PCゲーム(エロゲ/美少女ゲーム)レビュー グリザイアの果実

グリザイアの果実 (予約キャンペーン:グリザイアの秘宝(ビジュアルファンブック)付き) タイトル グリザイアの果実
メーカー フロントウイング
ジャンル ADV
シナリオ 木緒なち/藤崎竜太/桑島由一/かづや
原画 渡辺明夫/フミオ
SD原画 ななかまい
対応OS WINXP/Vista/7
ボイス フルボイス
定価 9,240円
発売日 2011年02月25日
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評価
シナリオ/システム/グラフィック/サウンド/キャラクター/総合90点


レビュー
「幸が楽しそうに笑ってくれていること。それがわたし達にとって、一番の幸せなんだもの」

──その学園は、少女達の果樹園だった。

外敵から隔離された学園にやってきたのは、生きる目的をなくした一人の少年。
守るべき物を見失い、後悔と贖罪のみに費やされる人生の中で、その少年に残されたのは首に繋がれた太い鎖と、野良犬にも劣る安い命。
そして少年は、その学園で少女達と出会い、新たな希望を見つけ出す。

──その少女は、生まれてきたことが既に間違いだった
逆らった罪──
──生きながらの死
誰も守ってなんかくれない──
──そして生き残った罰。

そこは、少女達の果樹園。
彼女達は、後悔の樹に実った懺悔の果実。そんな少女達に、俺に一体なにが出来る・・?
それは、一人の少年が夢見た永遠の希望──
(OHPより抜粋)

隔離された学園に通うことを余儀なくされた5人の少女と、生きる目的を無くした1人の少年が出逢ったことで生まれた一筋の希望を描いた学園恋愛AVG。


政府の工作員として生きてきた主人公・風見雄二が、過去に問題を起こした学生を集めた学園に転校してくるところからこの物語は始まります。

この学園の生徒数は僅かに5名、それもすべて女生徒ということもあり、様々な意味で異分子となる雄二に対する風当りは強く、露骨に怯えられたり、カッターで切りかかられたり、おっぱいを押し当てられたりと、過剰な反応をとられることになります。

共通ルートでは雄二が学園に溶け込みヒロインたちの信頼を得るまでを描き、個別ルートでは各ヒロインたちの過酷な過去を知る中で、彼女たちが持つトラウマと二人の前に立ちはだかる問題を解決していくという流れになっています。

各シナリオにはハッピーエンドとバッドエンドが1つずつ用意されています。
ヒロインたちは微妙な立場にあり、抱えている問題も非常に深刻であるため、中にはハッピーエンドでもすべての問題を解決することができずエンディングを迎えてしまうルートもあり、バッドエンドに至っては、どちらかの死を持って幕を閉じるような悲劇的な結末が待ち受けていることも少なくありません

しかしながら、涙を誘うためだけに人が死ぬような安っぽいバッドエンドだけは一つも用意されていません。
その結末に至るまでの過程がしっかりと描かれているため、悲劇的な展開に対する理不尽さは一切感じられず、バッドエンドを受け入れられる環境が十分に整えられている点は高く評価できますね。

中でも蒔菜のバッドエンドは秀逸
ありふれた日常のシーンと思わせながら、その実、とてつもない狂気を孕んでいるラストには思わず鳥肌が立ちました。
エロゲ史上でも屈指のインパクトを持つバッドエンドと言っても過言ではないので一見の価値はあります。

もちろんハッピーエンドの内容も良く、天音シナリオやみちるシナリオのクライマックスなど、涙腺を大いに刺激するエピソードが多数用意されているので、正攻法でも十分勝負になる作品です。

どのシナリオも甲乙付け難いところですが、個別シナリオに序列を付けるなら天音>みちる=蒔菜>幸>榊の順ですね。

天音シナリオ最大の見どころは中盤で語られる彼女の壮絶な過去。
話の内容自体に強く惹き込まれたこともあるのですが、それを聞いた後の雄二の反応も非常に好ましく、このエピソードを何度も読み返してはニヤニヤしてしまいます。
ただ、ラストからエピローグまで年月を飛ばし過ぎた点だけは不満が残るので、この辺りはファンディスクで補完してくれると個人的には嬉しいかな。

個人的にはみちるハッピーエンドも好きですね。
5人の中で一番幸せなハッピーエンドは間違いなくこのシナリオですからね。
是非ともファンディスクでは、このあとの三角関係(?)を描いてもらいたいものです。

天音やみちるを始めとするヒロインたちのアフターシナリオにも興味が湧くところですが、回収し切れなかった伏線や描ききれなかったエピソードも散見されており、由梨亜や千鶴、一姫など、個別シナリオが用意されていなかった魅力的なキャラたちも多数存在するので、続編およびファンディスクとなる「グリザイアの迷宮」「グリザイアの楽園」の発売が今から楽しみですね。


周防天音、榊由美子、松嶋みちる、入巣蒔菜、小嶺幸の5人のヒロインだけではなく、先ほど名前を挙げたキャラを始めとするサブキャラ達も非常に魅力的で、キャラの魅力も相当なものがあります。
そのため、序盤から中盤にかけて長く続く共通ルートの日常シーンも楽しめるため、恋愛ADVとしては文句のつけようがありませんね。

キャラに序列を付けるならみちる>天音=蒔菜>幸>榊の順になるかな。
共通ルートが終わった時点では、榊>天音>幸>蒔菜>みちるの順だったんですが、全シナリオをコンプリートすることにはすっかり評価が入れ替わってしまいました。
1位から最下位に転落した榊は共通ルートや他のヒロインのシナリオでは非常に可愛かったのですが、肝心要の自身のルートではまるで魅力を感じなかったんですよね。

みちるは榊の真逆で、共通ルートや他のヒロインのシナリオではダメダメすぎてウザイことこの上なく、まさに萌えないゴミを地で行くキャラだったんですが、個別シナリオに入るとそのダメっぷりが可愛く思えるエピソードが多々用意されていており、いつの間にかその言動の一つ一つが愛しく思えてきてしまうようになるんですよね。
それまでとのギャップがあまりにも大きすぎるため、余計に可愛く見えてしまい、シナリオ終盤ではずっと「みちる可愛いよみちる」って叫んでたような気がします(苦笑


最後に総評。
フロントウイング10周年記念作品だけあって質・量ともに素晴らしく、出来はフロントウイングの最高傑作「ゆきうた」と比べても遜色ないレベルと言えます。
「ゆきうた」以降のフロントウイング作品は佳作以上良作未満の作品が多かっただけに、これだけ面白い作品を再び世に輩出してくれたことは、ファンとしては非常に嬉しいですね。

複数ライターによる作品だけに、整合性に欠ける点やシナリオ間の雰囲気の違いといった細かな欠点もありますが、シナリオのインパクトが凄まじいため、少なくともプレイ中にはそれらの粗はまるで気になりませんでした。
シナリオに負けず劣らずキャラも良いため、総合的なレベルは非常に高い作品と言えるでしょう。
泣きゲー好きの人なら名作級の評価を与えても何ら不思議はなく、レベルが非常に高かった2011年の作品の中でも上位に位置する作品なのは間違いないので、シナリオを重視する人には是非ともプレイしてもらいたい作品です。


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