自律神経失調症
 自律神経失調症とは、特定の病気ではなく、自律神経の不調によって起こるさまざまな症状群をいいます。
 なかには、ノイローゼやうつ病、あるいはある種の精神的性格を背景としている場合も少なくありません。また、思春期や更年期などの内分泌系の変調をきたしやすい時期に起こりやすい傾向もみられます。
 いずれにしても原因究明が第一です。このような症状の起こる誘因として、高血圧、低血圧、脳動脈硬化症、糖尿病などの全身的病気や中枢神経系の変性による病気があるので、神経内科や内科で精密検査を受ける必要があります。

T 原因・症状
 原因は不明ですが、局所的自律神経障害を示す特殊な病気もあり、手の血管が急に収縮するレイノー病、クインケ浮腫、多汗症、アディー症候群などがあります。
 症状としては、体がだるい、疲れる、頭が重い、よく眠れない、心臓がドキドキする、胃が重いなどという不定の訴えを持っていますが、病気やはっきりした異常は認められません。精神過労や不眠などの何らかの心因を持っているか、軽いうつ病ないし神経質な人であります。
 他の神経系の器質的な病変、例えば脊髄小脳変形症や多発性神経炎で自律神経系が侵されると、無汗症、体温調節不能、性欲減退、低血圧症、起立性低血圧、失神発作、夜尿や失禁などの症状も呈してきます。
 先天性の自律神経系の障害があると、激しい症状を示し、10歳までに死亡しますが、時には30歳以後に現れ、強い起立性低血圧、失神発作などとともに手足の振戦や知能の低下を示し、シャイ、ドラッガー症候群と呼ばれています。
 遺伝性に脳神経の変性を起こす病気には、ギラン・バレー症候群や遺伝性多発性神経炎の一部には症状の強いものがみられます。


U 治療
 自律神経失調症によって起こる症状は多く、微熱がある、脈が速い、寝つきが悪い、食欲がない、すぐに疲れる、やせて体が虚弱である、記憶力が減退である、体があちこち痛む、頭痛がする、頭重感がある、めまい、息切れがする、手足が冷える、汗をかきやすい、下痢と便秘を繰り返す、嘔吐する、生理不順になる、性機能に障害が起こる、などの症状がみられます。
 
 頭痛を取るためには  百会、天柱
 胸苦しさを除くためには  肺兪、天突、中府
 動悸、息切れ、のぼせなどには  厥陰兪、心兪、だん中、巨闕
 顔のほてりには  曲池、手三里、合谷
 足の冷えには  陽陵泉、足三里、築賓、三陰交、太谿
 お腹の調子を整えるためには  肝兪、期門、中月完
 体力を整えるためには  腎兪、盲兪
 便秘解消には  大腸兪、大巨


効果のあるツボ


〈頭痛を取るため〉には
・百会(ひゃくえ)
頭のてっぺんにある。両手の親指を左右の耳の穴に入れ、ボールをつかむ要領で頭をつかむようにして、左右の中指が合わさるところ。数多くの経絡が交わる一点である。
・天柱(てんちゅう)
後頭部の出っ張った骨の下端のくぼみから約2cm下で、外側2cmのところ。
〈胸苦しさを除くため〉には
・肺兪(はいゆ)
第3胸椎の出っ張りの下。脊柱の左右外側1.5寸。
・天突(てんとつ)
左右の鎖骨のくぼみ
・中府(ちゅうふ)
鎖骨の下のくぼみを指で肩のほうにたどっていくと、肩の骨に突き当たる。そこから指1本分下。
〈動悸、息切れ、のぼせなど〉には
・厥陰兪(けついんゆ)
第4・5胸椎棘突起の間の外方1.5寸。
・心兪(しんゆ)
第5胸椎の出っ張りの下。脊柱の左右外側1.5寸。
月亶中(だんちゅう)
左右の乳首を結んだ線の中央。
・巨闕(こけつ)
みぞおちの下。
〈顔のほてり〉には
・曲池(きょくち)
ひじを曲げた時にできる大きなシワの端。
・手三里(てさんり)
ひじの曲がりめから下2寸、人差し指側。
・合谷(ごうこく)
手の甲、親指と人差し指のまたの間。
〈足の冷え〉には
・陽陵泉(ようりょうせん)
ひざの真横下、骨の突起の下。
・足三里(あしさんり)
向うずねのすぐ外側、ひざの下3寸。
・築賓(ちくひん)
足の内くるぶしから指幅5本分ほど上。
・三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの出っ張りのふもとから指3本分上がったところ。
・太谿(たいけい)
内くるぶしの後側。
〈お腹の調子を整えるため〉には
・肝兪(かんゆ)
第9胸椎の出っ張りの下。脊柱の左右外側1.5寸。
・期門(きもん)
みぞおちの中心の巨闕(こけつ)から、やや下がった両脇
中月完(ちゅうかん)
みぞおちとへその真ん中、へその上4寸のところ。
〈体力を整えるため〉には
・腎兪(じんゆ)
おへその高さで、背中の正中線から指2本分外側。
・肓兪(こうゆ)
へその外5分。
〈便秘解消〉には
・大腸兪(だいちょうゆ)
腰骨の上端を結ぶ線の上にある。背中の正中線から指2本分外側。
・大巨(だいこ)
へそから左右両側に2寸の天枢(てんすう)から真下に2寸。
【参考文献】 「お医者さまがすすめるツボ快癒術」(代田文彦著:講談社)
「体のツボの大地図帖」(マガジンハウス)


V 食事療法
ビタミンB1、B2などは脳栄養素が含まれているので、精神安定に役立ち、カルシウムは健脳効果があり、グルタミン酸は頭脳の働きを良くします。
【効果のある食材】
セロリ、しそ、くず湯、トマト、パセリ、ピーマン、玄米ごはん、納豆、など


W 温泉療法