▼似顔絵(映画監督)A・ヒッチコック
A・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)
最初に観たのが『鳥』『サイコ』あたりだったので、しばらくヒッチコック映画というのは薄気味悪いホラーのイメージが強かった。そんな中で観た『裏窓』は衝撃的でした。悪意むき出しのカラスや、マザコン変態男は出てこないけど、そもそもが面 白いストーリーを仕掛けいっぱいの映像で一気に駆け抜ける。サスペンスと呼ばれるものがまさにそこにあった、という感じだった。
トリュフォーがヒッチコックにインタビューした『ヒッチコック映画術』には、そうしたハラハラドキドキの映像表現をいかに作り上げていったかが余すところなく披露されていて、とても興味深い。その本の中で触れている、サスペンスを肉付けするためで特に意味のない「マクガフィン」の使い方などはヒッチコック映画の特徴がくっきりと浮き出ていると思う。
(2001年3月制作、週刊朝日『似顔絵塾』2001年11月16日号掲載)