超能力検証チャレンジ!

 近頃は、TVでも超能力者や霊能力者、占い師などが大活躍しています。しかし、その能力は本物なのか、きちんと調べられ太鼓判を押された人はなかなかお目にかかれません。しかし、6月18日22時から放送された日本テレビのゲツスペという番組では、それを行ったのです。行ったのは、超能力バスターとして有名なジェームス・ランディ氏。いったいどんな結果になったのでしょうか。


検証者
 今回超能力者を検証するのは、その筋で走らぬものはいないほどの有名人、ジェームス・ランディ(James Randi)氏です。ランディ氏はフロリダ州フォートローダーデールというところに住み、ジェームス・ランディ教育財団を運営しています。この財団では、ランディ氏の前でトリックなしの超能力だと認められたら賞金100万ドルが出るチャレンジを行っています。

 まずはランディ氏がスタジオに登場です。ランディ氏がマジシャンとして活躍したこと、その後CSICOPの創設メンバーとして超常現象のトリックを暴いてきた経歴を紹介します。
 ランディ氏は、ニセ超能力者のトリックを暴くことについて、
「私は現実の世界を信じています。誰もが信じているこの現実を、ひっくり返すようないかさま超能力は、何も知らない人々にとって、きわめて危険なものだと考えているんです」
と述べています。

 番組では、ランディ氏の実績として、ジェームズ・ハイドリック氏との対決を紹介します。彼は手を触れることなく電話帳をめくるパフォーマンスを見せますが、ランディ氏は息を吹きかけているだけだと話し、同じパフォーマンスを演じた後、電話帳の回りに発泡スチロールの小さな切れっ端ま蒔いていきます。その結果、ハイドリック氏の「念力」は、電話帳のページを動かすことが出来ませんでした。
 3年前の韓国でも、同じような鑑定ショーが行われ、体中に金属が張り付くという「マグネット男」イム・ユスン氏がチャレンジしました。3kgもあるアイロンも体に貼り付け、金属以外も貼り付けることが出来るユスン氏。息子も同じことが出来るようでした。そのチャレンジでランディ氏は、ベビーパウダーを取り出し、肌をさらさらにします。本当に磁力もしくはそれに類する引きつける力を発しているなら、ベビーパウダーなど一顧だにせず吸い付けるはずでした。しかし、実際はユスン氏がアイロンを体に貼り付けようとしますが、残念ながら吸い付けることが出来ませんでした。

 このような挑戦は42年にわたって行われ、300人以上が挑戦し、一人も認められてはいません。
「アメリカのことわざに、自分の言葉に責任を持つなら、金を出せ、とある。だから、100万ドルを用意したのだ。でも、本物の超能力にはお目にかかったことがない。もちろん、私の知らない人の中に、本物がいるかもしれませんけどね」
そう話すランディ氏。えなりかずき氏が、TVに出ている超能力者を見てトリックがわかるのかという質問にランディ氏は、
「私はマジシャンですから、大概の超能力をニセモノだと見破ることが出来ます。でも、困ったことに、自分が超能力者だと主張する人の中には、我こそは本物だと信じ込んでしまっているケースが多いんですよ。自分がトリックを使っていることすら気づかない。」
と話しています。


挑戦者
 このランディ氏に挑戦するのが、透視能力を持っているといわれるマイケル・マッジオ(Michael Maggio)氏です。アイオワ州フォートドッジに住み元弁護士だという彼は、本人曰く、「私に不思議な力があるのは疑いようがない」そうで、自らランディ氏に挑戦状を送ったようです。10年ほど前から特殊な力が備わり始めたと感じたという彼によると、「精霊と交信することができたり、いくつもの様々なビジョンを見たりする。それも、未来も。もし何かアドバイスがほしいときは精霊に呼びかける。そうするといつでもどこでも返事をくれる」のだそうです。

 番組の予備実験では、まず、3枚の紙に「家」「星」「車」のイラストを描き、1枚ずつ黒い封筒に入れました。マッジオ氏は、1枚を選び透視結果を絵に描くことをしました。描いた絵は「家」です。見事的中です。ただ、スタッフが描いた絵は三角屋根に煙突が出た形で、マッジオ氏が描いた絵は屋根が平らで屋根も2段重ねでした。
 また、次の実験として黒い封筒に入った4つの漢字を透視してもらいました。「三」は縦線が入ったり線の長さが違ったりしていますが、似ていなくもない形でした。このときマッジオ氏は、映像と声の二つが伝わってきたそうです。「月」は碁盤の目のようで一マスおきに色が塗ってあるものを、次に八分音符を二つつなげた音符の形を書き、二つが重なったようなイメージが見えると言います。音符の形は、月に似ていました。その他は、「平」が中心から六方向に波線が放射されるような形を、「岡」は、文字を組み合わせて描く顔のような形で、口元があがって笑っているような形です。似ていると言えば似ていなくもない結果でした。

 ランディ氏は、ゲストでたま出版社長の韮沢潤一郎氏にこの実験をどうとらえるかと問われて、
「何か簡単な絵を描いてといわれるとだいたい80%の人は家を描く。他の10%が星や三角形で、驚くには値しない」
「マッジオ氏は自分の描いた絵の向きを変えたりしていた。(いろいろ向きを変えながら)他の3つの文字と比べて、この(音符)の形が似ていないと言い切れますか?」
「今(予備実験のこと)のような曖昧なものではなく、正しいか間違っているか議論の余地がないテストをしなくては」

と話し、ランディ氏が考案したテストが行われることになります。ランディ氏とマッジオ氏はすでにテストについて話し合い、契約を結んでいたそうです。


懸賞金にチャレンジ
 テストの内容は、「強制的選択」と呼ばれる方法だそうです。具体的には、鍵のかかった鞄から取り出したランディ氏が自宅で用意した20通の封筒があり、それぞれに全く違う20種類のイラストが封印されています。20種類のイラストがどういったものかは表になって張り出されていますが、ランディ氏もマッジオ氏もどれに何が入っているかわからないようになっています。透視結果は、封筒にものの名前を書くことで示します。テストのクリア基準は、20枚中少なくとも5枚以上(番組によると、1/389の確率になるそうです)。ランディ氏は、統計的に見て、通常なら不可能な数字だと言います。さらに、超能力に縁のない一般人なら、1枚当てるのが精一杯だ、とも。

 20枚全ての封筒に答えが書かれ、全ての答えが書かれるまでに9分34秒の時間を費やしました。
 結果発表は、どうだったのか。えなり氏が封筒を開けていきますが、このようになりました。

(透視結果)     (実際のイラスト)
うさぎ          プライヤー
・オートモービル    
ビール
・シマウマ        
ドラム
・              
時計
・オウム         

・時計          
サッカーボール
・トランプ         
警官
・下駄          
オウム
・星            
計算機
・テニスラケット     
警察官
・リンゴ          
リンゴ
・プライヤー       
テニスラケット
・計算機         
ロケット
・ロケット         
下駄
・本            
ウサギ
・鉛筆      
     トランプ
(残りは未確認)

 正解枚数1枚。残念ながら、超能力があるとは認められませんでした。

 結果発表後、司会の三宅裕司氏が、「TVのスタジオではやりにくいのか」という質問にマッジオ氏ははっきり「いいえ。言い訳したいとは思わない」と述べています。
 実験後、ランディ氏は、
「今日はまたひとつ超能力など存在しないことが証明されました。証明できない力を信じてはいけない。それは皆さんの人生さえ脅かすことになります。国家であれ、個人であれ、イタズラに超能力を信じ込んでしまうのは、きわめて危険なことなのです。カルトです。このことを是非とも肝に銘じてほしい」
と話し、番組は終了します。


 おまけとして、韮沢潤一郎氏がランディ氏の実験に使った封筒を調べていました。司会の三宅氏がそれを見付けて飛んでいき、調査の結果を聞くと、「これにはタネが見つからない」と残念そうでした。


感想
 マイケル・マッジオ氏は、ランディ氏も最後に行っていましたが自分の力をきちんと検証しようとした大変立派な考えの持ち主だと思います。その点については大いに認めるべきでしょう。ただ、アメリカで行われた予備実験についてですが、私はあまりあたっていないように思えたのですが、どうなんでしょう? 家の形はずいぶん違っているし、当たったように見える「月」の字の透視ですが、彼は最初白と黒が交互になっている碁盤の目のようなものを透視しています。その後も、音符と重なっているように見えるとも言っています。そう考えると、「月」とはほど遠いと思うのは私だけでしょうか。
 そしてTV局も、せっかくの答え合わせを変に編集しないできちんと放送して欲しかったです。番組的には一つしか当たっていない(しかもかなり後半で)ので盛り上がりなどを考えればそのまま放送はできなかったのでしょうが、最後に20個全ての答えと結果との対比ぐらい出してくれても良かったのにな、と思いました。


 非常に残念でしたが、今回は「超能力ではない」ことが証明されてしまいました。もちろん、この例一つを持って「超能力はない」などと断定はできませんが、なかなか本物には出会えないようです。誰か本物の超能力者がランディ氏にチャレンジして合格し、夢見るちびっ子達(私を含む)に超能力はあるのだと教えてもらいたいものです。