東洋医学は、古代インドに起こった医術が中国に伝わり、数千年の長い間に多くの臨床家の治療経験が積み重ねられ、体系付けられた医学です。
 「病気を治す」という目的は同じですが、東洋医学と西洋医学では、考え方に根本的な違いがあります。
 
 西洋医学は、組織、器官はそれぞれ独立して異なるものと見ています。ある特定の疾病を薬物療法や外科手術などにより治療を行います。
 それに対して、東洋医学は、体内のバランスが崩れた時に病気が起こり、病気をを治すことは、バランスを整え、元に戻す事と考えます。東洋医学は、自然の原理を背景に、その根底となる考えが『陰陽論』と『五行説』なのです。

 東洋医学は、ツボ療法鍼灸あん摩マッサージ指圧など)にて、古くから予防医学として用いられ、特に慢性疾患にも効果があります。
 近年は、国際化の道をたどり、疾病だけでなく、スポーツ選手や企業内での社員の健康管理などに東洋医学が飛躍しています。


   

陰陽論とは、この世のすべての物質や現象を陰と陽に分ける考え方です。あらゆる物質や現象は、陰か陽のどちらかに分けることができます。しかし、純粋に陰、あるいは陽の要素のみのものはありません。陰の中に陽があり、陽の中に陰があるのです。これも陰陽論の主要な考え方の1つです。
陽: 太陽 晴天 春夏 ・・・
陰: 雨天 秋冬 ・・・


五行説とは、この世のすべての物を5つの要素に分ける考え方です。
5つの要素とは木、火、土、金、水です。
また、この世のすべての現象は、この5つの要素の相生、相剋の関係によって説明できます。
五行 五臓 五腑 五季 五刻 五方 五精 五情 五音 五悪 五根 五主 五支 五役 五声 五液 五志 五菜
にら
小腸 血脈 らっきょう
土用 中央 意智 湿 肌肉 せり
大腸 夕方 西 皮膚 ねぎ
膀胱 精志 もやし


木は樹木のこと。方向は東、季節は春。春は物が発生する時期である。それで物の発生は木に属する。
色は青、臭いは (あぶらくさい)、味は酸、穀物は麦、果実は李(すもも)、家畜は鶏などが木に属する。
火は火災のこと。方向は南、季節は夏。夏は物が盛んになる時期なので、物の成長は火に属する。
色は赤、臭いは焦(こげくさい)、味は苦、穀物は黍(きび)、果実は杏(あんず)、家畜は羊などが火に属する。
土は土砂または粘土などのこと。方向は中央、季節は夏の土用。土用は物が変化する時期なので、物の変化は土に属する。
色は黄、臭いは香(こうばしい)、味は甘、穀物は稗(ひえ)、果実は棗(なつめ)、家畜は牛などが土に属する。
金は金属のこと。方向は西、季節は秋。秋は物が収穫する時期なので、物の実りは金に属する。
色は白、臭いは腥(なまぐさい)、味は辛、穀物は米、果実は桃、家畜は馬などが金に属する。
水は液体状の物のすべてのこと。方向は北、季節は冬。冬は物が隠れる時期なので、物の隠れた状態はすべて水に属する。
色は黒、臭いは腐(くされくさい)、味は塩辛い、穀物は豆、果実は栗、家畜は豚などが水に属する。
五運行大輪の図


《相生、相剋関係》

  相生は、互いに生み生まれるという仲の良い間がらであり、相剋は、互いに抑制し合うという間がらである。
  また、臓と腑も関係しています。

相生関係 相剋関係 臓腑の相生、相剋関係

【参考文献】
「日本鍼灸医学」(経絡治療学会編集)
(山田光胤・代田文彦著 図説 東洋医学より)
(カナケン鍼灸ミニガイド No.2 1996.5)