めて多い点と、新聞、雑誌に発表した、時代と文学に対する直接の発言にある。古くからヘッセの作品に親しんできた読者にとっては興味が尽きないであろう。また初めてヘッセに接する読者には、激動の20世紀のヨーロッパを代表する知性を知ると同時に、混沌の中で迎えた21世紀を明るい未来へと切り拓くための道しるべを、本全集の中において探り当てて頂けるであろう。 ヘルマン・ヘッセはこれまでにも、時代状況に応じて何度も甦り、その都度相貌を新たにしてきた。本全集で初めて公開される文章の数々は、新しい時代に向かう我々に大いなる指針を示してくれるものと確信する。 |
|||||
| 日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会 会長 青島 雅夫 | |||||
| この文章は、臨川書店による「ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集」紹介パンフレット掲載のものを転載させていただきました。 |
会の発足から現在に至るまでの活動記録
| 1990年 平成2年 |
10月 | 「ヘルマン・ヘッセ研究会」設立準備会(鳥取) |
| 1991年 平成3年 |
5月19日 | 第1回総会(日本大学文理学部) 井手会長就任 春秋2回の日本独文学会に合わせた会合開催を決定(春季は総会) 会長よりヘッセ書簡集の翻訳計画の提案 高橋健二先生の講演 |
| 10月 | 名古屋大学における学会に際して、名古屋にて例会(愛知会館) 書簡集翻訳の件 |
|
| 1992年 平成4年 |
5月24日 | 第2回総会(早稲田大学) 書簡集翻訳の件 |
| 10月8日 | 例会(筑波大学) カーサ・カムッツィ購入計画に伴う国際的なヘッセ友の会設立運動に呼応して、研究会を母体とする「日本ヘルマン・ヘッセ友の会」の発足を決定 |
|
| 1993年 平成5年 |
5月13日 | 第3回総会(東京・学士会館) 「ヘッセ友の会」として初めての総会(会員数約40名) |
| 10月6日 | 富山大学における学会に際して、富山にて例会(立山荘) | |
| 1994年 平成6年 |
2月 | 藤井啓行副会長逝去 |
| 5月15日 | 第4回総会(中央大学駿河台記念館) | |
| 10月9日 | 例会(山形大学) | |
| 1995年 平成7年 |
5月14日 | 第5回総会(立教大学) |
| 5月19日 | 井手賁夫会長急逝 | |
| 9月19日 | 北海道大学における学会に際して、例会並びに「井手先生を偲ぶ会」(弥生会館) 会則により副会長の渡辺勝が次期総会まで会長を代行することを確認。 井手初代会長の尽力で計画が進められていた「ヘッセ水彩画展」が、毎日新聞社主催により実現。1975年に日本で最初のヘッセ水彩画展を催した新藤信が、札幌を皮切りに日本全国8か所の展示会をアレンジ。同展覧会カタログ作製に友の会が協力。 |
|
| 12月 | およそ5年の歳月を経て、ヘルマン・ヘッセ研究会編・訳『ヘッセからの手紙―混沌を生き抜くために』(毎日新聞社)刊行 | |
| 1996年 平成8年 |
5月12日 | 第6回総会(東京・学士会館) 会の継続の決議と会長・渡辺勝、副会長・田中裕、幹事・島途健一(北海道・東北)、柴田泉(関東)、鈴木直行(中部・近畿)、山本洋一(中国・四国・九州)、監事・三浦安子、高橋修、事務局・茅野嘉司郎の役員選出 規約の若干の改正と書簡集翻訳のあとの次期プロジェクトとして、ヘッセについての論考・エッセイ集の企画が了承 |
| 10月20日 | 大谷大学(京都)における学会に際して、京都にて例会(くに荘) | |
| 1997年 平成9年 |
6月8日 | 第7回総会(中央大学駿河台記念館) |
| 8月 | 会員でNHKの山下稔哉が、ドイツ、スイスにおいてヘッセ番組を制作。ドイツ滞在中の島途健一、山本洋一が取材協力。番組は11月、NHK・ETV特集「もうひとつの"車輪の下"」としてテレビ放映。 | |
| 12月7日 | 沖縄国際大学における学会に際して、那覇にて例会(八汐壮) | |
| 1998年 平成10年 |
6月7日 | 第8回総会(中央大学) 役員改選期に当たり、現役員が全員再任 書簡集『ヘッセからの手紙―混沌を生き抜くために』が好評につき、毎日新聞社より続編の提案 |
| 10月 | ヘルマン・ヘッセ研究会編・訳『ヘッセ 魂の手紙―思春期の苦しみから老年の輝きへ』(毎日新聞社)刊行 | |
| 10月18日 | 例会(関西学院大学) | |
| 1999年 平成11年 |
5月23日 | 第9回総会(上智大学) (会員数約60名) ヘッセの生涯を追ったビデオ上映 ヘッセ研究会・友の会著『ヘッセへの誘い―人と作品』(毎日新聞社)刊行 出版記念パーティーを兼ねた懇親会開催 |
| 10月17日 | 例会(徳島大学) | |
| 2000年 平成12年 |
6月11日 | 第10回総会(東京都立大学) 全役員の次期再任決定 ヘッセの詩に寄せた歌曲のコンサート開催(ソプラノ:Bartsch=木村克美、テノール:富塚研二、ピアノ:佐藤由里亞、解説・歌:田中裕) |
| 10月8日 | 例会(名古屋・南山大学) | |
| 2001年 平成13年 |
6月10日 | 第11回総会 「ヘッセと私」のテーマで座談会 「日本ヘルマン・ヘッセ研究会/友の会」創立10周年記念祝賀会 合谷哲哉氏によるアコーデオン演奏 |
| 10月19日 | 信州大学における学会に際して、松本にて例会(東急イン) | |
| 2002年 平成14年 |
6月2日 | 第12回総会(獨協大学) ヘルマン・ヘッセのホームページ作成に関する最終確認 |
| 8月10日 | 「HERMANN HESSE PAGE JAPAN」公開開始 | |
| 9月29日 | 例会(新潟大学) 1.HERMANN HESSE PAGE JAPAN について (山本洋一 九州共立大学 助教授) 2.Calwにおける「ヘッセ年」について (田中 裕 中央大学 教授) 3.Gaienhofen訪問報告 (石橋邦俊 九州工業大学 助教授) |
|
| 2003年 平成15年 |
6月1日 | 第13回総会(武蔵大学) 第1部 報告・議事 1.国際ヘルマン・ヘッセ協会への加盟について 2.HHPJ「編集委員会」設置について 3.「翻訳全集刊行準備委員会」発足について 第2部 研究発表 テーマ 『クリングゾルの最後の夏』 発表者 新宮 潔(大阪商業大学 助教授) |
| 10月19日 | 例会(東北大学) Hermann Hesse Sämtliche Werke内容試読報告 担当:翻訳全集刊行準備委員6名 |
|
| 2004年 平成16年 |
5月14,15日 | Hermann Hesse Sämtliche Werke翻訳全集編集委員会 (八王子大学セミナーハウス) |
| 6月6日 | 第14回総会(日本大学文理学部) 第1部 報告・議事 1.2003年度活動及び決算報告 2.2004年度活動計画と予算案 3.役員改選 4.翻訳全集編集委員会報告 第2部 研究発表 テーマ 『1892年のヘルマン・ヘッセ』 発表者 高橋 修 (北海道教育大学 助教授) |
|
| 10月2日 | 日本独文学会 シンポジウム (当会会員による) テーマ: 「逃避/対峙/超克 − ヘルマン・ヘッセにおける<内面への道>の諸相」 発表: 1.ヘッセ平和思想の源流を訪ねて−『車輪の下』への教育文化史的註解 (伊藤貴雄) 2.三つの魔術劇場−ヘッセの<内面への道>の連続性 (高橋 修) 3.アスコーナ体験から見るヘッセ像 (竹岡健一) 4.ヘッセの20世紀文明への批判的視座−彼の音楽観を通して (山口 勝) 5.<内面への道>という自己客体化の試み (山本洋一) |
|
| 10月3日 | 例会(北海道大学) 「ヘルマン・ヘッセのシンポジウムを振り返って」 高橋 修 (北海道教育大学 助教授) |
|
| 2005年 平成17年 |
4月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集(全16巻) 刊行開始 第1回配本 第4巻 「車輪の下・物語集U」 |
| 5月4日 | 第15回総会(早稲田大学) 第1部 報告・議事 1.2004年度活動報告と決算報告 2.2005年度活動計画と予算案 3.翻訳全集編集委員会報告 第2部 発表 テーマ ヘッセの「個人主義」を探る−「文学研究」とは何か? 発表者 宇野 将史 (早稲田大学文学部大学院生) |
|
| 6月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第9巻 「メールヒェン・物語集Z」刊行 | |
| 8月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第1巻 「青春時代の作品T」刊行 | |
| 10月10日 | 例会(同志社大学) 『デーミアン』における飛翔について 青島雅夫(関西学院大学 教授) |
|
| 10月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第10巻 「デーミアン・戯曲の試み」刊行 | |
| 11月19日 | 講演会(関西学院大学大阪梅田キャンパス) 『作者と共に読む−ヘッセ読解の新たな試み』 Dr.ヘルガ・エッセルボルン女史(ケルン大学) *阪神ドイツ文学会との共催 |
|
| 12月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第8巻 「ロスハルデ・クヌルプ・放浪・物語集Y」刊行 | |
| 2006年 平成18年 |
2月28日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第6巻 「物語集W」刊行 |
| 4月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第11巻 「子どもの心、クラインとワーグナー、クリングゾルの最後の夏、伝説・寓話・たとえ話」刊行 | |
| 6月4日 | 第16回総会(学習院大学) 第1部 報告・議事 1.2005年度活動報告と決算報告 2.2006年度活動計画と予算案 3.役員改選 4.翻訳全集編集委員会報告 第2部 研究発表 テーマ 『荒野の狼』における鏡のモティーフについて 発表者 里村 和秋 (成蹊大学 教授) 役員改選の結果、会長に青島雅夫、副会長に島途健一、事務局に里村和秋が新たに選出 |
|
| 6月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第7巻 「ゲルトルート、インドから、物語集X(1912-1913)」刊行 | |
| 8月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第13巻 「荒野の狼、東方への旅」刊行 | |
| 10月15日 | 例会(九州産業大学) 「J.B.ラングの生涯とヘッセ」 竹岡健一 (鹿児島大学 助教授) |
|
| 10月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第3巻 「ペーター・カーメンツィント、物語集T(1900-1903)」刊行 | |
| 12月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第5巻 「物語集V(1906-1907)」刊行 | |
| 2007年 平成19年 |
2月28日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第2巻 「青春時代の作品U」刊行 |
| 4月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第16巻 「全詩集」刊行 | |
| 6月10日 | 第17回総会(東京大学・駒場キャンパス) 第1部 報告・議事 1.2006年度活動報告と決算報告 2.翻訳全集編集委員会報告 3.HHPJ「今月の詩」の今後について 第2部 発表 テーマ 「韓国ヘッセ研究者との出会い」 発表者 竹岡健一 (鹿児島大学 教授) |
|
| 6月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第15巻 「ガラス玉遊戯」刊行 | |
| 8月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第14巻 「ナルツィスとゴルトムント、牧歌」刊行 | |
| 10月8日 | 例会(大阪市立大学) 「ヘルマン・ヘッセをめぐって −『徳島俘虜収容所新聞』(Tokushima Anzeiger)のことなど−」 発表者 瀬戸武彦 (高知大学 教授) |
|
| 11月10日 11月11日 |
『ヘルマン・ヘッセ』第U期編集委員会(東京・総評会館会議室) 第U期編集委員: 青島雅夫、里村和秋、島途健一、新宮潔、高橋修、竹岡健一、田中裕、松井勲、山本洋一(五十音順) 議題 :1.収録作品選択 2.全集表題及び各巻表題 3.各巻編集責任者 4.刊行順序 5.刊行までのスケジュール 6.その他 第U期全集を『ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集』(全8巻)とし、2009年1月から刊行することなどが委員会決定された。委員会での決定事項は今後総会などを経て確定される予定。 |
|
| 12月30日 | ヘルマン・ヘッセ全集 第12巻 「シッダールタ、湯治、ニュルンベルクへの旅、物語集[」刊行 | |
| 2008年 平成20年 |
6月15日 | 第18回総会(立教大学・池袋キャンパス) 第1部 報告・議事 1.活動報告 2.翻訳全集編集委員会報告 3.「ヘルマン・ヘッセ文献情報の収集について」(竹岡健一) 4.役員改選 第2部 発表 「徴」の顕現 ―『ナルチスとゴルトムント』試論 発表者 田中 洋(東京大学) 臨川書店刊「ヘルマン・ヘッセ全集」(全16巻)刊行記念祝賀会(池袋第一ホテル) |
| 10月13日 | 例会(岡山大学) 「ヘッセにおけるシュトルムの影響 ―短編における類似点を探る」 発表者 松井 勲 (大阪教育大学) 「ヘッセの勝手な解釈」 講演者 松下 清彦 (九州電力 最高顧問) |
|
| 10月24日 | 第44回日本翻訳出版文化賞授賞式(学士会館) 「ヘルマン・ヘッセ全集」(全16巻) 臨川書店刊 日本ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会 編訳 |
|
| 2009年 平成21年 |
1月30日 | ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集 第1巻 「省察T」刊行 |
| 4月30日 | ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集 第2巻 「省察U」刊行 | |
| 5月31日 | 第19回総会(明治大学・駿河台校舎リバティータワー) 第1部 報告・議事 1.活動報告 2.翻訳全集編集委員会報告 3.その他 第2部 研究発表 人格の生成、そしてそれを乗り越えること − ヘッセ中期の文学における「個性化への道」 − 発表者 鍵谷 優介 |
|
| 7月30日 | ヘルマン・ヘッセ エッセイ全集 第3巻 「省察V」刊行 |
| 新着情報 | 今月の詩 | ヘッセの生涯と作品 | ヘッセへの旅 |
| ヘッセ関連出版物 | ヘルマン・ヘッセ友の会/研究会 | 読者の広場 | リンク集 |