▼似顔絵(俳優)三船敏郎
三船敏郎(Toshiro Mifune)
絵はおなじみ「三十郎」のイメージ。三船敏郎は本当に「ツラ構え」のいい役者だと思う。フレームの中におさまるだけでピシリと緊張が走る、なんて人はそう多くない。絵の三十郎については、ほんとうはもっと埃っぽく脂じみている泥くさい感じですよね。そこらへんのところはちょっ描ききれなかった。
三船敏郎は『用心棒』『椿三十郎』あたりになると、じゅうぶんキャリアを積んで風格といおうか円熟味といおうか、そんなものが全身や立ち振る舞いからいやおうにも滲み出てくる感じがします。個人的にはもっと初期の『野良犬』あたりの捨て鉢なギラつく感じが好きだ。椿三十郎を評していう「抜き身の刀」みたいに危なっかしくてしかたない感じがいいんですよねー。僕の世代だと、松田優作ショーケンがやはりそんな雰囲気を持っていた。もちろん、役者さんが年ともに変貌をとげるのを否定するわけではありません。
(2001年3月制作、週刊朝日『似顔絵塾』2002年9月13日号掲載)